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子どもの発達お悩み相談室 第33回 「小4の息子が母親にだけ暴力をふるいます。障害が潜んでいるのか、精密検査が必要でしょうか。」


みなさまが、小学生以下のお子さまを育てていて、「うちの子ちょっと変わってる?」と思い、お子さまの発達などに関してご心配になっていること、お悩みになっていること、お気づきになったことなどについて、脳科学者の久保田競先生と、その弟子で児童発達研究者の原田妙子先生が児童の脳や発達の最新研究をもとに回答します。※金曜・不定期更新

Q33:小4の息子が母親にだけ暴力をふるいます。障害が潜んでいるのか、精密検査が必要でしょうか。

■家族状況
ピョンピョン(相談したい子の母、40代前半)、夫、長男(相談したい子、小4)、長女、次男

■ご相談
 学校では普通におとなしく、真面目な性格。6月ころから家で暴れる、癇癪、特に母親にだけ暴力的。学校や児童福祉センターでカウンセリング受けました。以来、母親として今までになく本人の気持ちを解きほぐす努力をしたおかげで、この一週間、良い方向に変化しつつあります。何が原因だったのか、いまだにわからずにおります。ただの一過性の反抗期だけなのか…何か身体に障害が潜んでいるのか、考えるだけでも怖くなりますが、専門医の精密検査、必要あるでしょうか? お教えください。宜しくお願い致します。

A. 専門家の回答

お子さんにストレス、かけていませんか?

親の接し方で子どもは変わる
 ピョンピョンさんが息子さんの気持ちを解きほぐす努力をされたおかげで、息子さんの状態が良くなってきた、とのこと。本当に良かったです。きっと、カウンセリングでそのようにしたほうがいい、とアドバイスがあったのでしょう。

 つまり、それくらい息子さんには、お母様ピョンピョンさんからの働きかけが必要だった、それがそれまでは足りていなかった、ということではないでしょうか。また、「一過性の反抗期だけなのか…何か身体に障害が潜んでいるのか、考えるだけでも怖くなります」という言葉からは、失礼ながら、お子さん「だけ」の問題だと思われているような印象を受けます。

家庭内暴力の6割は母親が対象
 普通におとなしく、真面目な息子さんが、一体何が原因で暴れたり癇癪を起こしたりするようになったのか。なぜ、母親であるピョンピョンさんにだけ暴力的なのか。

 実は一般的な家庭で暴力が発生する場合、本人より弱いものが対象となりやすく、その6割が母親を対象としているという調査があります。さらに、その動機が「しつけなど親の態度に反発して生じる」ということも警視庁の報告にあります。

 もしかしたら、息子さんは、ピョンピョンさんの態度を厳しいとか、コントロールされていると感じていたのかもしれません。あるいはどれだけ頑張っても、認められないなどで承認欲求があったのかもしれません。

 まだ親に甘えていたい気持ちもある小4の子が親に暴力をふるう、というのは、よほど追い詰められていたのだと思います。大人からしたら大したことのない言動でも、子どもによっては大きなプレッシャーを感じてしまう場合があるものです。

家庭で暴力をふるう子どもの共通点
 家庭内暴力をおこすお子さんの場合、本人の性格や家庭環境において、共通点があります。性格は、真面目でおとなしく、あまり自己主張をせず友人関係も活発ではない。家庭環境では、親の過干渉または無関心、あるいは親子がくっつきすぎていて、子どもに親への強い依存心や甘えがある。

 もちろん、他にも社会的な問題やトラウマ、精神的な疾患など、さまざまな要因が関係していることもあるので、ピョンピョンさんの息子さんの場合がそうかどうかはわかりません。色々なことが重なって、ということもあるので、原因を突き止めるのは難しいかもしれませんね。

 今回、カウンセリングを受けた時のアドバイスを実行して、よい方向に息子さんが変化しているということなので、今後もそのように息子さんに関わっていくことが大切だと思います。また、その際、発達の問題があるとは言われなかったのなら、改めて発達検査を受ける必要はないように思います。

(※第34回「もう10歳なのに、家で月に1~2回癇癪を起こす娘。外では優等生なのに、どうしたら?」は3月18日(金)に更新されます)

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久保田競先生
1932年大阪生まれ。
東京大学医学部卒業後、同大学院で脳神経生理学を学ぶ。米国留学で最先端の研究を身につけ、帰国後は京都大学霊長類研究所で教授・所長を歴任。
『バカはなおせる 脳を鍛える習慣、悪くする習慣』『天才脳を育てる3・4・5歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』等、脳に関する著書多数。

原田妙子先生
福岡大学体育学部修士課程卒業後、久保田競に師事し博士号取得。海外特別研究員としてフランス国立科学研究センター(College France CNRS)認知行動生理学研究室、パリ第六大学 脳イメージング・運動制御研究室を経て、現在は浜松医科大学 子どものこころの発達研究センターの助教。専門は子どもの脳機能発達。

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