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子どもの発達お悩み相談室 第29回 「何度言っても爪噛みがやめられない4歳の息子。このご時世、気になって仕方ありません。」


みなさまが、小学生以下のお子さまを育てていて、「うちの子ちょっと変わってる?」と思い、お子さまの発達などに関してご心配になっていること、お悩みになっていること、お気づきになったことなどについて、脳科学者の久保田競先生と、その弟子で児童発達研究者の原田妙子先生が児童の脳や発達の最新研究をもとに回答します。※ほぼ毎週金曜更新

 

Q29:何度言っても爪噛みがやめられない4歳の息子。このご時世、気になって仕方ありません。

■家族状況
さかさま(相談したい子の母、30代後半)、夫、長男(相談したい子、4歳)、長女(0歳)

■ご相談
久保田競先生、原田妙子先生こんにちは。いつも興味深く、拝読させていただいています。4歳の息子が爪を噛むことがやめられません。寂しいと爪を噛んでしまう、などの言葉を受けてとても気にしています。

息子は先天性心疾患で、幼いころから入退院を繰り返しており、どちらかというと過保護に育ててしまっていると思っております。2歳には手術もすべて終わり、保育園にも通いだし、3歳には妹ができました。

爪噛みが始まったのは保育園に行き初めてからで、先生からも、爪を噛んでいる旨お話をされました。ばい菌食べちゃうからやめよう! ママ、爪切りたいなーなどと声かけをしても次の瞬間には爪をかじっています。このご時世ですし、爪を噛んだ(舐めた)指で回りを触り、それを口に運ぶことに抵抗があり、やめさせたい気が強くなり言葉も強くなってしまい、反省の繰り返しでいます。インターネットなどで調べて、苦いマニキュアなども試しましたが、一瞬いやな顔をしますが、結局すぐに爪噛みが始まってしまいます。いつかやめるよ、という言葉にも疲れてしまいました。

A. 専門家の回答

人に迷惑をかけない癖は良しとしてはどうでしょう。

癖はなかなか治らないもの
 息子さんにとって、爪噛みは一種の癖になっている感じですね。癖というのは本人も無意識のうちにおこなってしまうことなので、なかなか注意してすぐ治るというものではありません。

 髪をさわる、鼻をほじる、貧乏ゆすりをする、ペン回しをする……大人になっても癖のある人はたくさんいます。ただ、成長するにつれてなんとなくやってもいい時と場所を体得していく、というのはあると思います。

除菌シートで手をふく練習を
 そうは言っても、確かにご時世がら口に入れた指であちこちさわるのは良くない、というのはあるかもしれません。除菌シートで指をふく練習をしてみてはどうでしょうか。爪を噛む前と後にふければいいのですが、無意識のことでしょうから、気づいた時に。

 保育園でも除菌シートを預けておいて、「気づいた時にふくように促してください。」とお願いしておくとか。気休め程度ではありますが。

どんな時に爪を噛んでいるか観察する
 ところで、息子さんはどんな時に爪を噛んでいるのでしょうか。保育園に行く時でしょうか。それとも、さかさまさんが下のお子さんを抱っこしてる時でしょうか。

 そういう時にやっているのであれば、それは息子さんなりに自分を安心させるための調整法の1つなのかもしれません。退院して妹ができて保育園にも通うようになって、それまでさかさまさんを独占できていたのに、そうもいかなくなり、でも新しい環境にも必死で順応しようとしている、そんな時にはじまった癖なのかもしれません。

自分を安心させるための行為を取り上げない
 そうだとすれば、爪を噛んでるときにちょっと声をかけて、噛んでいる手をさりげなくとって手をつなぎ、頭をなでてあげるとか、息子さんがリラックスするようなことをやってみてはどうですか。

 無理にやめさせようと、さかさまさんが一生懸命になればなるほど、息子さんとしては、自分自身を安定させるための行為を認めてもらえずに、余計ストレスが高まってしまいます。

 注意するなら、「やめなさいっ」という感じではなく、さかさまさんのお膝にのせて、噛んでいる手をそっと握り「大丈夫だよ」と声をかけてあげてください。真剣に責めると追い詰めてしまい、さらに爪を噛む行動が強く出てしまいかねません。

 息子さん本人が、もう少し大きくなってお友達に、「いつも爪噛んでるね」と言われて恥ずかしいと思えばやめるかもしれません。さかさまさんがこだわればこだわるほどやめないでしょう。

 口に入れた指でベタベタと、という懸念はありますが、そこで自分を安心させているのだと思って、長い目でみてあげてはどうでしょう。

 

(※第30回「妄想し突拍子のないことを言う3歳の娘。児童心理士さんに療育に通った方がいいと言われました。」は1月14日(金)に更新されます)

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久保田競先生
1932年大阪生まれ。
東京大学医学部卒業後、同大学院で脳神経生理学を学ぶ。米国留学で最先端の研究を身につけ、帰国後は京都大学霊長類研究所で教授・所長を歴任。
『バカはなおせる 脳を鍛える習慣、悪くする習慣』『天才脳を育てる3・4・5歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』等、脳に関する著書多数。

原田妙子先生
福岡大学体育学部修士課程卒業後、久保田競に師事し博士号取得。海外特別研究員としてフランス国立科学研究センター(College France CNRS)認知行動生理学研究室、パリ第六大学 脳イメージング・運動制御研究室を経て、現在は浜松医科大学 子どものこころの発達研究センターの助教。専門は子どもの脳機能発達。

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