全国的に有名な「福井県立恐竜博物館」をはじめ、恐竜の全身骨格標本を展示する博物館を厳選。キッズが大好きなティラノサウルスだけでなく、いろんな種類の恐竜化石が見られたり、リアル過ぎて怖い(!?)恐竜ロボットを置く博物館もあるので、チェックしてみてくださいね。
なお、各博物館の紹介文に出てくる「レプリカ(複製)」とは、本物の化石から型をとって作った模型の標本です。実物同様に学術的にはとても重要な標本ですから、一見の価値があります。夏休みなどの自由研究も兼ねて訪れてみては?
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日本最大級の規模を誇る「福井県立恐竜博物館」(福井県勝山市)
恐竜化石の一大産地・福井県勝山市にあり、世界3大恐竜博物館ともいわれています。常設展示室は、1階「恐竜の世界」「地球の科学」、2階「生命の歴史」の3つのゾーンから構成。4,500㎡の広大な空間には、恐竜の全身骨格標本50体をはじめ、千数百もの標本や大型復元ジオラマなどを見学できます。
50体の恐竜全身骨格のうち10体は、実物の化石を展示。そのほかに、全長7mのブラキロフォサウルス・カナデンシスは、ウロコや爪、くちばしなどを残した実物ミイラ化石で、世界で最も保存状態がよい恐竜化石の一つなので必見です!
福井県勝山市で発見された6種の新種恐竜の一つで、草食恐竜のフクイサウルス・テトリエンシスの全身骨格標本を展示。ほかの新種恐竜5種も観察してみましょう。「恐竜の世界」ゾーンのティラノサウルスロボットは、動き方や吠え方までリアルで大迫力。中国四川省の中生代ジュラ紀の情景を再現したジオラマや200インチの対面スクリーン「ダイノシアター」では、恐竜時代へタイムスリップした感覚に♪
画像提供:福井県立恐竜博物館
施設情報
住所:福井県勝山市村岡町寺尾51-11/時間:9:00~17:00※24年の夏季延長開館期間7月20日(土)~8月18日(日)は8:30~18:00(最終入館各30分前)/定休日:第2・4水曜(祝日の場合翌日)、12月31日・1月1日※夏休み期間は無休。※展示替えや施設の点検のための臨時休館あり ※来館は事前予約制
公式サイト:https://www.dinosaur.pref.fukui.jp/
ティラノサウルスがおすわり!?「国立科学博物館」(東京都台東区)
日本を代表する総合科学博物館です。「地球館」地下1階には、恐竜の化石が並ぶ展示室「恐竜の謎を探る」があります。その中の人気恐竜・ティラノサウルスの全身復元骨格は、向かいのトリケラトプスを待ち伏せするかのように、恥骨(おしりの骨)を地面につけた世界初の“おすわり”の姿勢です。
トリケラトプスの右半身骨格は、関節がつながった状態で発見された、世界的にも非常に保存状態がよい実物化石。また、地球館1階「地球史ナビゲーター」のアロサウルスは日本で初めて展示された恐竜の全身骨格、頭部以外のほとんどが実物化石なので貴重です。恐竜以外に、地球館3階の動物のはく製100点以上が見られる展示室「大地を駆ける生命」も。今にも動き出しそうな大勢の動物に、子どもたちは喜びますよ。
画像提供:国立科学博物館
施設情報
住所:住所:東京都台東区上野公園7-20/時間:9:00~17:00(最終入館16:30)/定休日:月曜(祝日の場合翌日)
公式サイト:https://www.kahaku.go.jp/
大型恐竜の実物化石がある「神奈川県立生命の星・地球博物館」(神奈川県小田原市)
地球の歴史と生命の多様性を紹介する自然系博物館。エントランスホールには、通常は四足歩行の恐竜とされるチンタオサウルス・スピノリヌスの複製が、上空を舞う翼竜や天井画に合わせるため、後ろ足で立ち上がった姿で再現されています。
恐竜コーナーでは、大型恐竜を中心とした全身骨格標本を展示。エドモントサウルス・アンネクテンスは、ほぼ100%が実物化石からなる標本です。比較的細身で長い首と尾をもつ恐竜、ディプロドクス・カーネギイのレプリカも設置。すぐ横にアパトサウルス属の一種の上腕骨(実物)があり、触って形や大きさを比べることができます!
また、天井から吊るされた大小2体を同時に観察できるティロサウルス・プロリゲール(実物)、保存状態がよく細部までわかるステノプテリギウス属の一種(実物)も見ものです。
施設情報
住所:神奈川県小田原市入生田499/時間:9:00~16:30(最終入館16:00)/定休日:月曜(祝日・振替休日の場合翌平日)、館内整理日(原則第2火曜)、12月29日~1月3日
公式サイト:https://nh.kanagawa-museum.jp/
地元産恐竜がテーマの「ベネックス恐竜博物館(長崎市恐竜博物館)」(長崎県長崎市)
国内で初めて発見されたティラノサウルス科大型種の化石など、ほかでは見られない「長崎市産の恐竜」がテーマです。恐竜の全身骨格標本は16点あり、全長13mのティラノサウルスの全身骨格レプリカを、国内で唯一展示。非常に保存状態がよく、最高齢級の約30歳と学術的にも重要な標本です。立派な角を持つ植物食恐竜・トリケラトプス頭骨の複製は、頭部の近くに実物の角化石があり、触ることもできますよ。
さらに、ティラノサウルス科復元ロボットが出現! 全長約6mのロボットは最新の学説に基づき、羽毛やウロコなどが再現され、匂いを嗅いたり、大声で吠えたりします。毎月内容が異なるワークショップも毎日2回開催。詳細は公式HPで確認しよう。
施設情報
住所:長崎県長崎市野母町568-1/時間:9:00~17:00(最終入館16:30)/定休日:原則月曜(公式HPでご確認ください)
公式サイト:https://nd-museum.jp/
ライブシアターも評判の「神流町恐竜センター」(群馬県・神流町)
館内は「恐竜の足跡をたどる」「世界の恐竜と翼竜」など、9つのゾーンに分けて構成。全身骨格・産状骨格をはじめ、ライブシアターなどの内容で、恐竜について学ぶことができます。そのライブシアターでは、恐竜時代のモンゴルへタイムスリップ。恐竜のたちの生活と生死をかけたサバイバルは、見ごたえ満点です!
「モンゴルの恐竜たち」ゾーンでは、アジア最大最強の肉食恐竜・タルボサウルスや格闘したまま化石になった珍しい「格闘化石」などを展示。「神流町(かんなまち)の化石」ゾーンでは、関東唯一の恐竜化石の産地・神流町で発見されたサンチュウリュウ、スピノサウルスや貝の化石が見られます。上に乗って触ることができる骨格標本・ティラノサウルス産状骨格は、フォトスポットとしてもオススメ。
施設情報
住所:群馬県多野郡神流町神ケ原51-2/時間:9:00~16:30(最終入館16:00)/定休日:月曜(12月~3月は月曜・木曜)
公式サイト:https://dino-nakasato.org/
化石発掘現場を再現した「群馬県立自然史博物館」(群馬県富岡市)
「群馬県立自然史博物館」の「恐竜の時代」コーナーでは、数多くの恐竜の実物化石やレプリカを展示。その導入として、ガラス製の床下にある「ボーンベッド」がお目見え。トリケラトプスがいた北アメリカの発掘現場を、実物化石を用いて再現しています。
3体の竜脚類のマメンキサウルス、ブラキオサウルス、カマラサウルスの全身骨格も注目です。特にカマラサウルスは、北アメリカ大陸で発掘された実物化石で組み立てられたもの。年老いたメスの全身骨格がどんな形をしているのか、じっくり観察しましょう!
施設情報
住所:群馬県富岡市上黒岩1674-1/時間:9:30~17:00(最終入館16:30)/定休日:月曜(祝日の場合翌日)
公式サイト:https://www.gmnh.pref.gunma.jp/
3体の全身骨格に着目!「大阪市立自然史博物館」(大阪府大阪市)
長居公園の一角にある自然史博物館は、自然の仕組みや、その歴史などについて紹介。第2展示室「地球と生命の歴史」では、3点の全身骨格標本を見学することができます。
肉食性で鋭い歯と爪を持ったアロサウルスの全身骨格を見たちびっ子は、体長10m・体高4.5mの大きさにびっくりするはず。有名な恐竜・ステゴサウルスは、体長4~9mの体の大きさに対して非常に小さい頭、背中の骨板と尾のトゲが特徴です。自分の目で確認してみて。
施設情報
住所:大阪府大阪市東住吉区長居公園1-23/時間:3月~10月9:30~17:00、11月~2月は~16:30(最終入館各30分前)/定休日:月曜(祝日の場合翌平日)、12月28日~1月4日
公式サイト:https://omnh.jp/
恐竜時代の地層が学べる「埼玉県立自然の博物館」(埼玉県・長瀞町)
埼玉・長瀞町(ながとろまち)の「自然の博物館」では、恐竜時代の地層をテーマの一つとし、埼玉県で見られる岩石・鉱物・化石・地層などをズラリと展示。かつてアジアに生息したガリミムス ブラツスのレプリカは、館内唯一の恐竜の全身骨格標本です。長い脚&首、大きな目が特徴で、映画『ジュラシック・パーク』シリーズにも登場しました。
加えて、今から2,500万年前~400万年前に生息した肉食性の巨大サメ、カルカロドン メガロドンの全長12mの生態復元模型なども見どころです。
施設情報
住所:埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1417-1/時間:9:00~16:30、7月・8月は~17:00(最終入館各30分前)/定休日:月曜(祝日、7月・8月は開館)、12月29日~1月3日※臨時休館あり
公式サイト:https://shizen.spec.ed.jp/
総展示化石標本は850点!「御船町恐竜博物館」(熊本県・御船町)
御船町(みふねまち)に分布する約9,000万年前の地層は、恐竜をはじめとする貴重な化石を数多く産出。同町の博物館の常設展示室には、地元で発見された化石や世界中から集められた化石など、約850点の資料が展示されています。
館内で最も目をひくのは「恐竜進化大行進」です。恐竜の全身骨格19体が年代順に並び、進化の歴史をたどることができます。また、多様な恐竜化石を産出する白亜紀の地層、「御船層群」の化石もお見逃しなく!
施設情報
住所:熊本県上益城郡御船町大字御船995-6/時間:9:00~17:00(最終入館16:30)/定休日:月曜、年末年始
公式サイト:https://mifunemuseum.jp/
ほぼ完全化石の恐竜を展示「豊橋市自然史博物館」(愛知県豊橋市)
各時代・各地の代表的な恐竜の全身骨格12点を展示。また、恐竜から鳥類への進化の過程で重要な始祖鳥(しそちょう)や、全身フサフサだった“羽毛恐竜”の実物化石およびレプリカもいっぱい!
90%実物の全身骨格のエドモントサウルス・アンネクテンスは、体長約7mの植物食恐竜。その後ろには、生態復元した巨大な壁画が描かれています。同じく植物食恐竜のユアンモウサウルスのレプリカは全長17m。おなかの下をくぐり、骨格を下から観察できますよ。
施設情報
住所:愛知県豊橋市大岩町字大穴1-238/時間:9:00~16:30(最終入館16:00)/定休日:月曜(祝日・振替休日の場合翌平日)、12月29日~1月1日
公式サイト:https://www.toyohaku.gr.jp/sizensi/
ワークショップなども調べて旅行計画を立てよう!
かつて地球上に存在した恐竜には、親御さんもスケールの大きさとロマンを感じるはず。紹介したのは地方の施設が多いので、骨格標本の見学ツアーを事前に計画してみてください。また、岩石から化石を削り出すクリーニング作業などのワークショップやイベントを開催する博物館がいくつかあります。訪問前に公式HPで確認を!
ライター:小林智明