「そうそう!」と深くうなずきながら
まずは、この表紙。
キラキラの目とふっくらほっぺ、両サイドの髪のハネもとっても愛おしい。「あなたの すてきな ところはね」と語りかけていくおはなしですが、3歳になった息子を持つ私には、すべてのページで「そうそう!」と深くうなずいてしまう内容でした。ページをめくるたびに「かわいい!」と声が出てしまいます。
この絵本を読んだときに浮かんだのは、息子の陽気な笑顔でした。おぼえたての動きや言葉で私たちを笑わせようと、日々なかなか面白いことをしてくれます。私たちが笑うと、とても満足そうに息子もにこにこ。こうしているなんでもない時間、これはもしかしたら私が生きてきた道のりで、何か一つでも違う選択をしていたらありえなかった日常だと思うと、本当に大切で何にも代えられない幸せな毎日だと思えます。絵本を閉じた後、あらためてそんなことを思いました。
涙した日を思い出させてくれたページ
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産休・育休の期間を経て、職場復帰するため息子を保育園に預けた1日目。息子は泣くことなく元気よくお友だちの輪に入っていきました。息子の世界の広がりを嬉しく思う反面、とてつもない寂しさを感じ、職場へ向かう車内で涙したことを、このシーンを見て強烈に思い出しました。子どもの進みたい道を全力で応援する、子どものステキなところをしっかり見て、何かあったときにはふっと背中を押してあげる、そんなふうに育児をしていきたいと強く思いました。
すべての絵にきゅんとするのですが、私のお気に入りはいちばん最後! とてもかわいい笑顔で、子どもの手のぷっくり感もたまりません。私の息子はイヤイヤ期の真っ最中で、毎日ギャーギャー大騒ぎ。朝は着替えを嫌がり、保育園にお迎えに行けば帰るのを嫌がり、家に帰ればお風呂に入るのを嫌がり、1日の最後には寝るのを嫌がり……。私もついつい大きな声が出てしまうことがありますが、そんなときこそこのあたたかい絵本の出番です。子どもの「かわいい!」がたくさんつまった絵と、一文読むごとに深くうなずいてしまう文章。すぐ開けるよう、おうちの本棚に置いておきたいです。
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祝!卒業・入園・入学「あなたの すてきな ところはね」
私が勤めている釧路市中央図書館(北海道)で、『あなたの すてきな ところはね』に関するイベントを開催しました。お子さん、お孫さんの「ステキなところ」を用紙に書いてもらい、壁面を飾るもので、とても温かい気持ちになるコーナーとなりました。
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今回、お子さんからもパパ・ママ・おじいちゃん・おばあちゃんへ「ステキなところ」を書いてもらえるようにしました。似顔絵が描いてあったり、ママのステキなところが書いてあったり、一所懸命にかいてくれたことが伝わってきて、なんだかジーン。「ママだいすき」って、それだけで明日からも頑張れちゃいますね!
4月から小学生になる男の子のお母さんからは、こんなコメントが。
「子どもが卒園するにあたり、普段は照れくさくて伝えられない言葉を、このイベントを通して伝えられてよかったです。展示されているパネルを見ながら、自分の子を重ねて思い返していました。毎日慌ただしく過ぎていく日々に、ふと立ち止まらせてくれたイベントでした」
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ほかにも、「とてもいい記念になりました」「あらためてこういうのを書くってとてもいいね」「たくさん書きたい! ひとり1枚ですか?!」など、楽しんで参加していただけたようです。
あるときは、お母さんの横にぴったりとくっついて、何を書いているのかとじっと見ているお子さんが。母と娘の後ろ姿がとても温かく微笑ましいものだったので、写真を撮らせてもらいました。
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「自分の子どものステキなところ……あらためて問われるとすぐには言葉にならない自分に反省」と友人の一人が言っていましたが、その気持ち、とてもわかります。私も息子のいろんな仕草や表情、そして生まれてから現在までのことがぶわーっと頭に浮かんで、それをどう文章にするか、どれを「ステキなところ」として書くか、とっても迷いました。書いてみたらありきたりな感じになりましたが、それでも息子のことを考える時間はとても楽しいものでした。息子は、「どこに貼ろうかな~♪」と、貼る作業が楽しかったようです。
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ちなみにこの絵本の最後には、お子さんのステキなところを書き込むところがありますよ。
ぜひ、みなさんも楽しい時間を過ごしてください。