
小説『方舟を燃やす』で今年、吉川英治文学賞を受賞した角田光代さん。2004年に刊行された直木賞受賞作『対岸の彼女』も現在、再び大きな注目を集めています。
その角田さんが、初めて猫のお話を書き下ろした絵本を2025年10月8日に出版します。
タイトルは『ねこが しんぱい』。
愛猫家として知られる角田さんが、愛ゆえに心配しすぎてしまう家族の様子をユーモラスに描きました。
絵を担当したのは、あたたかみのある画風に定評のある洋画家・小池壮太さん。
読んだあと、猫と過ごす一日がたまらなく愛おしくなる一冊です。

大好きだから心配。ところが……!?
愛おしくなる猫の絵本。
●【内容紹介】
わたしのおうちは、お父さん、お母さん、わたしとねこの家族です。
わたしが学校へ行き、お父さんとお母さんが仕事に行っているあいだ、
ねこのたまこは、おうちでおるすばんをしています。
そんなたまこのことが、家族のみんなはとっても心配でたまりません。
「たまこがティッシュをだして、ぐるぐるまきになっていないかな」
「ひとりで遠くにいってしまって、おうちがどこかわからなくなって、帰りたいのに帰れなくて、えーんえーんと、ないていたら、どうしよう」
……だれも知らないのです。家族が心配しているとき、たまこがどんなふうに過ごしているのかを。
たまこはティッシュにのってふわふわ舞いあがり、雲より遠くに飛んで過ごしています。
コンピューターをちょいちょいと操作して、遠い国のお友達と、オンラインで遊ぶ約束だってしています。
ちょっぴりシュールでユーモラス! 猫を愛する人たちにオススメ。平和な日常が愛おしくなる絵本。

写真・垂見健吾
●【作者紹介】
角田光代(かくた みつよ)
1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、『ぼくはきみのおにいさん』で坪田譲治文学賞、『キッドナップ・ツアー』で産経児童出版文化賞フジテレビ賞、路傍の石文学賞、『空中庭園』で婦人公論文芸賞、『対岸の彼女』で直木賞、「ロック母」で川端康成文学賞、『八日目の蟬』で中央公論文芸賞、『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞、『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞、『源氏物語』訳で読売文学賞(研究・翻訳賞)、『方舟を燃やす』で吉川英治文学賞を受賞。他に飼い猫との暮らしを描いたエッセイ『今日も一日きみを見てた』『明日も一日きみを見てる』など著書多数。
●【画家紹介】
小池壮太(こいけ そうた)
1977年、東京都生まれ。京都市在住。静謐かつあたたかみのある画風で、静物画や風景画を中心に、全国の百貨店等で絵画作品を発表。洋画家として画壇で活躍するかたわら、近年は絵本作家としても活躍の場を広げている。主な絵本の作品に、『やすみのひ』(ブロンズ新社)、『おやつトランポリン』『おだんごダイブ』(文・大塚健太、ともに白泉社)『文房具のやすみじかん』(文・土橋正)、こどものとも『トマトとなすときゅうりのなつ』(文・木村晃彦、ともに福音館書店)、『しんぶんのタバー』(文・萩原弓佳 PHP研究所)などがある。

『ねこが しんぱい』
作・角田光代 絵・小池壮太
【発行所】KADOKAWA
【発売日】10月8日発売予定
【価格】1600円(税別)
【体裁】上製、オールカラー38ページ
【サイズ】天地258mm×左右210mm
【対象年齢】4歳くらいから
【ISBN】978-4-04-115845-6