
「子どもは勝手に大きくなる」は大間違い! 身長は食事と生活習慣を変えればなりたいスタイルを目指せるかもしれない! 身長を伸ばすまったく新しいメソッド21を掲載した『1万5000人のデータに基づいた すごい身長の伸ばし方』をためし読み! ”身長外来”のパイオニアが効率的に身長を伸ばすメソッドを伝授します。
連載第4回は、第4章「身長を伸ばす運動とは」の中から「身長を伸ばす方法でコスパ最強なのは運動」と「60分の運動がコスパよく成長ホルモンを促す」を紹介します!
※本連載は『1万5000人のデータに基づいた すごい身長の伸ばし方』から一部抜粋して構成された記事です。
◆これまでの回はこちらから
身長を伸ばす方法でコスパ最強なのは運動
身長を伸ばすために、なぜ、運動が必要なのでしょうか。
それを、3つの理由から説明しましょう。
〈身長を伸ばすため運動が必要な3つの理由〉
- 成長ホルモンの分泌が促される
- 栄養吸収がアップする
- 睡眠の質の向上
まず第一が、運動によって成長ホルモンの分泌が促されるためです。
次のメソッドで詳説しますが、ある一定時間の運動を行うと、急速、かつ、多量に成長ホルモンの分泌が促されることが研究によって判明しています。誰にも可能な運動によって成長ホルモンの分泌を大きく促せるわけで、身長を伸ばす方法としてコスパ最強のものが運動といってもいいでしょう。
みなさんも、しっかり運動して、成長ホルモンの分泌を促しましょう。
第二に、運動することで、栄養の吸収がよくなります。
タンパク質、及び、タンパク質の構成成分であるアミノ酸を摂取すると、身長を伸ばすうえで統計学的にプラスに働くというデータがあります。
このタンパク質の吸収率が、運動によって上がるといわれています。
つまり、運動すると、「身長にとって大事なタンパク質を効率よく吸収できる」ことになります。
第三が、睡眠の質の向上です。
すでに睡眠の章でも触れていますが、運動することによって、体が心地よく疲労すると、自然に眠くなります。寝つきがよくなって、睡眠の質もアップしますから、この点でも運動がすすめられることになります。
子どもたちの中には、なかなか夜に寝つけないというお子さんがいらっしゃるのも事実です。そういうお子さんには、ぜひ運動をすすめたいです。
60分の運動がコスパよく成長ホルモンを促す
運動すると、成長ホルモンの分泌が促されます。では、成長ホルモンの分泌を促すために、どれくらい運動すればいいのでしょうか。
それを考える参考になる論文を取り上げてみましょう。
アメリカのノースカロライナ大学のローリー・ワイドマン先生らによる研究です。
研究に参加したのは、健康な15人の男女(男性8名、女性7名)。
3つの運動セッション(30分、60分、120分)を行い、運動開始10分前から、10分ごとに血液サンプルを採り、成長ホルモンの分泌の度合いを調べました。
次ページのグラフを見てみましょう。縦軸が成長ホルモンの分泌量、横軸が運動した時間になります。
まず、女性のグラフを見てみましょう。
◆が30分運動した人
■が60分運動した人
〇が120分運動した人
どの運動が分泌量の大きな山を築いているかを見てみると、120分の人がいちばん大きな山を作っています。
この点からいくと、30分より60分、60分より120分運動したほうが成長ホルモンの分泌量は多くなるということがグラフからわかります。
まとめると、運動時間による成長ホルモン分泌は以下のように表すことができます。
30分<60分<120分
ただし女性の場合、60分と120分を比べてみると、運動量の差に比べて、分泌量に大きな差はありません。
また、成長ホルモンの分泌自体は、運動直後からではなく、運動開始後に少したってから分泌量が急増していく傾向があることがわかります。
そこで、ポイントとしては、
● 分泌を促すなら、ある程度まとまったボリュームの運動をする必要がある
● 運動量と分泌量のコストパフォーマンスから考えると、60分の運動時間が適正と考えられる
続いて、男性も見てみましょう。下のグラフになります。
◆が30分運動した人
■が60分運動した人
〇が120分運動した人
男性の場合、60分と120分とを比べると、成長ホルモンの分泌量の差が大きいことがわかります。
これは、被検者が大人の男女になりますから、身長を伸ばしたいお子さんにどこまであてはまるかはわかりません。
とはいえ、運動時間が長いほうが、やはり成長ホルモンの分泌がより多く促されることははっきりしています。
男女で分泌の仕方に違いがあるにせよ、120分運動するというのは、やはり、そんなに簡単ではありません。
また、運動のし過ぎも成長によくない影響を与える(このあとの項で触れます)可能性があります。
こうした点を考え合わせると、60分あたりを目安に運動することが適正であり、どなたにとっても行いやすく、目指しやすい目標となるでしょう。
【書籍情報】