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絵本の文章作家って?
こんにちは。《聞かせ屋。けいたろう》です。
前回に続き12月7日発売の絵本『あいたい あいたい あいうえお』(文/聞かせ屋。けいたろう 絵/おくはらゆめ)ができるまでのお話しをしたいと思います。
絵本を作る時に僕はダミー本を作ることが多いのですが、この時は100円ショップで大量に買った白い本があったので、とりあえず思いつくままに何度も何度も書いていました。
ある程度内容が変わったら編集者さんに提出、意見をもらって練り直すという繰り返しです。
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見返すと、一冊目のダミー本に記された日付は2020年8月8日。この時すでに、絵:おくはらゆめ(仮)と書いてあります。
絵本作りというと、多くの人は絵本作家が文章と絵の両方を作るとイメージするかと思います。でもぼくは絵本の文章作家。まずストーリーを考え、文章にする役割です。文章が出来たら、絵を描いてくださる方にオファーをします。
この、ダミー本を作っている時点ではまだ絵を誰に描いてもらうかは決まっていません。オファーもしていません。でもすでに、一冊目のダミー本に絵:おくはらゆめと書いてあるのです。自分の中だけで勝手に決めていたのですね(笑)
5冊目までは文章のみですが、イメージしている登場キャラクターは、二匹のキツネ。おくはらさんが過去の作品で描いていたキツネを見て、イメージを膨らませていました。
絵本の文章はとても短いものなので、登場キャラクターの生い立ちや生活環境までは描けない事がほとんどです。
絵本にはなりませんが、二匹のキツネの関係性を知るために二匹がキツネの学校に行った日の話を考えたりもしました。
二匹とも女の子で名前は「はな」と「みずき」。一方がいつも寝坊をするけれども、一緒に学校へ行って、先生に獲物の捕り方を教わる。帰りには原っぱを走り回って、遊ぶ。
そんな日常があった上で今回の絵本で描かれるのは、会えない日々が続いた上で会えた日。こんな風に視点を変えて考えてみたりもしました。
この当時の内容を見てみましょう。
会いたい思いを募らせた二匹が、ものすごく長い糸電話で「会おうよ」と伝え合って、家のドアを開けると……。
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糸電話がつながっている事から察しはつくのですが、実はすぐ会える距離に住んでいたという話です。中盤でその二匹が会うのですが、そこから一緒に散歩をします。
あるこう あるこう あいうえお
あいあい アイアイ あいうえお(木に登るアイアイを発見する)
あめあめ うえうえ あいうえお
あおあお あかあか あいうえお(開いた傘の色が青と赤)
当時の僕は、あいうえおを必死に詰め込んでいました。
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僕は文章作家なので、絵を描く必要は無いのですが、描いてみるとイメージが深まったり、絵では描けない部分に気が付いたりもします。
僕は想像だけで絵を描くことは出来ないので、おくはらさんの描いた以前の作品を見て、模写をしました(笑)。時間はかかりますが、ただ机に向かって考えるよりずっと有意義です。
2020年10月と書かれたダミー本に「迷走中」と書いてありました(笑)。
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確かに、この場面を見る限り、何を書きたいのだかよく分かりませんね(笑)
こんな風に迷走と閃きを繰り返して、編集者さんと作り上げて行きました。
(次回へ続く)