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子育て・教育

楽しみ方がわかる! はじめての、親子えほん 第12回<お正月におすすめの絵本>


こんにちは!聞かせ屋。けいたろうです。
突然ですが……あなたは「お餅の気持ち」を考えたことはありますか? 僕は、ありません(笑)
「あの子の気持ち」は気になるけれど、お餅と真摯に向き合ったことは無いからなぁ。考えるのは「お雑煮に切り餅を何個入れるか」くらいなものです。
では、もしも自分がお餅になったら、どのようにして食べられたいものでしょう?焼き餅?お雑煮?それとも、あんこたっぷりのおしるこでしょうか?


『おもちのきもち』(講談社刊)


この絵本は、自分の行く末を考え始めた鏡餅のお話です。床の間に飾られながらはせる、将来への思い、想像すれば想像するほど……それは彼にとって残酷なものでした。あんこをつけられたりきな粉をつけられたり、納豆まみれの未来はいやだ。それは誰だってそうでしょう。
そこでお餅は一念発起、ある行動に出るのです。自分の気持ちに向き合った、鏡餅の行く末はいかに!
保育園や幼稚園で毎年恒例、年明けに読まれることの多い、季節絵本です。衝撃の展開に「えー!」等と声を上げながら、笑って楽しむ子ども達。新年、絵本で初笑い。

季節絵本って良いですね。子どもと一緒に、楽しく季節を感じることができます。
もう一冊、年明けにぴったりの絵本を紹介しましょう。


『じゅうにしの はなし』(ひかりのくに刊)


十二支がなぜ「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)……」の順番なのか?その理由が明らかに!
それはむかしむかし、ある新年の朝、神様の所に挨拶に来た順番なのですって。生き物たちはそれぞれ、神様の所へ急ぎます。知恵や脚力を使ったり、喧嘩をしたりなだめたり、通り過ぎてしまったり。生き物の特徴や性格が見事にお話に落とし込まれていて、思わず「なるほど!」と納得してしまいます。僕が一番好きなのは、「申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)」の部分。サルとイヌが喧嘩にならないように、間にニワトリが入ったのですって。仲が良くない二人のことを、犬猿の仲と言いますものね! こんな風に大人がお話を楽しむのにあたっては、「なるほど!」という感覚も大切だと思います。子どもの本だから……とあなどることなかれ、大人も頷く名作です。子どもももちろん十二支を知り、興味を持ちますから、親子で季節を味わうことができるでしょう。
では、最後に一つ質問です。十二支にイヌがいるのにネコがいない理由を、知っていますか? 今もなお続く、ある生き物との因縁が、そこにあるのだそうですよ。あぁ、このままじゃ気になって年を越せない!ですね(笑)。
絵本と一緒に、良いお年をお迎えください。


文・絵:加岳井 広

定価
1,650円(本体1,500円+税)
発売日
サイズ
AB版
ISBN
9784061323230

作・絵:スギヤマカナヨ

定価
1,430円(本体1,300円+税)
発売日
サイズ
27×22cm
ISBN
9784564019111

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