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本嫌いな子が夢中に!? 東京都が仕掛ける「読まない読書会」の驚きのアプローチ

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不登校児の学びや体験をどう守る?東京都『未来きらめきプロジェクト』の新しい試み

8月のある晴れた午後。西荻窪駅から歩いて5分ほどにある会場に、数組の親子が集まりました。

今回開催された『くうそう読書会』は、東京都教育委員会が進める「未来きらめきプロジェクト」のひとつ。学校に行きづらさを感じていると、どうしても家で過ごす時間が増え、「いろんな体験や社会とつながる機会が減ってしまう……」と悩む保護者の方は少なくありません。主にそんなご家庭に向けたアプローチとして企画された体験型ワークショップです。

会場に到着した子どもたちと保護者の方々。アットホームで穏やかな雰囲気の中、イベントがスタートしました。



「宇宙のホテルへチェックイン!?」自由すぎる発想があふれる絵画鑑賞風ワークショップ

「今日の読書会では、保護者の方も一人の参加者です。お子さんの手助けをするのではなく、いっしょに参加してくださいね」



そんなスタッフの言葉からスタートしたワークショップ。今回は保護者も「指導する側」ではなく、子どもと同じ参加者としてワークに挑戦します。会場の前に並べられているのは、参加者の誰もがまだ読んだことのない本です。

「『くうそう』ってどういう意味か分かる人?」
会が始まり、スライドに本の挿絵が次々と投影されます。「この挿絵を見て、どんな場面なのか『くうそう』してみてください」との問いかけに、はじめはおそるおそる上がっていた手が、だんだんと勢いよく上がるようになり、場が一気に活気づいていきました。



小学生の男女が、宇宙空間で正体不明の生物と対峙するシーンの挿絵。「後ろに背負っているのはジェットエンジンだよ」「何か紙を差し出している。宇宙のホテルにチェックインしている場面なんじゃないか」など、思い思いの「くうそう」を発表します。

ウォーミングアップが済んだところで、いよいよ制作に取りかかります。
会場の前には、切り抜かれた本の挿絵がずらりと並べられました。
「この中から気に入った挿絵を4枚選んで、自分なりのお話をつくってください」
書籍本文から引用された20のフレーズと、ハサミ、のり、テープ、カラーペンが配られます。切り貼りしたり書き込んだりしながら、1枚の用紙の上に起承転結を表現していきます。




集中して取り組むうちに、時間はあっという間に過ぎていきます。作業が完了した後は発表タイム。大人も子どもも関係なく、順番に自分が考えた物語を発表し合いました。四コマ漫画のようにクスッと笑えるオチをつける子、詩的な表現に挑戦する方、挿絵を8枚も使った大作に挑む子など、一人ひとりの個性が光ります。



最後には、今回のワークを通して感じたことや疑問に思ったことをカードにまとめる作業を行います。「本当に、宇宙で車は走るの?」「月面にも、重力があるから走るんじゃない?」「絵に描かれた笛は、マンモスの角? それともキバ?」など、本文をよまずに観察したからこそ出てくる意見で盛り上がりました。

現実世界へ戻ってくる読書体験。なぜ『マジック・ツリーハウス』が選ばれたのか?

ワークショップの後半には、今回のテーマ本である『[ カラー新装版 ] マジック・ツリーハウス マンモスとなぞの原始人』(KADOKAWA)の担当編集者・豊田さんが特別ゲストとして登場!子どもたちが作った「自分の物語」を受け止めながら、本づくりの裏話を届けてくれました。



 

 

世界中で大人気の『マジック・ツリーハウス』。主催者側がこの本を題材に選んだ最大の理由は、ファンタジーの冒険「だけ」で終わらないところにあるといいます。

アトリエ・ビヨンドの高秀さんは「ファンタジー世界と現実世界を自由に行き来するストーリー展開が、この作品の大きな魅力です」「毎巻さまざまな国や地域に行き、物語を通して世界とつながれるところが良いと思っています」と話します。



実は、この『くうそう読書会』は今回で2回目。第1回のテーマ本『マジック・ツリーハウス 54巻 ラッコの海を守れ!』を読んだ後、高秀さん自身も作中に登場するモントレーの水族館へ実際にラッコを観に行ったといいます。その体験談も、撮影したラッコの映像とともに話してくれました。

「本を読むこと」はもちろん、「じゃあ、今度は博物館へ行って本物のマンモスの骨を見てみよう!」というように、本をきっかけに現実世界での「次のアクション」へ繋がっていくと素敵ですね、とお話をまとめます。

わいてきた問いの続きが知りたくて本を開く――「読む前に『くうそう』する」という逆転の発想

質疑応答のシーンでは「挿絵に出てきたロボットの中身の正体は、一体何者なの?」といった、本の内容が気になって仕方がない質問も飛び出します。イベントの最後「それはぜひ、物語を実際に読んでみてくださいね」と締めくくられます。参加した子どもたちには、実際に一人一冊、新刊がプレゼントされました。



よほど内容が気になったのか、解散の案内があった後も、半数の子どもたちはそのまま席に残り、貰ったばかりの本をめくり始めました。「自分がイメージしたあの場面は、実際にはどんな場面なんだろう?」「『なぞの原始人』ってこの人だったんだ」と、没頭してページをめくる姿が印象的でした。

先に自分の「くうそう」を広げてから実際の作品を開くことで、子どもたちは「自分はどんな展開を面白がる人間なんだろう?」という自分自身の「好き(感性)」に気づくことができる、と高秀さんは語ります。
文字を無理に読ませたりするのではなく、絵や問いかけからワクワクを引き出すアプローチ。「早く続きが知りたい!」と夢中になる姿は、読書会を通じてお子さんの好奇心が広がっていく様子を表しているようでした。


  • 「マジック・ツリーハウス」シリーズとは?

世界累計1億9400万部の大ベストセラーよみもの。35年前にアメリカで発売されて以来、世界中の子どもたちに読まれてきた名作児童書。日本では24年前に発売されて以来、広い世代に親しまれている。

すべての漢字にふりがなが振られ、平易な日本語で、小学校全学年がよみやすい作りとなっていることが特徴。特に新刊『[カラー新装版]マジック・ツリーハウス』シリーズは、フルカラー描き下ろしの挿絵が、本がに馴染みがなくても興味を持たせやすいと好評。


▼今回の課題図書▼

『[カラー新装版]マジック・ツリーハウス マンモスとなぞの原始人』

本をひらいて「ここへ行きたい!」って言うだけで、いろんな世界へひとっとび!
こんどの冒険は、なんとマンモスがくらす原始の時代へ。そして……未来の月面探険も!
氷河時代から宇宙まで、わくわくドキドキの大冒険!!



書籍情報を見る▶


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