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【運動会直前】かけっこ塾 塾長が教える! 子どもの足が速くなる方法

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まもなく秋の運動会シーズンがやってきます。「うちの子、走るのがちょっと苦手かも…」「もっと速く走れたら自信が持てそうなのに」と悩んでいませんか? 受講者数延べ1万人の「ダントツかけっこ塾」で塾長を務める鈴木隆介さんに、子どもが速く走るコツや家庭でできる練習法、そして親が知っておくべき心構えについて詳しくお話をうかがいます。


写真:PIXTA


「ももを高く上げれば速く走れる」はよくある誤解

「速く走る」とイメージしたとき、多くの人は陸上選手が走る姿を思い浮かべるのではないでしょうか。トップスプリンターは、ももを高く上げて走っているように見えます。ですから、“ももを高く上げれば速く走れそう”と思うかもしれませんが、それは大きな誤解です。

 トップ選手のももが高く上がっているのは、事実ですが、脚を高く上げようと意識しているわけではなく、結果としての動きです。速く走るためには、地面を蹴って得た力を、ロスすることなく前への推進力に変換する必要があります。脚を高く上げることだけ意識すると、余計な力を使ってしまい、肝心の「前に進む力」が損なわれてしまいます。

 そもそも、陸上競技と「かけっこ」は異なります。陸上競技が特定の動きに特化したスポーツ競技であるのに対し、かけっこはボール投げやジャンプのような基礎的な運動です。運動能力の発達過程にある小学生に、大人の陸上競技のフォームを押しつけても、かえって走りづらくなったり、走ること自体を嫌いになったりしてしまいます。かけっこの練習は、子どもの発育・発達段階を踏まえ、要所を抑えてシンプルに伝えるのがポイントです。

意識するだけで速くなる「かけっこ」4つの心構え

 はじめに子どもたちに伝えるのは、かけっこのルール説明です。「速く走る」ためにどうしたらいいのか、大人と子どもでは認識に大きなずれがあります。たとえば、「ゴールで止まるのと、ゴールを駆け抜けるのとでは、どちらが速い?」と尋ねると、小学1年生までの子どもの約半数は「止まるほうが速い」と答えます。でも実際は、スピードに乗ってゴールを駆け抜けた方が速いですよね。ほかにも、友達が走り始めてからスタートすると思っている子どももいますし、かけっことは友達が走っている姿を見ながら走るものだと思っている子どももいます。速く走る技術を身につける前に、まず認識をすり合わせることが大切です。

《速く走るための4つの心構え》

①ヨーイドンの合図を聞いたらすぐ走る

②ゴールに向かってまっすぐ走る

③前を向いて走る

④ゴールで止まらず最後まで走り抜ける

 低学年では、この心構えを知っているだけで順位アップが期待できます。

【脚】「速く適切に動かす」×「大きく適切に動かす」

 次に意識したいのが「脚」の動かし方です。走る速さは、次の2つの要素によって決まります。

「脚を速く適切に動かす」 × 「脚を大きく適切に動かす」

 脚をいかに速く動かし、その速さを損なわずにいかに大きく動かせるか。3歳でも、100メートルの世界チャンピオンでもこの原理は同じです。

速く動かす


写真:ダントツかけっこ塾


 脚を速く動かすためには、足が地面に接地する時間を短くすることが重要です。「足の裏のどの部分で着地したらいいですか?」とよく尋ねられますが、そうしたディテールより、「足が地面についたらすぐ離す」を意識しましょう。

《おうちでできる秘密特訓》
 脚を速く動かすおすすめの練習法が「その場で地団駄」です。足の裏が床についたらすぐさま床から足を離す意識をもって地団駄をします。階段を素早く昇り降りする練習も効果的です。慣れてきたらメトロノームアプリを活用して、徐々にテンポを上げてみましょう。50メートル走を想定して「10秒がんばってみよう!」と声をかけてチャレンジしてみてください。

大きく動かす


写真:ダントツかけっこ塾


 走るという動作は、股関節・膝・足首という3つの関節を繰り返し「曲げて・伸ばす」運動です。足の関節を大きく曲げ伸ばしすれば、脚を大きく前に動かせます。大きく曲げ伸ばしするために、子どもたちには「かかとがおしりに着くくらい脚を曲げよう」と伝え、次の練習を行います。

《おうちでできる秘密特訓》
 かかとでおしりを叩くようにして脚を動かしましょう。その場でやっても、前に走りながらやってもOKです。脚の動きをよくする感覚が身につきます。

【腕】鼻先から腰の横に向かって大きく振る

 次に意識したいのが「腕」の動きです。腕と脚は連動しているため、腕を速く動かせば、脚も速く動きます。大切なのは腕を「どのように」大きく速く振るかです。横に振るなど、適切ではない動かし方は、スピードが落ちる原因になります。前方は指先が鼻の前、後方は指先が腰の横を目安に振りましょう。

《おうちでできる秘密特訓》
「腕ってどう振るんだっけ?」と確認したあと、鏡の前で腕を振ってみましょう。正面、右、左と、さまざまな角度から確認するのがおすすめです。

【姿勢】からだをまっすぐ保ちながら前に傾ける

 速く走るためには、地面から受け取った力を前に進む推進力にして、できるだけ重心を平行移動することが大切です。ここでポイントになるのが走るときの「姿勢」です。次の練習で、からだをまっすぐ保ちながら前に傾けるように意識します。

《おうちでできる秘密特訓》
「前ならえダッシュ」をしてみましょう。両手を前方にまっすぐ伸ばしたまま、手の位置が変わらないように走ることで、前に向かって重心移動するコツがつかみやすくなります。

これも知りたい!かけっこの素朴な疑問Q&A

 ここからは、走ることに関する素朴な疑問や具体的な運動会対策について鈴木さんに引き続きうかがいます。

Q. 親が走るのが苦手だと、子どもも走るのが苦手になる?

A. 遺伝的要素より、運動習慣の有無のほうが運動能力に影響します
 筋肉のつきやすさや骨格など、遺伝による影響がまったくないわけではありませんが、運動能力は、運動習慣の有無など後天的要素の影響をより大きく受けます。小学生であれば、クラスで一番足が遅かった親の子どもが、クラスでいちばん速く走れるようになる可能性は十分あります。まずは子どもが日常的にからだを動かす環境があるかどうかを確認してみましょう。


Q. かけっこが速くなるおすすめの靴は?

A. 「サイズがぴったり」「靴底がしなやかに曲がる」靴がおすすめです
 コーナリングや前に向かう推進力をサポートする靴もありますが、最も大切なのは、足の成長に合わせて適切にサイズアップしていくことです。走る速さは一朝一夕で変わるものではないので、日ごろからサイズの合った靴で走っているほうが速くなりやすいです。かかとが脱げず、きつすぎないジャストサイズを選びましょう。また、ソールがかたいシューズより、靴底がしなやかに曲がる靴のほうが、地面からの力を損なわず速く脚を動かせます。この2つのポイントを目安に、子ども自身のテンションが上がるデザインを選んでみてください。


Q. コーナーを上手にまわるコツが知りたい!

A. 「ゴールの先」や「次の直線」を見ながら走りましょう
 コーナーで外側にふくらむ原因のひとつが、自分がどこに向かって走ればいいか、あまり意識せずに走っていることです。自分がこのあと走る場所(カーブの少し先や次の直線)など、進行方向を見ながら走ると、重心がブレずに曲がりやすくなります。ただ、きれいにコーナーをまわろうと意識しすぎるよりも、ふくらむことはあまり気にせず、スピードを落とさないことを優先して走るほうが速くゴールできることが多いです。コーナーをスピーディーに走る姿は、周囲から「しっかり走っている」と見えるため、子どもの自信にもつながります。ぜひ試してみてください。


写真:PIXTA


Q. 運動会の前日から当日朝まで、おうちでできる最終チェックは?

A. 「しっかり寝る」「朝食を食べる」「靴の事前準備」の3つです
 靴は、下ろし立ての新品ではなく、2〜3週間前から試し履きしておきましょう。当日朝に子どもが別の靴を履きたがらないように、「運動会ではこの靴を履こうね」とあらかじめ話しておき、前日夜に子ども自身が玄関に靴を準備するよううながすといいでしょう。


Q. 足が速くなる食べ物はある?

A. バランスの良い食事がいちばん。即効性があるのは「アミノ酸」です
 からだを動かすエネルギー源である白米などの「糖質」と、筋肉や骨をつくる「タンパク質」を日ごろからバランスよく摂りましょう。即効性を求めるなら、筋肉の疲労軽減などが期待できるアミノ酸・BCAAを取り入れるのもひとつの方法です。BCAAは、サプリメントやゼリー飲料などに含まれています。ただし、体質によってはおなかが緩くなることもあるため、運動会当日に初めて摂取するのは避け、事前に試して相性を確認しておきましょう。

親の見守りが「走るのが楽しい」という気持ちを育む


写真:PIXTA


 走り方のコツや家庭での練習方法を紹介してきましたが、保護者のみなさんにはぜひ、お子さんを励まし、応援することにも力を注いでほしいと思います。

 かけっこ塾にやってくる子どもたちのなかには、それまでに受けたアドバイスや指摘によって、走ること自体が嫌いになってしまった子どももいます。小学生は、運動能力の発育の個人差が大きく、同年齢でもできることとできにくいことにばらつきがあります。運動能力の向上には、かけっこやボール投げ、ジャンプなど、多種多様な運動を頻繁に行うことが非常に重要です。走るのが好きであれば、鬼ごっこや追いかけっこが楽しくなって運動の頻度や運動量が増え、結果として運動能力の向上が期待できます。

 走る子どもの姿を見て、フォームの乱れなど気になることがあるかもしれませんが、最も大切なのは、子どもが楽しそうに走っていることです。楽しそうだから大丈夫という気持ちで見守り、からだを動かす機会をできるだけ提供し、できるようになったことがあれば一緒に喜ぶ。そうして子どもの「走るのが楽しい」という気持ちを育むことが、家庭でできる何よりの後押しになります。

【プロフィール】

ダントツかけっこ塾

速く走るための基本を1回の講義でレクチャーする1回完結型の走り方教室。受講者の年代によって伝え方や練習内容を変え、短時間で正しいフォームの習得を実現している。年長児から小学生を対象に東京23区を中心に各地で教室を開催中。
https://dantotsu-kids.com/



取材・文:三東社


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