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子どものクッキングデビューに!【学習塾代表が教える】料理で身につけられる生きる力

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子どもが家で過ごす時間が増える夏休み。 「今日は子どもと何をしよう…?」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。時間がある長期休みにおすすめなのが「料理」です。「手伝ってもらうとかえって手間がかかる」「ケガが心配」と、つい後回しにしがちですが、中学受験専門塾「伸学会」代表の菊池洋匡先生は「料理にはたくさんの学びがあります!」と話します。今回は、『角川まんが学習シリーズ+ ねこシェフが教える はじめての料理 みんな大好き! かんたんレシピ』の発売を記念して、料理を通じて子どもが身につけられる力と保護者の関わり方について、日々小学生と接している菊池先生にお話をうかがいます。

菊池先生に聞く! 子どもの力をのばす料理のポイント


写真撮影・鈴木 正美


料理をやりたがるのは親のまねがしたいから

「料理をやってみたい!」「お手伝いしたい!」と話す子どもたちのなかには、「親がやっていることをまねしたい」という思いがあります。「おままごとセット」が定番のおもちゃとして長く親しまれていることからも、料理をする大人の姿をまねしたいと思う子どもが多いことがうかがえます。

 そうした子どもの気持ちを尊重したいと思っていても、サポートには手間がかかります。大人がやったほうが早く完成しますから、「いま急いでいるから」「今日はごめん」という対応になるときもあるでしょう。しかし、手伝いたい気持ちが歓迎されない経験が続くと、中高生になってから「お風呂掃除して」と持ちかけても、高確率で「やだ」と返答されてしまいます。「やってみたい!」と子どもが口にしたときが、絶好のチャンスです。

料理で身につけられる4つの力

 料理は、さまざまな面で子どもの成長にいい影響を与えます。料理を通じて身につけられる力は大きく4つあります。

  • ①手指を使うトレーニングになる

写真撮影・鈴木 正美


 指先を使う活動は、子どもの発達にいい刺激を与えます。材料を洗う、切る、盛り付けるなど、料理は指先を動かすとてもいい訓練です。クレープ生地にクリームやフルーツをトッピングしたり、パンに具材をはさんでサンドイッチをつくったり、アイデア次第で幼児からできることは意外とあります。盛り付けやデコレーションなどから始めてみましょう。

  • ②人に貢献する喜びを得られる

写真撮影・鈴木 正美


 自分がしたことを誰かに感謝される経験は、心の成長につながります。「手伝いたい」という意欲が歓迎され、やったことが感謝される体験を積み重ねて、子どもは人に貢献する喜びを知ります。料理は「家族においしく食べてもらう」というゴールが明確で、子どもが興味を持ちやすいのが特徴です。「お手伝いって楽しい!」と感じてもらえます。

  • ③試行錯誤する経験を積める

写真撮影・鈴木 正美


「塩を適量加える」など、子どもにとって判断が難しい工程もなかにはあります。塩を入れすぎて塩辛い仕上がりになるときもあるかもしれませんが、失敗はとても大切な経験です。試行錯誤を繰り返してベストを見つけるというプロセスは、じつは勉強にも活かせます。勉強が苦手な子どもは、思うように正解にたどり着けないと、失敗するのが怖くなり、手が止まってしまいます。一方、成績が伸びる子どもは、図解したり書き出したりして、たとえうまくいかなくてもさまざまな方法を試して、正解につながる道を探ります。料理を通じて試行錯誤する経験を積み重ねることで、失敗を恐れず挑戦する心が育ちます。

  • ④段取り力アップにもつながる

写真撮影・鈴木 正美


 準備から完成まで全体の流れを考えながら進める料理は、ものごとの見通しを立てる練習になります。はじめは時間がかかっていても、経験を重ねるうちに「お米が炊き上がるまで別の作業をしよう」など、効率よく進める工夫ができるようになります。親が同時進行で作業する姿を見せることも大切です。

 子どもは、最初から一人で段取りを考えて行動できるわけではありません。学習計画も、一人で計画を立てて実行できるのは1割程度で、ほとんどの子どもは手本を見て、やり方を教えてもらい、失敗したりうまくいったりしながら少しずつ自分でできるようになります。料理も同じように、「説明する」「手本を示す」から始め、慣れてきたら「どの順番でやったら早く完成するかな?」と問いかけて、子ども自身が考えて工夫するようにうながしましょう。

少しずつまかせる「スモールステップ」が大事

 親子で一緒に料理をするところからスタートしましょう。読書も、まずは読み聞かせから始めますよね。一緒に本を読むという体験を積み重ねながら少しずつ本の世界に惹かれ、自分で本を読むようになっていきます。料理も同じように、はじめは大人主体で子どもが手伝い、本人がやりたがるようになったら少しずつステップアップするのがおすすめです。火と包丁を使わない盛り付けなどから始めると、見守る大人も安心ですね。慣れてきたら、ハンバーグの肉だねを丸める、餃子の皮を包む、材料を切るなど、少しずつまかせていきましょう。


写真撮影・鈴木 正美


 私は小学校高学年のころ、おなかがすいたらチャーハンをつくって食べていました。子どもが「やってみたい!」と口にしたときにトライさせていると、いつの間にか小腹がすいたとき自分でちょっとしたものを調理できるようになるかもしれませんよ!

料理が完成! 親はどうリアクションする?

 まずはつくってくれたことを喜ぶ。この心構えを大切にしましょう。味つけや段取りの振り返りは大切ですが、「これは味が薄いね」「もっと塩を足したほうがいいんじゃない」などダメ出しに聞こえるようなリアクションをすると、料理が嫌な思い出になってしまいます。料理が家族に喜ばれ、「おいしい」と食べてもらえた。そう感じてもらうことが肝心です。

 私は小学校高学年のころ、カレーの隠し味にヨーグルトを入れすぎて酸っぱくしてしまったことがあります。弟は「まずい!」とひと言。でも母は気を遣ったのか「本格的でおいしい」と言ってくれました。おかげで、失敗した料理の記憶が、嫌な思い出ではなく笑い話として残っています。

教えて!菊池先生 子どもと料理Q&A

 中学受験専門塾「伸学会」代表として日々小学生とその保護者に寄り添っている菊池先生に、保護者が抱えがちな子どもと料理に関するお悩みについてお答えいただきました。

Q. 忙しくて子どもが「やりたい!」というタイミングに応じられません。

A. 子どもは意欲があるけれど、親に余裕がないときは、「また今度お願いね」と伝えて、次の機会を設定しましょう。「◯日に一緒にやろう」など、なるべく具体的な約束ができるといいですね。その約束を大人が守り、子どもの「やりたい!」という意欲の低下を防ぎましょう。

Q. 危なっかしくて、つい横から口を出してしまいます…。

A. 「口を出さないで見守る」。これは料理にも、勉強にも、遊びにも共通する大切な心構えです。つい口を出してしまうと自覚しているのはとても素晴らしいこと。口出しをストップできないなら、あえて見ないようにするのもひとつの方法です。ケガが心配なら、火傷は流水で冷やすなどの対処法を教えたり、ケガをしにくい子ども用包丁などを活用したりするのもいいですね。最近は、鍋底の温度を感知して火力を自動調整する機能を搭載したコンロもあります。道具を変えるなど、環境設定でケガや火事の心配を減らせるか考えてみましょう。

Q. そもそも料理に興味がなさそう…どうしたらいい?

A. 別方向からアプローチしてみてはいかがでしょうか? 私が結婚後に料理を始めたきっかけは、妻が購入した電気調理鍋でした。はじめは家電に興味があり、付録のレシピに掲載されていた料理をつくってみて、だんだん興味の対象が料理そのものへと移っていきました。子どもの場合は、まんがから入るのもひとつのアイデアです。料理に関するまんがをリビングに置いておくと、興味を持つきっかけになるかもしれませんよ。


クッキングデビューにおすすめ『ねこシェフが教える はじめての料理 みんな大好き! かんたんレシピ』



▶書誌情報を見る


人気メニューの材料と作り方をまんがで丁寧に解説。


まんがで紹介したメニューのアレンジレシピも満載。レシピの難易度つきで挑戦しやすい。


 まんがは、子どもが手にとりやすく、予備知識のインプットにぴったりの教材です。『ねこシェフが教える はじめての料理 みんな大好き! かんたんレシピ』は、はじめて料理に挑戦する主人公・くるみが試行錯誤する様子が描かれ、「失敗してもいいからやってみよう!」という前向きなメッセージが随所に込められています。ねこシェフ・クックの「失敗しないで特技ができると思ってんのか?」というセリフがいいですね。子どもの挑戦を後押ししてくれます。



料理の基本や生きる力を育む解説ページも充実。


 子どもが大好きなカレーや、初心者や幼児も挑戦しやすいサンドイッチなどの作り方が紹介されていて、料理を始めるきっかけを与えてくれる一冊だと思います。まんがを読んだ子どもに、「一緒にサンドイッチをつくってピクニックに行こう!」と誘ってみるのもおすすめですよ。

料理は“未来への投資”

 子どものころにピアノやバイオリンを習っていた人が、大人になって趣味として再び楽器を楽しむことはよくあります。一度身につけた経験は、時間が経っても自分の力として残るからです。私自身、それを料理で実感しています。小学生のころ、カレーの隠し味をあれこれ試すのが実験のようで楽しく、その感覚はずっと残りました。その後20年ほど料理から離れていましたが、いま自宅でスパイスからカレーをつくって楽しめているのは、あのころ試行錯誤した経験があるからだと思います。お子さんも同じです。いま料理をした経験があれば、社会人になって一人暮らしを始めたときにも、「自分でつくってみよう」と自然に思えるようになるはずです。忙しい毎日だとは思いますが、「10年後への投資」と考えて、野菜を洗う、盛り付けをするなど、小さなことからまかせてみましょう。その小さな経験が、10年後のお子さんの力になります。


取材・文:三東社



【プロフィール】

菊池洋匡
1981年、東京都生まれ。小学生時代に「算数オリンピック銀メダリスト」になる。開成中学・高校卒。慶應義塾大学法学部卒。東京都の自由が丘、目黒、中野、飯田橋、表参道で中学受験専門塾「伸学会」を運営する。心理学や脳科学の裏付けに基づく教育法は、多くの子どもに再現可能で注目が集まっており、YouTubeチャンネルの登録者は10万人を超えている。

・中学受験専門塾「伸学会」
https://www.singakukai.com/
・伸学会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCpmIx1eakUt4zHDLTzUF7eA


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