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子育て・教育

新生児~2歳・月齢別ネントレ方法を眠りの専門家が解説!

子どもがどうしても寝てくれない……そんな悩みを抱えている親御さんも多いのではないでしょうか?
子どものネントレについて、日本人初の乳幼児睡眠コンサルタントとして、講演や執筆など幅広く活動している愛波あや(あいば・あや)さんにわかりやすく教えていただきました。




 新生児~3ヶ月 

睡眠の特徴
1回に起きられる長さは0~1ヵ月では最長約40分、1~2ヵ月では約40分~1時間、2~3ヵ月では約1時間~1時間20分です。

お昼寝は明るい場所で
昼夜の区別がついていない赤ちゃんは、お昼寝の時は生活音がある明るい部屋で寝かせてあげましょう。6~8週目に夜の睡眠が少しずつ長くなっていきます。それが昼夜の区別がついてきたサイン。そこからはお昼寝も質の良い睡眠をとるために暗い部屋でさせるのがおすすめです。



夜の就寝時間は遅くて大丈夫
夜の就寝時間は、

・0-6週ごろ=21:00-23:00

・6週-3ヶ月ごろ=20:00-23:00 


まだまだ長く寝続けられないので、これぐらいの時間に寝ればOKです。寝る前にはぜひ「ねんねルーティン」を取り入れましょう。低月齢のうちからルーティンを習慣づけるとあとでとても楽になります。
 

セルフねんねのタネをまこう!
夜の睡眠から疲れすぎていない状態で安全な寝床に置き、見守り、泣いたら「シーシー」「ママパパはここにいるよ」と声かけ。落ち着かない場合はトントン。泣きが続くなら抱っこ→落ち着いたらまた置いてみましょう。この時期は、寝る力を引き出してくれる安心で安全な「愛波おくるみスリーパー」が効果バツグンです。



愛波おくるみスリーパー



 4ヶ月~5ヶ月 

睡眠の特徴
1回の活動時間は約1時間20分~1時間30分です。午前中はだいたい毎日同じ時間に寝るようになり、朝寝が確立します。

睡眠退行がある子も……
生後4ヶ月ごろ、赤ちゃんの五感が一気に敏感になり、この成長が「睡眠退行」を引き起こすことがあります。睡眠退行とは今までよく寝ていた子が、いきなり夜中に何度も起きたり昼寝が短くなったり、寝つきが悪くなったりすることです。

<解決策>

・睡眠環境を整える
この時期からしっかりと遮光をしておくことで早朝起きや昼寝がなかなかできないという悩みを回避できます。「愛波遮光シート」は99.99%遮光できますのでぜひ予防のためにしっかり遮光をしてみてください。


愛波遮光シート


・活動時間をより意識する
・寝入ったときと同じ環境を保ってあげる
・睡眠退行だ!と焦りすぎない


ねんねルーティンを毎日しよう!
毎日寝る前に同じことを繰り返しましょう。お風呂から上がって寝るまでの時間が45分間ぐらいで終わるのがおすすめ。ポイントは授乳をルーティンの最後にしないこと。

【ねんねルーティン】




寝かしつけのクセをつけない意識を
この時期から、抱っこや添い乳をしているとクセになりやすくなります。クセがつくと夜中何度も起きたりトラブルにつながることも。寝かしつけ時は完全に寝入る前の目が開いている状態で寝床に置くことを試してみましょう。その際、寝床に置いて泣いたらまずは声かけから始めます。

セルフねんねの種
・夕寝から就寝までの活動時間が長くなりすぎないようにする
・添い寝や添い乳をクセづけない
・子どもの寝床のかたわらで座って見守る。泣いたら「ここにいるよ」と声かけ。それでも泣き続けたらトントン→抱っこ「あーうー」だけでは泣きに入らない!
・まずは夜からスタート、その次は朝寝でチャレンジ




 6ヶ月~8ヶ月 

睡眠の特徴
1回の活動時間は約2時間~2時間30分。だんだんと起きていられる時間が長くなりますが、寝かしつけるタイミングが遅くなってしまうこともあります。元気に動き回っている子は10分ほど早く寝かせると良いでしょう。個人差はありますが、日中の睡眠が朝、昼、夕の3回になり、夜も8時間以上眠れるようになってくる子もいます。

睡眠環境を整えよう!
生後6ヶ月〜8ヶ月の赤ちゃんはずりばい、はいはい、つかまり立ちなど活動が活発になってくる子もいます。寝床は安全な睡眠環境をつくることを最優先にしましょう。



ハイハイやつかまり立ちなど活発に動く子にお勧めなのがバッグタイプになっているスリーパーです。これを着ることでベビーベッドに登ることを防ぐことができます。また、スリーパーを着る=寝るという習慣を付けていくことが大事になってきます。


愛波スリーパーL


睡眠退行でねんねに乱れが⁉
生後8ヶ月ごろ、赤ちゃんの脳の発達や急激な成長によって「睡眠退行」を引き起こすことがあります。 睡眠退行とは今までよく寝ていた子が、いきなり夜中に何度も起きたり昼寝が短くなったり、寝つきが悪くなったりすることです。特に、生後8ヶ月後半〜9ヶ月頃のお昼寝が3回から2回に移行する期間に乱れることがあります。

 焦らず状況を把握しましょう!
・お昼寝が十分取れていない日
 ▶ 早めに寝かせる
・夜中に頻繁に起きた日の翌日
 ▶ 十分睡眠が取れるように環境とスケジュールの調整を


乳歯の生えはじめが睡眠の邪魔を⁉
一般的には生後6ヶ月〜9ヶ月の間に乳歯が生えはじめます。歯が生えてきている時期は、夜中に不快で起きてしまうことがあります。

・安全な歯固めを使う
・歯茎をきれいな指でマッサージする

セルフねんねの種
・夜中に起きてつかまり立ちをする場合は一度横にしてあげて、その後は立ち上がっても見守る
・添い寝や添い乳をクセづけない
・子どもの寝床のかたわらで座って見守る。泣いたら3分様子を見て「ここにいるよ」と声かけそれでも泣き続けたらトントン→抱っこ。抱っこは寝かせるためじゃなく、落ち着かせるためだけする




 9ヶ月~1歳2ヶ月 

睡眠の特徴
1回の活動時間は9ヵ月で約2時間30分~3時間、10ヵ月~1歳2ヵ月で約3時間30分~4時間です。日中の睡眠は朝寝と昼寝の2回とさらに減っていきます。

日中の睡眠 
9ヶ月~1歳頃:朝寝・昼寝の2回。

1歳2ヶ月~1歳半:昼寝1回

9~11ヶ月の朝寝は1.5時間以上、1歳以降の朝寝は1時間以上にならないようにしましょう。昼寝は朝寝から起床して約3時間後には寝ている状態が理想です。4時間を超えてしまうと疲れ過ぎてしまい寝つきが悪くなることがあります。通園する保育園のスケジュールの関係で、1歳で1回の昼寝になってしまう場合、お子さんにぐずりがなければ1回でもよいでしょう。

 

睡眠退行
今までよく寝ていた子がいきなり寝つきが悪くなったり、夜泣きをしだしたりします。11ヶ月後半から1歳頃になると、いきなり昼寝をしなくなったり、朝寝・昼寝各45分ずつしか寝なくなったりすることがあります。

多くのママパパはこの変化を1回の昼寝に移行する時期だと勘違いして無理やりスケジュールを変更してしまいます。その結果、就寝までの活動時間が長くなってしまい、疲れすぎて寝ぐずりが激しくなったり、夜泣きがひどくなったり、癇癪を頻繁に起こすようになってしまいます。その様子が見られたら、朝寝、昼寝と2回の睡眠に戻してみてください。1回の昼寝にするのは焦らず子どもをよく観察しましょう。

セルフねんねの種
・この時期にまだ夜通し寝ていない場合はその原因となる習慣がある可能性が高いでしょう。授乳で寝かし付け、抱っこで寝かしつけ、添い乳で寝かしつけ、手をつないだり、親のどこかに触れながら寝かしつけをすることなどが挙げられます。その癖を徐々にやめていく必要があります。

・1人で寝かす、ネントレを実践してもよいでしょう。ただし、ネントレは最終手段。まずは「睡眠の土台(睡眠環境やスケジュール)」のチェックを。

・1歳前後に、夜間断乳を検討する方もいます。いきなり夜間断乳をするとおっぱいが張ってしまうことや母乳の生産量にも関わってきますのでリスクを知ったうえで行いましょう。夜中に1-2回は授乳を残したい場合、時間を決めて行うドリームフィードをお勧めしています。




 1歳3ヶ月~1歳半 

睡眠の特徴

昼寝1回の場合
・起きてから昼寝までの間=約5時間
・昼寝の後から就寝まで間=約6時間

朝寝と昼寝の2回の場合
・起きてから朝寝までの間=約3時間半
・朝寝の後から昼寝までの間=約4時間
・昼寝の後から就寝までの間=約4時間

昼寝の回数が2回から1回に移行する時期で、子どもによって回数が異なります。夜は10~11時間と続けて寝られるようになるでしょう。

日中の睡眠
この時期は昼寝が2回の子もいれば1回でも大丈夫な子がいます。朝寝・昼寝の2回から1回への移行のサインとして、寝かしつけの際に遊んでしまう、寝てもすぐ起きてしまう、朝から車やベビーカーで出かけても寝ることがない。朝寝をしなくても昼寝までずっと機嫌がいい、朝寝はちゃんと寝るけど、昼寝は抵抗して寝ないなどがあげられます。

1歳半の睡眠退行
今までよく寝ていた子がいきなり寝つきが悪くなったり、夜泣きをし出したりします。1歳半の睡眠退行は子どもの体の成長と共に自立心に関係が。1歳半は自分の意志をきちんと持った幼児です。嫌な事はイヤだ!と身振り素振りで自分の意志を伝え、反抗をしてきます。

子どもが昼寝を拒否すると昼寝自体をなくしてしまう親がいます。子どもは一般的に3歳から4歳ぐらいまで昼寝が必要と言われていますので、1歳半で昼寝をなくすことはやめましょう。子ども一人一人違いますので5歳でも昼寝が必要な子ももちろんいます。

<寝かしつけのコツ>

・疲れすぎる前に寝かしつけをしましょう。
・夜中にお腹が空いて起きないように炭水化物とタンパク質が豊富な食事を十分あげましょう。
・昼寝ができたり夜通し眠ることができたらシール表やカレンダーに好きなシールを貼ったり(18ヶ月頃だと理解し始める子はいる)好きなブランケットやぬいぐるみを与えたり、暗いのを怖がる場合は豆電球(ナイトライト)を使用してみましょう。
・一貫性のあるルーティンを確立しましょう。



セルフねんねの種
この時期にまだ夜通し寝ていない場合は行動的な癖がある可能性が高いです。行動的な癖とは、授乳で寝かし付け、抱っこで寝かし付け、添い乳で寝かし付け、手をつないだり親のどこかに触れながら寝かし付けをすることなどが挙げられます。自力で夜通し寝て欲しい場合は、その癖を徐々にやめていく必要があります。

この時期にまだ抱っこで寝かし付けをしている場合はもう重くてママパパ(保育者)に負担が大きいと思いますので、改善していくとよいでしょう。負担ではない場合は続けていただいても結構ですが、抱っこじゃないと寝なくて癖になっている、この癖を取りたいと思っている場合は、改善していきましょう。寝かし付けのルーティンの中に抱っこを入れてもよいですが、寝落ちするまで抱っこをすることはやめましょう。完全に寝落ちする前にベビーベッドや布団に置くことが大切です。置いた際に起きてしまったら、隣に座り、まず「大丈夫だよ、ママ/パパ(保育者)はここにいるよ」と優しく伝え、必要な場合はとんとんをしましょう。会話はせず、声かけは最小限にして、とんとんは寝付くまで続けないようにしましょう。最初の数日間は泣くかもしれませんが、睡眠の土台がきちんと整っていたら、心配しないといけない泣きではなく、いつもと違う!という驚きや甘えの泣きなので、親は心を落ち着かせ続けてください。


 1歳半~2歳 

睡眠の特徴

1日必要睡眠量
1歳半~2歳:11-14時間。(夜11時間、昼寝1回2時間。)

2歳~3歳:10~13時間。(夜10~11時間ぐらい、昼寝が1回で1~2時間)

べビーベッドから自力で脱出
ベビーベッドの場合、2歳、できたら3歳までなるべく長く使用が理想です。早い時期から一人のベッドに移行してしまうと、出てきて遊んでしまったりと様々な悩みが発生してしまう可能性が高くなります。ベビーベッドをよじ登ってしまう子には、足が出ないスリーパーを着させたり、長いシャツを着させたりするのがお勧めです。ベビーベッド内に大きなぬいぐるみやクッションが入っている場合、踏み台として使ってしまうことがありますので、ベビーベッド内からとり出しましょう。ベビーベッド内に朝までいることができたら好きなシールをシール表に貼ったり、その日の洋服に貼って一日過ごしてもよいでしょう。ベッドに移行する場合は、部屋を安全な睡眠環境にしましょう。

暗いのが怖い・お化けが怖い
2歳前後になると想像力が増し「暗いのが怖い・お化けが怖い」と言ってくる子が多くいます。まず怖いという感情を理解してあげましょう。そして、足元につけるナイトライトを使用したり、日中部屋を暗くして懐中電灯で遊んでみたり、好きなぬいぐるみを選んでもらい、それがあれば大丈夫だよと伝えてみましょう。絵本を使用して大丈夫だよということを伝えていくのもお勧めです。(お勧め絵本:「スーちゃんおやすみなさい」)



1歳半でまた分離不安       
ぬいぐるみや好きなブランケットを与えてみましょう。これがあると安心するというものがあると分離不安も和らぎます。絵本やテレビに出てくる好きなキャラクターのぬいぐるみを好む子が多くいます。日中遊ぶときにぬいぐるみも一緒に遊んだり、寝かしつけルーティンにも一緒に参加させるとよいでしょう。"
              
多くの要求をしてくる
「水が欲しい」「本もう1冊!」「お腹すいた」と寝る前に色々と要望を言ってくることがあります。水はストロー付き水筒(自分で開け閉めできるタイプ)をベッドサイドにおいたり、本は3冊と決めたら3冊以上読まないよう境界線をきちんと設定していきましょう。寝る前にチェックリストを作成して、一つずつ一緒に確認していってもよいでしょう。

寝かしつけのコツ

・寝かしつけ前に激しい遊びは控えましょう

・日中も夜も決めたルールは譲らない

・ゆっくりリラックスできる寝かしつけルーティンを毎日行いましょう

・ママやパパと1対1の時間を十分とりましょう

・好きなぬいぐるみやブランケットと一緒に寝るものよいでしょう

・寝かしつけにてこずっていたり、夜通しで寝てくれない場合には、シール表やルーティーンチャートを活用するのもよいでしょう。シール表はちゃんと寝れたら、朝好きなシールを貼り、いくつかたまったらご褒美をあげるというやり方です。ご褒美は食べ物でも、親と近場に遊びに行くというものでもよいでしょう。ルーティーンチャートは就寝までのルーティーンが文字と絵でかいてあります。これをリビング、お風呂場、寝室に貼ることで、今どの段階に自分がいて、これから何をしないといけないかがわかります。文字がまだ読めない子でも、絵があれば理解できます。この時期の子どもは、うまくお話しができなくても、親の話している内容は十分理解していますので、一つずつ声に出してあげることで徐々に理解し、自分でやるようになります。

 

セルフねんねの種
・この時期にまだ夜通し寝ていない場合はその原因となる習慣がある可能性が高いでしょう。授乳で寝かし付け、抱っこで寝かしつけ、添い乳で寝かしつけ、手をつないだり、親のどこかに触れながら寝かしつけをすることなどが挙げられます。その習慣を徐々にやめていく必要があります。睡眠の土台が全て整っていたらネントレを行ってもよいでしょう。



・一人のベッドに移行して自力で寝て欲しい場合は、部屋のドアにゲートを付けてみる。
この時期の子どもは境界線を作ってあげることが大切なので、部屋のドアの前にゲートを付け、ドアを自由にあけて出られないようにするのも効果的です。ゲートをシールやリボンでかわいくしたりするのもよいでしょう。ベビーベッドから一人のベッドに移行した場合、自由に動きまわれるようになりますので、コンセントやコードがないよう部屋の安全確認を。また、おもちゃが部屋にあると遊んでしまう可能性が高いので部屋から排除を。

 



愛波さんに解説していただいた新生児~2歳・月齢別ネントレ方法をチェックして、できるところから少しずつ日常生活に取り入れていきましょう!


【プロフィール】

乳幼児睡眠コンサルタント 愛波あや
自身が夜泣きや子育てに悩んだことをきっかけに乳幼児の睡眠科学を学ぶ。現在は2児の母として米国・ニューヨーク郊外で生活しながら、日本を代表する乳幼児睡眠コンサルタントとして日本人向けの講演や執筆など幅広く活動。国際資格認定機関IPHIの日本代表兼講師も務め、390名以上のコンサルタントを育成。睡眠や子育て全般の情報配信や質問回答を行う「愛波子育てコミュニティ」は、同種サービスとしては日本最大規模に成長中。著書に「ママと赤ちゃんのぐっすり本」(講談社)、「マンガで読む ぐっすり眠る赤ちゃんの寝かせ方」(主婦の友社)。

慶應義塾大学教育学卒業、Sleeping Smart Japan株式会社代表取締役。
HP: https://aya-aiba.com/
Instagram: https://www.instagram.com/aya_aiba/?hl=en



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