親が良かれと思って放つ「正論」が、実は子どもの心を閉ざし関係を壊しています。
元教員で子育てコーチである著者は、その原因はスキル不足ではなく、親が無意識に抱える「不安」というエゴにあると断言します。
本書は、自己受容を通じて自身の内側と向き合い、エゴをゆるめて本来の本音に気づくことで、言葉と親子関係を本質的に変える一冊です。
「正しい親」という呪いを解き、信頼を置くことで、一生モノの絆を築くための秘訣を紹介します。
連載第4回は、第4章「エゴをゆるめ、本音で関われる自分へ」の中から「なぜ気づいても変われない?」を紹介します!
※本連載は『「あなたのため」をやめましょう 親のエゴを手放せば子どもは動き出す』から一部抜粋して構成された記事です。
なぜ気づいても変われない?
ここまで読み進めてきたあなたは、以前よりも格段に自己理解を深める力を手に入れていることと思います。
しかし、本当の意味での変化はここからになります。実際に今の段階では、
●理解はできたのに、また同じことで子どもに怒ってしまった
●子どもに冷静に関わろうと思っていたのに、気づけば感情的になっていた
●本音ベースで関わりたいのに、ついきつい言葉を使ってしまう
という状態になってしまうことが多くあります。
なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。
それは、私たちの言動のほとんどが「意識」で動いているわけではないからです。
私たちはつい、「必要な情報を知り、意識すれば全て変わる」と考えがちです。
しかし実際には、多くの言動を決めているのは〝意識(頭での理解)〞ではなく、無意識(潜在意識)の働きです。
たとえば、自分には「子どもは親の言うことを素直に聞くべきというマイルールがあるんだ」「それを踏まえた上で穏やかに接しよう」と頭ではわかっていても、実際に子どもが言うことを聞かない場面に出くわすと、次の瞬間には、「口答えするな!」と強い口調で怒鳴ってしまう(反応してしまう)ということがおきます。
このとき、あなたは意図的に選択して怒っているわけではありません。反射的に反応しているのです。
先ほどもお伝えしましたが、一般的に私たちの行動の多くは快(安心や喜び)を求め、不快(痛みや苦しみ)を避けようとする「無意識」の影響を受けています。その割合は95%以上とも言われるほどです。
それは裏を返せば、「頭ではわかっているのに変われない」のは、あなたの意志が弱いからではないということでもあります。
どれだけ「こうしたい」と意識で願っていても、無意識がこれまで通りに反応していれば、行動はなかなか変わりません。
これこそが、〝頭ではわかっているのに変われない〞原因なのです。
では、どうすればよいのでしょうか。答えは、無意識にあるあなたの信念・価値観に働きかけていくことです。
これまであなたの中で当たり前になっていた、ものの見方や考え方、これらを少しずつ見つめ直しゆるめていく。
つまり、無意識の反応そのものを変えていくということです。
たとえば、「完璧でないと価値がない」「ミスは許されない」といった、無意識にインストールしていた子育てを難しくしている信念・価値観を一度棚卸しして、より柔軟で建設的なものにアップデートしていくという感じです。
そのために、この章では、自分の無意識に働きかけ、エゴベースの信念・価値観をゆるめていくための具体的な方法をお伝えしていきます。
「わかる」から「変わる」へ。その一歩を、ここから一緒に進めていきましょう。
正しさの押し付けが関係を壊していく
良かれと思って熱心に指導するほど、子どもたちとの間に冷ややかな溝が広がり、やがて学級崩壊へ……。元教員である著者がどん底の経験から直面したのは、子どもを伸ばしたいという純粋な愛情ではなく、自分の評価や立場を守りたいという「親(教師)のエゴ」でした。正しい言葉や巷のテクニックに飛びつく前に、まずは自分の「あり方」を見つめ直していきたいですね。
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