KADOKAWA Group

News

お知らせ

学校の先生や司書を目指す現役大学生が、人体図鑑を本気レビュー!! レビュアー:東京学芸大学3年 吉岡美希


KADOKAWAが刊行する図鑑シリーズ『角川の集める図鑑GET!』より、人体図鑑が発売されました。そこで、将来学校の先生や図書館司書になるために勉強中の現役大学生6名に、学生としての目線、未来の教育者としての目線、双方から本気でレビューしてもらいました!!



レビュアー:東京学芸大学3年 吉岡美希

他の人のレビューを読む

鮮やかなビジュアルにわくわく

 正直に言うと、私はあまり図鑑に触れてこなかった。小学生の時から兄のために母が買った図鑑を読むことよりも、可愛らしい絵が描いてある絵本や子ども向けの文庫が好きな子どもだった。図鑑を見ても写真や絵が整理されて小さい字でたくさん説明が書かれているため、「このことについて勉強するんだ!」という積極的な強い気持ちがないと何から見ればいいのか分からず、結局閉じてしまう。その原因に図鑑を開いてもあまりわくわくしなかったことが挙げられるだろう。しかし、本書を手にして、図鑑のイメージは変わった。



実際に本を受け取り、パラパラとページをめくってみると、見開き1ページに堂々と載っている臓器や器官の絵、その周りに書かれた目を引く見出しの説明やコラム。鮮やかなビジュアルは、とてもわくわくし、読んでみたいと思わせる力がある。実際に中身を読んでみると、鮮やかなビジュアルだけではなく、一つ一つのトピックに対する情報量も多く、丁寧に書かれているため、飽きずに何度も読むことが出来た。私が小学生の時にこのような図鑑があったら楽しんで読むことが出来たと思う。

 わくわくすることは、これから起こるであろうことに期待感をもち、心が弾むことである。私は学ぶということは、わくわくから始まると感じている。「勉強」と聞くと「嫌い」「やらなきゃいけない」という気持ちが出てきてしまうが、本当は「知ることは楽しいこと」である。純粋にたくさんのことを知りたいという気持ちを大切に、気負わずにページをめくってみてほしい。私が感じたように、子どもたちもわくわくしてくるだろう。そのわくわくが「学びたい」「知りたい」につながっていく。小学校低学年・中学年の頃から学ぶ意欲を家庭でも高めていくことで、今後の高学年や中学生、高校生の学習をより質の高いものにすることが出来る。

 

紙の図鑑だから得られる主体的で深い学び

現在スマホの所有率は小学生でも高まり、多くの子どもたちがスマホや電子機器をもっている。また、学校でもGIGAスクール端末が配られている。そのような何でも検索すれば出てくる時代にわざわざ紙の図鑑を買う必要はないと思っている方もいると思う。しかし、紙の図鑑だからこそ主体的で深い学びになる。図鑑に載っている情報は検索すればすぐに出てくるものであるが、調べたこと以上の知識は得ることが出来ない。

例えば、「目の仕組み」と検索すれば、たくさんの同じような画像が出てきて目の構造を図解してくれる。目の構造だけを知りたい人はこの情報だけで満足するだろう。おそらく子どもも「どうやって目はものが見える仕組みになっているかな」と疑問に思い、検索して出てきた画像だけで満足してしまう(理解しているかどうかは別にして)。しかし、それでは深い学びにつながらない。考えることを終わらせてしまうからである。本書では、目の仕組みについてのページを開けば、目の構造はもちろん、目の周りの筋肉、他の動物の視野に関するトピック、目が悪い原因など様々な情報が書かれている。



目の仕組みだけではない豊富な知識を得ることが出来るのだ。ふと目に付いたところが妙に気になったり、「次のページには何が書いてあるのかな」とめくってみたりして、興味を広げることが出来るのは紙の図鑑の特徴である。本書は、ただ眺めて、読んでみるだけでも豊富な情報量で自分が知りたいこと以上のことを学ぶことが出来る。だからこそ、「このことについて勉強してやるぞ!」という強い意志がなくても、楽しみながら多くのことを学ぶことが出来るのだと思う。子どもが自ら考え、学ぼうとする力を育めることが、本書の魅力の一つである。

コロナウイルスが流行っている今だから

現在、世界中でコロナウイルスが猛威を振るい、私も学校の授業がオンラインになったり、友達を会える機会が減ったり、生活に様々な影響が出ている。小学校に学生ボランティアとして週1回行っているが、小学校でも休校や給食の黙食など、子どもたちもたくさん我慢している。子どもたちには「どうせコロナだからできない」といった諦めがあり、体験による学びの機会が減っている。小学校低学年・中学年の児童はまず体験を通した学習を、学校教育でも行うのだが、コロナ禍の状況でなかなかできていない。本書は、遊びなどを通して、自然に楽しんで、知識が身につく体験型学習ができる図鑑でもある。それが、図鑑と連動させた『GET+』である。



このサービスでは、図鑑の紙面を読み込むことで、カードが追加され、自分だけのオリジナルの図書館を作ることが出来る。自ら図鑑とスマホやタブレットを使って、人体の部位の働きや場所などを関連付けながら、学習していく。GET+では、動画やイベントの紹介などもされており、紙の図鑑にとどまらない学習を行うことが出来る。コンテンツは増えるようなので、長く使うことが出来る図鑑であり、学校の学習とも合わせて使うこともできる。コロナ禍で体験型学習が減り、保護者の方も出かけることに不安がある状況であるため、このような家庭でできるオンラインでの体験型学習は、「コロナ禍だからできない」ではなく、「コロナ禍でもできる」学習である。このような学習を家庭でも行うことで、子どもたちの学ぶ意欲は落ちることなく、今後の学校教育にもつながっていくだろう。

 

【ライター】
東京学芸大学3年 吉岡美希


監修:坂井 建雄

定価
2,200円(本体2000円+税)
発売日
サイズ
A4変形判
ISBN
9784041118542

紙の本を買う

電子書籍を買う


この記事をシェアする

特集

ページトップへ戻る