「赤ちゃんが生まれる」、それは喜びにあふれるすばらしいこと! ママもパパもまわりの家族も誕生が待ち遠しく楽しみです。ですが、初めて赤ちゃんを迎えるママにとってはイメージがつかめず不安も入りまじります。
絵本は、そんな新しい命を迎えることの喜びや育児への向き合い方などなどを実感させてくれる、ママに寄り添う優しいアイテム。今回ご紹介する絵本は金額の相場的にもご友人や甥っ子、姪っ子への出産祝いにぴったりなので、プレゼントとしてもぜひ参考にしてみてください。
あかちゃんがいるの!
4歳~
「あかちゃんがいるの!」
作・絵/津田真帆
大日本図書 1,540円
お腹の中に赤ちゃんがいることに気づいたおかあさんの喜びをつづった絵本です。「わたしの なかに、ちっちゃな いのちが はいっているなんて」と驚き、一日ずつゆっくり育っていく日々のすべてに新鮮な喜びを感じます。ママは、お腹の中の赤ちゃんと、うれしさ、不思議さなど様々な気持ちを一緒に感じながら、ついに出産のときを迎えるのです。
もう一人の命がお腹の中にいるって不思議な感覚ですよね。ママとお腹の赤ちゃんはいつでも一緒、二人で一人。話しかけてもお返事はありませんが、時折、中からけとばして「一人じゃないよ」って伝えてくれます。
初めて赤ちゃんを産む新米ママさんは妊娠中、喜びだったり不安だったり、いろいろな気持ちになると思います。そんなとき「こうした時間を越えて赤ちゃんと出会うのね」「二人で一人のこの月日はかけがえのないものなんだ」と優しく伝えてくれるので、ママ向けプレゼントにもぴったりの絵本です。
おへそのあな
4歳~
「おへそのあな」
作/長谷川義史
BL出版 1,540円
お腹の中の、ちいさなちいさな赤ちゃん。お腹をぽんぽんけってくるのは、もしかしたら、お外の様子を見たり感じたりして楽しんでいるからかもしれません。どこから見えているかというと、それはお母さんの“おへそのあな”から。おへそのあなからは、赤ちゃんを待ちわびるお兄ちゃん、お姉ちゃん、お父さんたち家族の温かな姿が見えて……。
お腹の中の赤ちゃんが、たまに絶妙なタイミングでお腹をけってきて「あれ? お外が見えているのかな?」と思ってしまうことって、ママにとってはあるあるじゃないでしょうか? そんなところから想起されたこのお話。
おへそのあなから見える世界がさかさまなのも、赤ちゃんがママのお腹の中で頭を下にして生まれてくるから。赤ちゃんにおもちゃを作ってあげるお兄ちゃんや自作の曲を作ってしまうお父さんなどなど、みんなが赤ちゃんを心待ちにしている様子を描いた楽しい絵本です。
あかちゃん社長がやってきた
3歳~
「あかちゃん社長がやってきた」
作/マーラ・フレイジー 訳/もとしたいづみ
講談社 1,430円
あかちゃんは、やってきたその日から“社長”なのです! パパとママにどっさり仕事を持ってきて休みなし。次から次へ命令を出し、言う通りにならないとすぐにかんしゃくを起こします。何度も何度も続く真夜中の会議。ついには、パパとママはバタンキュー。命令が通じなくなったあかちゃん社長は、「こうなったらやるしかない」とあることを試みますが……。
赤ちゃんのお世話は休みなしのひっきりなし、昼も夜もなく続く授乳に夜泣き対応と怒濤の毎日です。そんな日々を「赤ちゃん=社長」、「お世話=仕事」として描いたこの絵本。その仕事ぶりはブラック企業もかくやという状況ですが、そんな大変な中でもママパパががんばり抜けるのは赤ちゃんの成長とかわいらしさが、ふっとかいま見られる瞬間があるから!
赤ちゃんのお世話の大変さをユーモラスに見せてくれるこの絵本は、ちょっと落ち着いたころに戦友のパパと「こんな頃もあったねー」と笑いあったり、赤ちゃんが大きくなって「あなたは社長さんだったのよ」と読んであげたりするのにおすすめです。
うまれてきてくれてありがとう
0,1歳~
「うまれてきてくれてありがとう」
文/にしもとよう 絵/黒井健
童心社 1,540円
生まれる前のまだ天使の赤ちゃん。神様が「うまれて いいよ」と言ってくれたので自分のママを探しています。くまくんやごりらくんは、自分たちのママに「うまれてきてくれてありがとう」と、ぎゅっとだきしめてもらっています。それを見ていて、赤ちゃんもママに会いたくてたまりません。そして、ようやく“ママ”を見つけると……。
ママは赤ちゃんが生まれてくるのをずっと待ち望んでいます。実は、赤ちゃんの方も一生懸命ママを探して生まれてくるんです。そんな、ママと赤ちゃんの絆を温かく伝えてくれるこの絵本。
「うまれてきてくれて ありがとう」と、いつも心では思っていても、大忙しの毎日の中で、子どもへゆっくりその思いを伝える機会は少なくなっているかもしれません。この絵本の読み聞かせを通じて「うまれてきてくれてありがとう」と、ママパパの想いを伝えてみてはいかがでしょうか?
あなたのことが だいすき
0,1歳~
「あなたのことが だいすき」
文・絵/えがしらみちこ 原案/西原理恵子
KADOKAWA 1,210円
赤ちゃんが生まれると、なにもかもが初めてで不安な日々が続きます。少し大きくなっても今度は「やだやだ」「えーん!」とされて、本当はやさしくしたいのに疲れ切ったママは怒ってばかり。ですが、振り返れば子育てができる時間はあっという間。だからこそ「だいすき」という言葉だけは伝えていきたい、そんな、ママの子どもへの深い思いをつづったメッセージ絵本です。
ついこの間生まれたと思ったのに子どもの成長は早いもの。育児の期間は後から考えればほんの一瞬ですが、親にとっては息をつく間もなかった時期。もっとやさしくしてあげればよかった、笑顔で接してあげたかった、思い返して後悔してしまうこともあるかもしれません。でも、ママはわが子のことが大好きで宝物だといつも思っている、そのことをこの絵本は思い出させてくれます。
新米ママに子育てで忘れてほしくないことを教えてくれて、また今現在、落ちこみがちなママに優しくエールを送ってくれる、子育て中のプレゼントにもおすすめの絵本です。
今回はこれからママになる人へ贈る絵本を紹介しました。
次回は、「泥・砂」をテーマにした絵本を紹介予定です。(5月公開予定)
お楽しみに。
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