KADOKAWA Group
知る・まなぶ

『すごすぎる身近な植物の図鑑』第4回 トウモロコシの観察


「身近な植物」「どこでも・誰でも観察できる植物」にスポットを当て、意外と知らないトリビアや豆知識を詳しく紹介した一冊『ゆるっと歩いて草や花を観察しよう! すごすぎる身近な植物の図鑑』。「見つけ方(探し方)」と「観察方法(見方、楽しみ方)」もわかる、今までにない観察図鑑のためし読みです。
※ためし読みでは、本書の内容の一部を抜粋してお届けします。

ためし読みで紹介する植物は…
第1回:セイヨウタンポポ
第2回:ヒガンバナ
第3回:オオバコ
第4回:トウモロコシ


第4回:トウモロコシは茎を根っこで支えている <イネ科 トウモロコシ科>



 トウモロコシの根元が枝わかれしている? 
ある夏のこと。庭でトウモロコシを育ててみたことがありました(写真①)。すくすくと大きくなり、そろそろ花が咲くかなと思ったころ、根元を見て「おや?」と思ったことがあります。茎の根元から細い枝のようなものが出て地面に何本もささっていたのです(写真②)。
「地面にささる枝なんて変なの」と思ってしまいますが、じつはこれ、枝ではなく根っこです。一体なんのための根っこなのでしょう。




トウモロコシを育ててみよう
いちばんいいのは、自分でトウモロコシを育ててみることです。大きいプランターや庭があれば挑戦可能です。

①日差しが好きな植物なので、明るい場所で育てること。
②水をたくさんあげること。


上記が最低限必要なポイント。ちゃんと収穫まで育てたければ、追肥をよくすることと受粉のお手伝いをしてあげることが必要になります(写真③)。


 




 茎を支える根っこ、支柱根! 
実際にトウモロコシを育ててみるとよくわかりますが、トウモロコシは少し不安定な姿をした植物です。背丈が2mほどにもなる大きな草の割には、茎は太くなく、さらにそこに大きな実がつきます。強い風が吹いたらたおれてしまいそうな見た目をしています。
そこで役立つのが、この茎の根元から生えている根っこです。1本の茎で地上部を支えるよりも、茎と根っこを合わせて体を支えたほうが強い風にも耐えることができそうです。こうした根っこは「支柱根」と呼ばれます。




 幹を支える根っこ、板根! 
このように根っこは地中だけでなく、地上からも体を支えることがあります。ほかに観察しやすいものとしては、公園などで見るムクノキやエノキがあります。
大きなエノキの木の根元を見ると、写真④のように幹の下部がこんもり盛り上がっていることがあります。じつはこれも根っこです。板のような根っこということで「板根」と呼ばれます。これも地上部の幹を支えます。
この姿を見ると、たしかに強風に耐える力は強そうです。

 




💡

大学生の頃、沖縄でサキシマスオウノキという木を見ました。板根がとても発達していて、かくれんぼに使えそうな見た目で驚きました。遠出して見る植物もおもしろいものです。



その他にも本書では様々な植物の観察を紹介しています。
ぜひ、チェックしてくださいね▼▼▼



好評発売中!『すごすぎる身近な植物の図鑑』




著者:鈴木 純

定価
1,430円(本体1,300円+税)
発売日
サイズ
四六判
ISBN
9784046057099

紙の本を買う

電子書籍を買う


この記事をシェアする

ページトップへ戻る