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子育て・教育

もっとわかる! はじめての、親子えほん 第14回<年齢によって反応が変わる絵本>


こんにちは《聞かせ屋。けいたろう》です。
今月は読み聞かせる年齢によって反応が変わる絵本を紹介します。


まずは『うし』(アリス館)


『うし』(アリス館)


 

これは、詩がそのまま絵本の文章となった作品です。まず、その詩を味わってみましょう。

 



 

おもしろいですね! 牛いっぱいの光景が浮かんできましたか? この詩が絵本になると……。

 



 



 

こんな感じです。もう最高ですよね。

この作品、読み聞かせる子どもの年齢によって、おもしろがるポイントが変わる絵本なのです(以下に記す年齢はあくまで目安で、僕の経験と感覚によるものです) 。


 3歳くらい 
子どもは牛が次々に出てくることを楽しみます。「牛がいっぱいでおもしろい!」という味わい方なのではないかと思います。こちらを見ている牛の“絵”を目一杯楽しんでいるようです。

 5歳くらい 
絵を楽しむことに加えて、「うしのうしろにうし(牛の後ろに牛)」がダジャレであることに気がつきます。「ダジャレだー!」と声をあげる子もちらほら。その声でダジャレに初めて気がつく子もいたりして(笑)。ダジャレ、喜ぶんですよね。

 7歳くらい 
絵もダジャレも楽しみ、更にオチにも気がつきます。「まったくもう」の「もう」と牛の鳴き声としての「モー」がかかっている事に気がつくんですね。5才くらいでもなんとなく気がついている子はいると思うのですが、その二つの意味を瞬時に理解して笑うのは、小学生になってからかな?と思います。

そして、大人である親も一緒に笑ってしまう(笑)。詩がこんなにもおもしろい絵本になるなんて。その時期その時期の子どもの反応を楽しめたらいいですね。

 

『あしたうちにねこがくるの』(講談社)という絵本も、年齢によっておもしろがるポイントが変わる絵本です。


『あしたうちにねこがくるの』(講談社)


 



 



 



 

「明日、家に来る」という猫の姿を想像する子ども。もしも体の色が変わったら? 大勢でやって来たら? ピアノがうまかったら? と想像はどんどん膨らみ、いろんな猫が頭の中を巡ります。年齢によって、思うことも変わりそうですよね!

 3歳くらい 
おもしろい猫、変な猫の登場を楽しんでくれます。「へんなねこー!」などと言いながら。「もしかしたらこんな猫もいるのかも」と思っているのかもしれません。

 5歳くらい 
変な猫の登場を楽しむのにくわえ、「こんな猫がこの世にいるわけがない」という視点が加わります。実際に身近にいる猫の姿や種類が、経験上ある程度分かっているのですね。

 7歳くらい 
ちらほら「ありえなーい!」という声がわきおこります。ズバリ! なひと言ですよね。確かに現実では、こんな猫が家に来るなんてありえない。「普通の猫が来るに決まってる」という想像をしているのではないかと思います。彼らはそれを踏まえたうえで目一杯、絵本で想像をすることを楽しんでいるのですね。

こんな風に想像で遊ばせてくれるのは、とても良質な絵本だと思います。


子どもが大きくなった時、数年前に読んでいた絵本をぽっと出してみると、おもしろいと思います。あの頃とは違う楽しみ方で、絵本を味わってくれるかもしれませんね!

 


詩/内田麟太郎 絵/高畠純

定価
1,430円(本体1,300円+税)
発売日
サイズ
27cm×21cm
ISBN
978-4-7520-0800-2

文/石津ちひろ 絵/ささめや ゆき

定価
1,650円(本体1,500円+税)
発売日
サイズ
AB判
ISBN
978-4-06-132241-7

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