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聞かせて!けいたろう 第1回 絵本解体新書『フンころがさず』

 

けれど!次の場面で早くも凹む彼(笑)



この絵、伝わりますよね〜。天と地が逆転してモノクロに。
空が狭い!『フンころがさず』の心の中を描いたような閉塞感。
そしてキツツキに出会い、[フンを転がす事]について、思いを巡らせます。




この場面では豆つぶのように描かれた『フンころがさず』。
キツツキが大きな存在に見えますね。

フンコロガシが、フンをころがさないことに決めたときいて、キツツキは「ハハハ! なにを いっているんだよ。 へんなやつだな」と言います。



キツツキの言う「へんなやつ」は、はじめに“みんな”に言われた「へんなやつ」とは意味が違います。

僕、この場面が一番好きなのです。無駄の無いセリフと、シルエット。



キツツキも、過去に色々あったのだろうなぁ(笑)。そしてここから数場面、主役が「フンころがし」に戻っていく姿が描かれて……。



自然な光景に。
『フンころがし』の背景には再び青空が描かれます。
そして、この絵本で初めて描かれているのが太陽。これは言わずもがな。さすがです。

大塚健太さんの輝くアイデアと、高畠純さんの熟練の技、良い絵本が出ましたね〜。素敵です。
フンコロガシが主役!って、勇気のいる絵本づくりだったことと思います。主役をキツツキにして「キツツかず」というアイデアも、出たのではないかと思うのです。
でも、フンコロガシで行った(笑)! 見事ですよね。タイトルだけで内容が読める、そして読んでみたくなるって、大事だと思うのです。

このコラムでは皆さんに、僕の勝手な見解に付き合って頂きました。今更お伝えしますが、僕はこの絵本の作者ではありません。見解は思い違いだったりするかもしれません。本来、絵本には解説も見解も必要無いと、僕は考えます。絵本を手に取った皆さんがそれぞれの思いを巡らせて、楽しんでもらえば良いと。
でも、大人って忙しい。絵本を手に取ってもなかなか、じっくり味わえないのです。文章だけサラッと読んで、良いお話だかそうでないのか、判断しがちです。子どもは、そうではないようです。じっくりと絵を味わって、何度も何度も「よんで!」って言う。
「大人にも絵本をじっくり味わってもらえるきっかけになれば」と思い、僕はこの文章を書いています。
お付き合い頂き、ありがとうございました!
絵本って、本当に良いものですね。

 

最後に、表紙(と裏表紙)の裏にある[見返し]という部分に注目してみましょう。
始めにめくる、表紙の側の見返しは……




そして、裏表紙側の見返しは……
 




これもニクい演出!
同じ模様(絵)なのですよ。でも、後者の方が明るいですよね。色を反転しているようです。絵本には、こんな楽しみもあります。頭の先から、足の先まで絵本を味わってくださいね。

 

【今月のけいたろう】
おかげさまで5月に第二子が無事、産まれました。
こういう状況の中で、不安も沢山ありましたが、家族全員で頑張り、迎えることができました。
皆さんの所にも、嬉しい出来事が増えますように!

 

作家プロフィール

関連書籍

フンころがさず

フンころがさず

  • 【定価】本体1,300円(税別)
  • 【発売日】
  • 【サイズ】A4変形判
  • 【ISBN】9784041089477