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羨ましすぎる! インド人の〇〇 ママ心理士のインドで子育て大騒ぎ

さて、インドが外出禁止になる前のこと。忘れられない出来事が起きました。あれは、ある暑い日のこと。涼しくなった夕方、子どもと一緒に「テニスでもしよう!」とラケットとボールを持ち、近所の公園に出かけました。


ちょっとしたコートがある公園です


そこには、同じように遊びに出てきた子どもや若者がちらほら。私と娘でテニスをして遊んでいると、インド人の男の子3人組が近づいてきて興味津々に眺めたあと、身振り手振りで「一緒に遊びたい」と言ってきました。これはよくあることなので、私も慣れた口調で「オーケー」と言って、ラケットを男の子に渡し子ども同士で遊ぶのをしばらく眺めていました。


こんな感じで、インドの子どもはとっても人懐っこい


するとそこに、男の子の知り合いらしき20歳くらいの若者が近づいてきて、私に何やら話しかけてきます。

私「ん?何なに?」 若者「僕もやる」

私「いいよ。一緒にやったら?」 若者「僕は上手だから、あなたとやる」

私「...えっ私と? 私上手じゃないないよ。子どもとやりなよ」 若者「嫌だ。子どもよりは上手だろうから、あなたとやる。僕はうまいから」

私「はあ、そうですか。まあじゃあやろうか」 という会話をカタコトの英語でして、その若者とテニスをすることに。その若者はそれはそれはものすごい自信だったので、私は心の中で「セミプロとかだったらどうしよう。私上手じゃないのに……」と心配しながらおそるおそる。 そしたら……そしたらね、若者、めちゃめちゃ下手くそだったんです!!(笑)  私がサーブしたボールを見事に空振り。それも子どもたち思わず吹き出す全力の空振り。


アレ?上手いんじゃなかったの?


若者は「テヘヘ」って照れ笑いして何回かトライしたけど、一度もボールは当たらず、そのうち他の子がやりたがったので、選手交代となりました。ええ、思いましたよ私は。「あの自信はなんだったんだ……」

でもですね、実はこのようなことが、インドではよくあるんです。例えば、車のドライバーさんが代わって新人がきた時、娘の幼稚園への行き方を説明しようとすると、「大丈夫大丈夫。あの辺りはよーく知ってるから名前だけでわかりますよ!」と自信満々で私の説明を拒否したくせに、迷子になり、登園時間に遅刻。とか。メイドさんに「今日はオムライス作ってほしい。作り方はこうしてこうして」と説明しているときに、(以下略)で、結果、オムライスとは似ても似つかないものが出てきたり(笑)。「できないならできないって言って~」と思うことがよくありました。


「オーケーオーケー。ノープロブレム」←インド人の口癖です


インドの人の「できる感」ってなんだかすごいんです。会社でも「できます大丈夫です」って言って実際はできてないことも多いとか。「できる」「大丈夫」の基準が違うんだろうなあって思います。

私たち日本人ってできることでもつい「できないかも」「できなかったらごめんね」って謙遜することが多くて、「私できます!!大丈夫です!」っていう自信満々な人あまり見ないですよね。カウンセラーとしては、この【根拠なき(?)自信】ってとてもうらやましい。嫉妬せずにはいられない。「インド人のあの自信ってどうやって育つのだろう?」とつい考えてしまいます。

もしかしたらインド人の子育てスタイルにその秘密があるのかもしれません。インドの人って本当に子どもが大好きで、子どもは絶対に叱らないし、可愛い可愛いって褒めてくれて、とても優しいのです。「褒め褒め・甘やかせ」スタイルです。人に迷惑なことをされても、「お前も人に迷惑をかけているのだから、人のことも許しなさい」と教えるそうです。


たしかにこれだけ混沌としてると、お互い様文化が育ちそう


できなくても間違えても気にせず、どんどんチャレンジしていく自信満々なインド人。私はついつい「できるかな」「できなかったらどうしよう」と尻込みしてしまうタイプなので、この自信見習わなくては!と思った次第でした。「行くと人生観が変わる」と有名なインド。人生観が変わる秘密はこんなところにあるのかもしれません。 ではではまた次回。

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