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【レビュー】映画『塔の上のラプンツェル』その後のストーリーを描く!ディズニープリンセスが「本当の幸せ」を見つけるあたらしい冒険に要注目!

紫色のワンピースに、長く美しい金髪。強くてとってもチャーミング! 2010年に公開されたディズニー映画『塔の上のラプンツェル』の主人公・ラプンツェルは、世代を問わず女子あこがれのディズニープリンセスのひとり。魔法の髪の毛を持って生まれたラプンツェルが、冒険を通して自分が何者かを知り、ユージーンと恋に落ちて……というのが映画のおおまかなあらすじ。魔女にさらわれ、高い塔から出ることをゆるされなかったラプンツェルが、ユージーンと一緒に塔を抜け出し、外の世界を力強く冒険していく姿はまさにかっこいいの一言。困難があっても、自分の力で夢に向かって突き進む強さを教えてくれるあたらしいプリンセス像としても話題になりましたね。

今回ご紹介する『ラプンツェル あたらしい冒険』は、映画のその後の物語。
おとぎ話の終わりに入る「それからふたりは末永く幸せにくらしました」なんて定型文に、ラプンツェルたちが収まるはずがない! そう、映画は序章にすぎず、プリンセスとしてお城に帰ったその後こそ、彼女にとって本当の試練がはじまるのです。
魔法の髪の毛も消えてプリンセスとなったものの、冒険に出るまでは塔の中から出たことがなかったラプンツェルは、国を守る女王としての心構えや作法なんてさっぱりわからないまま。おしとやかにするように言われてもなかなかうまくいかないし、魔女にさらわれた過去のこともあって、きびしい警護で自由なんてほとんどない。温かく迎えてくれたみんなの期待に応えようとがんばるけれど、きゅうくつな毎日が続くばかり。ユージーンや、侍女で親友のカサンドラ、おなじみのカメレオンのパスカルに白馬のマックスが支えてくれても、ラプンツェルはモヤモヤした気分が晴れなくて……。そんな中、彼女の気晴らしにとカサンドラがこっそり外に連れ出してくれた先で、なんとラプンツェルの魔法の髪の毛が復活してしまったのだから大問題! トラブルの元になる魔法の髪の毛をどうにか隠そうと試してみるものの、髪の毛を切ることもできず、ラプンツェルのプリンセス生活は一気にピンチへと向かいます。

「もしかして、ラプンツェルってプリンセスにならない方が幸せなのかも?」
そんな風に思ってしまう読者もいるかも?
この本がただものじゃないのは、プリンセスになる=幸せになるという、おとぎ話の常識に問いを投げかけてくるところ。自分の力で夢をつかみとる行動力、分け隔てなく相手と向き合うやさしさ。そういったラプンツェル自身の魅力や個性を、プリンセスとしてあるべき姿のために抑えつけられてもいいの? 嫌だとさけぶ心の声を無視して、良い子になれば幸せになれるの? 与えられた役割だけを果たさなくちゃダメなの? 日常では声に出しにくい疑問を、本を通じてラプンツェルは読者に問いかけてきます。
この疑問、プリンセスだけの特別な悩みじゃないですよね。自己の確立が進むにしたがって男女関係なく一度はぶつかる壁で、しかもこの壁にぶつかるのは小学校一年生の時かもしれないし、はたまた高校三年生の頃かもしれません。子どもたちは毎日少しずつ成長していきますが、そのスピードは人によってそれぞれ。さらにその時に子どもがヘルプを出せるとは限りませんし、周囲が気づけないかもしれません。難しい問題だからこそ、小学校低学年から読める本書で早い時期にラプンツェルからの問いに触れて心の準備をしてほしいと思ってしまうのが親心。
「自分の身をまもりながら、かしこく生きてちょうだい」
王妃さまがラプンツェルに告げたこの言葉は、すべてのパパママの願いそのもの。その言葉を受けたラプンツェルの「自分にとっての本当の幸せ」探しとなるあたらしい冒険には、未来をつくる子どもたちにとって大切な金言がたくさんちりばめられています。ディズニープリンセスが好きな子はもちろん、はじめての読書にもおすすめの一冊です。
本の続きが気になったら、テレビ東京系6局ネットにて毎週日曜あさ7時30分~放送中のアニメもチェックしてみてくださいね!

本の詳細はコチラ!


文:ステイシー・ドイチ 訳:杉田 七重

定価
本体700円(税別)
発売日
サイズ
新書判
ISBN
9784046320261

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