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子どものインスピレーションを高める全国の美術館10選

「芸術の秋」です! この機会に子どものために美術館デビューをさせてみてはいかがでしょうか? そこで、おすすめしたい全国の10か所の美術館をまとめてみました。

旅行も兼ねて訪れたい自然豊かな野外美術館をはじめ、有名作品を鑑賞できたり、親子でたくさんの刺激を受けそうな前衛芸術家の作品を見られる施設など、バラエティーに富んだ美術館を集めたので、お子さんの年齢や好きそうなものを考慮して訪れてみましょう。
なかには期間限定の子供向けプログラムや、ママ・パパがゆっくり鑑賞するための託児サービスを展開するファミリーに優しい施設もありますよ♪




大自然の中でアートに親しめる「彫刻の森美術館」(神奈川県・箱根町)

箱根の大自然を生かした国内初の野外美術館です。緑豊かな屋外展示場には、ロダンやムーア、ミロなど、近・現代を代表する彫刻家の名作約120点が常設展示されています。
21年には、休憩できるエリア「ポケっと。」がオープン。そこには子どもから大人までが体感しながら楽しめる、色彩にあふれた作品が展示されています。さらに、広い芝生面に設置された色どり豊かなソファでくつろぐことができますよ。
キッズたちに大人気なのは「ネットの森」です。木造ドームの中にある、カラフルな手編みのネットがいくつもつなぎ合わされた巨大なハンモックの作品に、足を踏み入れて遊びましょう!(ネットの中に入れるのは小学生以下)。
イベントでは24年3月31日(日)まで、「tupera tupera + 遠藤幹子 しつもんパーク in 彫刻の森美術館」を開催。これは、館内に設置された tupera tupera 著「しつもんブック 100」(青山出版)をベースにした100 の質問に答えながら美術館を巡る、参加型展覧会です。

  


箱根の山々が望める屋外展示場 画像提供:彫刻の森美術館


地形の高低差を生かした休憩場所「ポケっと。」 画像提供:彫刻の森美術館


色鮮やかな「ネットの森」で遊びましょう! 画像提供:彫刻の森美術館


屋外展示場にはユニークな目玉焼きのオブジェも 画像提供:彫刻の森美術館


施設情報
住所:神奈川県足柄下郡箱根町ニノ平1121/時間:9:00~17:00(最終入館16:30)/定休日:なし

公式サイト:https://www.hakone-oam.or.jp/




子ども向けプログラムが魅力の「草間彌生美術館」(東京都新宿区)
             

前衛芸術家・草間彌生(くさまやよい)の作品および関係資料を展示。常設展示はありませんが、草間作品を年2回の展覧会にて紹介しています。
さまざまな教育普及プログラムにも力を入れています。その一つが、親子で作品についてお話しながら草間作品の鑑賞を楽しむプログラム、「おやこで美術館」です(対象は未就学児とその家族)。美術館初体験というファミリーでも、スタッフがいろいろと質問したり、お話をしながら鑑賞のサポートをしてくれます。不定期開催なので、公式HPをチェックして事前に申し込みを。
また、美術館では子ども向けの鑑賞ツールとして、館内を歩き回りながら取り組める「美術館たんけんワークシート」や、草間彌生の活動・作品について詳しく知ることができる「こどもガイド」も配布しています。


草間彌生ポートレート Photo by Yusuke Miyazaki Ⓒ YAYOI KUSAMA


草間彌生『無限の彼方へかぼちゃは愛を叫んでゆく』(2017) ©YAYOI KUSAMA ※作品は展示内容によって毎回異なります


施設情報
住所:東京都新宿区弁天町107/時間:11:00~17:30(最終入館16:30)※日時指定の事前予約制(窓口販売はございません)
定休日:月曜~水曜(祝日の場合は営業)、年末年始、展示替え・メンテナンス休館あり
公式サイト:https://yayoikusamamuseum.jp/




宮沢賢治作品が充実!「絵本美術館&コテージ 森のおうち」(長野県安曇野市)
          

安曇野(あずみの)・有明山の裾野に広がる森の中に、ひっそりとたたずむ「森のおうち」。展示室に並ぶ原画を見ると、絵本が誕生するまでのストーリーや画家がその世界に込めた思いなども伝わってきて、絵本の内容をより深く読むことができるはず。
24年1月22日(月)まで開催の企画展「森からきこえる 宮沢賢治 絵本原画展」では、宮沢賢治の童話の中から「森から聞こえる」をテーマにした、美しい調べが聞こえてくるような各絵本作品のすべての原画を展示。また、美術館に併設する宿泊用コテージで過ごす際には、図書室から絵本や児童書を何冊でもお部屋に持ち込んでOK。毎月第3金曜10:00~12:00オープンの「子育て絵本サロン」もぜひご利用ください。


施設は木造の建物。扉を開けると、まるでおとぎの国のよう


展示室。絵本の原画や絵画など年5~6回企画を変えて展示


施設情報
住所:長野県安曇野市穂高有明2215-9/時間:9:30~17:00、12月~2月は~16:30(最終入館各30分前)※変更の場合あり(公式HPでご確認ください)
定休日:木曜、2月は水曜・木曜(祝日の場合は翌日※GWとお盆は営業)、1月上旬は連続休館あり、展示替え休館あり
公式サイト:http://www.morinoouchi.com/




数々の名作を体感!「三鷹の森ジブリ美術館」(東京都三鷹市)

スタジオジブリの宮﨑駿監督が考えた美術館は、建物そのものが一本の映画のように作られています。決められた順路はないので、自分が主人公になったつもりで、あちこちで不思議なものを探してみてください。
映像展示室「土星座」では、オリジナル短編アニメーションの上映を行っており、小さなお子さんでも楽しめます。「ネコバスルーム」は、小学生以下限定のお部屋。映画に出てくるネコバスのフワフワ感を、思う存分楽しんで。
23年11 月1 8 日(土)~24年5月(予定)には、新企画展示「君たちはどう生きるか」展を開催。最新映画『君たちはどう生きるか』の制作過程において描かれた絵が展示され、紙と鉛筆から始まる手描きの豊かさと、描くことの力そのものを感じ取れます。


井の頭公園の西園の一角にあるカラフルな美術館 © Museo d'Arte Ghibli


「ネコバスルーム」にキッズたちは大喜び! © Museo d'Arte Ghibli


施設情報
住所:東京都三鷹市下連雀1-1-83/時間:10:00~18:00(最終入館16:00)※チケットは日時指定の事前予約制(窓口販売はございません)/定休日:火曜ほか
公式サイト:https://www.ghibli-museum.jp/




有名な作品に出合える「国立西洋美術館」(東京都台東区)

上野公園内に位置する西洋美術専門の美術館です。主に中世から20世紀にかけての西洋の絵画、彫刻、版画などが所蔵され、モネの≪睡蓮≫やロダンの≪考える人≫といった教科書などで目にするような貴重な作品を鑑賞できます。また、建造物はル・コルビュジエの17の建築資産の一つとして世界遺産に登録。22年4月の前庭リニューアルによって、本館開館当時の姿を体感できるようにもなりました。
24年1月28日(日)まで開催される企画展、「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展ー美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」(有料)へ入場される小中学生を対象に、鑑賞ガイド冊子「ジュニア・パスポート」を配布。展示を楽しむ際に役立ちますよ。


ピカソやルノワールなどの作品も並ぶ「国立西洋美術館」 © 国立西洋美術館
※転載不可


クロード・モネ ≪睡蓮≫ 国立西洋美術館 松方コレクション
※転載不可


施設情報
住所:東京都台東区上野公園7-7/時間:9:30~17:30、金曜・土曜は~20:00(最終入館各30分前)/定休日:月曜(祝日・振替休日の場合は翌平日)、年末年始※臨時開館・閉館の場合あり(公式HPでご確認ください)
公式サイト:https://www.nmwa.go.jp/




子どもと家族に優しい「東京国立近代美術館」(東京都千代田区)

会期ごとに約200点を展示する国内最大級の所蔵作品展、「MOMAT(モマット)コレクション」は必見。19世紀末から今日に至る日本の近・現代美術の流れをたどることができる国内随一の展示です。加えて、さまざまな年齢の子どもが作品鑑賞に親しめるよう、対象年齢の異なる教材を無料配布。「MOMATコレクション セルフガイドプチ」と「みつけてビンゴ!」は、未就学児が大人と一緒に使用して美術館を楽しむためのツールです。小中学生向けの「MOMATコレクション こどもセルフガイド」もあります。未就学児と家族向けの「おやこでトーク」や小学生向けの「こども美術館」といった、要事前申し込みのプログラムも充実!


「MOMATコレクション」彫刻作品・高村光太郎《手》1918年頃 東京国立近代美術館蔵


施設情報
住所:千代田区北の丸公園3-1/時間:10:00~17:00、金曜・土曜は~20:00(最終入館各30分前)/定休日:月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始、展示替え休館あり
公式サイト:https://www.momat.go.jp/




奇才のアトリエ兼住居「岡本太郎記念館」(東京都港区)
             

『太陽の塔』などの名作を生みだした芸術家、岡本太郎のアトリエ兼住居を記念館として公開。「太郎のアトリエ」にはテーブルの上の道具、床に飛び散った絵の具、棚に押し込まれた描きかけの作品など、すべて当時のまま残されています。岡本太郎がデザインした時計やイス、カップなどがところ狭しと並ぶ「サロン」も見どころです。なかには太郎本人を型取りし、制作された等身大のマネキンも。庭にもさまざまな作品が展示されているので見逃せません。


岡本太郎本人のマネキンなどが並ぶ「サロン」


施設情報
住所:東京都港区南青山6-1-19/時間:10:00~18:00(最終入館17:30)
定休日:火曜、年末年始
公式サイト:https://taro-okamoto.or.jp/




キッズスタジオがある「金沢21世紀美術館」(石川県金沢市)

まずは美術館を囲む芝生に設置された、12 個のラッパ状に開いた筒(管)に注目を。地中を通る管が2 個ずつペアでつながっており、伝声管の役割を果たしています。ペアは必ずしも隣同士のラッパではなく、思わぬところへ声が伝わるので試してみましょう。館内の「キッズスタジオ」は、親子や子ども同士で気軽に立ち寄って、表現を楽しむための空間です。子どもが主体となって作品を制作したり、展覧会や季節に合わせたテーマで芸術体験をするワークショップ・プログラムが開催されます。キッズスタジオ横には託児室(有料、事前予約制)を設置。


「キッズスタジオ」でのワークショップの様子 画像提供:金沢21世紀美術館


施設情報
住所:石川県金沢市広坂1-2-1/時間:展覧会ゾーン10:00~18:00(金曜・土曜は~20:00)、
交流ゾーン9:00~22:00/定休日:展覧会ゾーンは月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始、
交流ゾーンは年末年始 ※各施設の休室日は展覧会ゾーンに準ずる

公式サイト:https://www.kanazawa21.jp/




体験する、学べる!「国立新美術館」(東京都港区)

国内最大級の展示スペースを生かした多彩な展覧会の開催や、美術に関する教育普及プログラムの実施に取り組んでいます。子どもに好評なのは、現代美術・ファッション・デザインなどさまざまな分野から講師を招き、幅広い視点からアートについて考えて学び、体験できる「アーティスト・ワークショップ」です。夏休みや大型連休など不定期開催で、館内のパブリックエリアに誰もが気軽に制作を楽しめるワークショップも実施(それぞれ要事前申し込み)。また、原則毎月第2木曜・第3日曜、および第4月曜には、事前予約制の託児サービス(有料)を行っています。


過去に開かれた「アーティスト・ワークショップ」 ©国立新美術館 ©The National Art Center, Tokyo


施設情報
住所:東京都港区六本木7-22-2/時間:10:00~18:00、会期中の金曜・土曜は~20:00(最終入館各30分前)
定休日:火曜(祝日・振替休日の場合は翌平日)、年末年始
公式サイト:https://www.nact.jp/




「岡田美術館」(神奈川県・箱根町)で動物を探せ!?

展示作品で目を引くのは、縦12m・横30mの巨大な風神・雷神の大壁画「風・刻(かぜ・とき)」です。さらに、その大壁画を楽しみながら利用できる、100%源泉かけ流しの「足湯カフェ」が併設されています。展示室のタッチパネルと作品解説には、英語や中国語、韓国語のほかに「こども語」を用意。わかりやすく楽しんでもらえるように作成された解説文は、ユーモアたっぷりです! また館内には、動物をモチーフにした焼き物や絵画がたくさん展示されています。ラクダ、馬、龍など、実在する動物や空想上の生き物を、親子で探しながら鑑賞してみてはいかが?


動物作品をいくつ見つけられるかな?


施設情報
住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷493-1/時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
定休日:12月31日・1月1日、展示替え休館あり
公式サイト:https://www.okada-museum.com/



想像力、発想の豊かさを育むアート鑑賞

どれも大人も楽しめる場所なので、ママ・パパも子どもと一緒に行ってみたくなったのでは? 「うちの子はまだ小さいし、アート鑑賞は早すぎるかな…」と不安な親御さんもいるかもしれません。けれども、芸術にふれるのに“早すぎる”はないと思います。小さなお子さんでも何かしらの刺激を受けて、想像力や発想の豊かさにつながるはずです!

ライター:小林智明




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