11月27日は「ノーベル賞制定記念日」です。1901年11月27日に第1回ノーベル賞の授賞式が開催され、それを記念して定められています。全世界の人々にとって最高の名誉と言われる「ノーベル賞」は、国籍や肌の色、また性別や年齢なども一切関係なく、人々に対し、大きな貢献をしたものにおくられる賞です。
この賞を発案したのは、350を超える特許を取得した発明家、アルフレッド・ノーベルです。
『まんが人物伝ノーベル 賞にたくした平和と未来』P.1より
ダイナマイトを発明したアルフレッドは「死の商人」とも呼ばれてしまいます。賞設立のきっかけにもなったアルフレッドは一体どんな生涯だったのでしょうか。
アルフレッドは1833年、スウェーデンで生まれます。父・イマニュエルは事業を起こそうとして失敗してしまい、借金を返すため単身でロシアに働きに出ます。そのためノーベル一家の家計は苦しかったと言われています。
『まんが人物伝ノーベル 賞にたくした平和と未来』P.9-10より
アルフレッドが9歳のころ、父の事業がうまくいき、家族ともロシアに移り住みます。
『まんが人物伝ノーベル 賞にたくした平和と未来』P.20-22より
「勉強を続けた者だけがあのエネルギーを生み出せる」…父からの言葉を受けたアルフレッドは家庭教師の手ほどきを受けて、才能をぐんぐん伸ばしていきます。
父の工場や実験の手伝いを始め、22歳になったアルフレッドのもとに懐かしい人物が訪れます。
『まんが人物伝ノーベル 賞にたくした平和と未来』P.41-42より
これまでの火薬とは比べ物にならない爆発力を持つニトログリセリンに出会います。しかし、ちょっとした刺激で爆発するので、ジーニン先生はうまく扱えるようにする研究をアルフレッドに委ねます。
家族の力を借りて、新しい爆薬の研究を続けたアルフレッド。
『まんが人物伝ノーベル 賞にたくした平和と未来』P.56、61より
石炭の採掘やトンネルを掘るのには大きな力が必要で、数倍の爆発力を持つ「ノーベル式油状火薬」は世界各地から注文が殺到するようになりました。
しかし、1864年9月に工場で爆発事故が起きてしまいます。この事故で従業員などのほかに、弟のエミールも亡くしてしまいます。ちょっとした刺激で爆発するニトログリセリン…アルフレッドは安全な爆薬の研究を続けました。そして、ついに…
『まんが人物伝ノーベル 賞にたくした平和と未来』P.84より
ダイナマイトは世界中の工事現場や採掘場で必需品となり、文明の発展を加速させていきました。しかし…
『まんが人物伝ノーベル 賞にたくした平和と未来』P.87より
1870年に起きた普仏戦争でダイナマイトが兵器として使われました。ダイナマイトは世界中で飛ぶように売れ、アルフレッドは世界的な実業家として名をはせ、億万長者になります。
1888年に兄のルードヴィが亡くなります。新聞社は兄の死をアルフレッドと勘違いし、「死の商人 アルフレッド・ノーベル死す」と見出しを打ちました。産業発展のための発明品が、戦争の道具にもなることでアルフレッドは「死の商人」と呼ばれたことに落胆します。
1895年、アルフレッドは体調を崩してしまい、1人でペンを取ります。
『まんが人物伝ノーベル 賞にたくした平和と未来』P.137-138より
アルフレッドは学者や発明家、作家たちの情熱や熱意は人の無理解に簡単につぶされてしまう場合があるため、正当な評価を得られる場を設けたいと、秘書として雇ったラグナル・ソールマンらに遺書を託します。
そして1896年12月10日、アルフレッド・ノーベルは63歳でこの世を去りました。現在のノーベル賞授賞式は、アルフレッドの命日である12月10日に開催されています。
角川まんが学習シリーズ『まんが人物伝 ノーベル 賞にたくした平和と未来』では、アルフレッド・ノーベルの生涯を描いているほか、「ノーベルのひみつ」や「支えた人ランキング」など、アルフレッド・ノーベルについてさまざまなことが分かるからぜひ読んでみよう。