第1回　『翼の翼』ためし読み

朝比奈あすか氏による小説『翼の翼』は、中学受験をめぐる家族の葛藤と希望をリアルに描いた話題作。
その衝撃的な物語が、ついにコミック化されました。

小学2年生の息子・翼に軽い気持ちで受けさせた全国一斉模試。
その“思いがけない結果”をきっかけに、母・円佳は息子を塾に通わせることを決めます。
――しかし、それは“中学受験という沼”の入口にすぎませんでした。

「子どもの才能を伸ばしたい」「もっと自由に羽ばたかせたい」
親なら誰しも抱く願いと、現実とのギャップ。
子の成績にあわせて揺れる心、家族内の不和、息が詰まる日々の中で感じる我が子への愛情――。

コミックスでは、円佳たちの決断や揺れ動く感情を丁寧に描きます。
家族が抱えた痛みと希望の物語の一部をご紹介いたします。

※本連載では、コミックス『翼の翼』から一部抜粋して構成された記事です

第2回につづく

中学受験は、必ずしもすべての家庭に必要な選択ではありません。
しかし「子どもにどんなことにも困らない力を持たせたい」という想いは、すべての親に共通するものではないでしょうか。

『翼の翼』で描かれるのは、特別な“受験物語”ではなく、どこにでもいる家族が、悩み、衝突しながらも「わが子のために」選ぶ日々の軌跡です。

今まさに中学受験に悩んでいる方や、これから臨もうとしている方にとってこのコミックスが家族の在り方、中学受験との向き合い方の道しるべの１つとなれればと思います。

【書籍情報】