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祝! 第2位『わすれていいから』第17回MOE絵本屋さん大賞2024  贈賞式レポート


1月30日、第17回MOE絵本屋さん大賞2024の贈賞式が盛大に執り行われました。

全国の書店員3,000人が「今年もっともおすすめしたい絵本」を選ぶMOE絵本屋さん大賞は、絵本業界の注目を集める一大イベント。受賞者や出版関係者、書店員などたくさんの出席者で大盛況でした。


受賞者に贈られるクリスタル盾


入り口には受賞作品が勢揃い。絵本屋さん大賞10作品のほか、新人賞5作品、ファーストブック賞5作品が展示されていました。


第2位を受賞した『わすれていいから』


 

大賞『大ピンチずかん2』(鈴木のりたけ/小学館)に続き第2位に輝いたのは、大森裕子さんの『わすれていいから』(KADOKAWA)。繊細なタッチの絵と、心に染み入るような物語が、多くの書店員の心をつかみました。


白泉社の高木靖文代表取締役社長より、クリスタル盾が贈呈されました。


優しい気持ちを表現したかった

『わすれていいから』は、猫の目線を通して、子どもの成長と巣立ちを応援する絵本です。
著者である大森裕子さんは、この絵本はご自身の体験から生まれた、とスピーチでふれました。



大森裕子さん。贈賞式後の懇親会では挨拶にくる人が後を絶たず、楽しそうにおしゃべりされていました。たくさんの人に「感動しました」「泣きました」と声をかけられたそう。


本のモデルは、わが家の15歳になる猫のトムと、小さい頃から猫と暮らしてきたふたりの息子です。

次男は猫のような子です。
わが家には猫が4匹いるのですが、その猫同士がけんかをしていると
猫のように姿勢を低くしてその仲裁に入ったり、猫と猫語で会話をしたりしています。

また長男は小学校のころ、
学校から暗い顔をして帰ってきたことがありました。私は声をかけましたが、長男は何も答えません。
ソファーにすわって泣いていたので、私は少し離れたキッチンから様子を見守っていました。
すると猫が隣に座って、長男の涙をペロッとなめたのです。そんな風に猫と共に暮らしてきました。

その長男が進学して家を出て行くことになったのがきっかけで生まれたのが『わすれていいから』です。
物理的に離れていても、いつもそばにいてくれるような存在ってきっとあると思います。
愛しいと思う気持ちや、本当に相手の幸せを願う優しい気持ち描きたくてこの絵本を作りました。長く愛される1冊になればと願っています。



『わすれていいから』は本賞のほか、
第5回TSUTAYAえほん大賞第4位
第15回リブロ絵本大賞入賞
キノベス!キッズ2025 第3位
を受賞。子どもを送り出す立場の親だけでなく、親から巣立った「子どもだった」の立場の方々へも感動の輪を広げています。また、卒業や就職など、新たな門出を迎える人への贈り物としても最適です。
この機会にぜひ手に取ってみてください。大切な人に会いたくなる絵本です。


受賞者のみなさま、おめでとうございました!


撮影:松本順子

書籍情報


著者: 大森 裕子

定価
1,650円(本体1,500円+税)
発売日
サイズ
A4変形判
ISBN
9784041134443

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