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長期休み、ゲームや動画視聴はどうする?? シチュエーション別のアドバイスですっきり!  子どもとデジタルメディアの上手な付き合い方

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2学期が終わり、いよいよ年末年始の長期休暇が始まります!  親としては、家族団らんの時間を楽しみにしつつも、気になるのが子どものゲーム時間や動画視聴の時間ではないでしょうか。「生活リズムが崩れるのでは...」「友達とのトラブルに巻き込まれたら...」と、モヤモヤ、イライラが募ることも多いかもしれません。

そんな悩める親御さんにおすすめしたいのが、コミックエッセイ『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!?  もしかしてデジタル依存!? と思ったら』(アベナオミ 著、森山沙耶 監修/KADOKAWA)。

長期休みの「お悩みあるある」を本書からシチュエーション別にご紹介。手遅れになる前に、メディアとの上手な付き合い方を学んでみませんか?



● シチュエーション1:
クリスマスプレゼントにゲームソフトを買ってあげたけど、やりすぎないか心配…。

せっかくのプレゼントなので、思う存分楽しませてあげたい。でも、時間を決めないとずっとやってしまうのでは...と心配になりますよね。

【本書のアドバイス】
子どもがゲームに夢中になるのは、脳の「報酬系」が刺激されるから。特に子どもの脳は、理性をつかさどる前頭前野が未熟なため、「〜したい」という欲求を抑えるのが難しいのです。ゲームを頭ごなしに禁止したり、取り上げたりするのは逆効果。親子で納得できるルールを決めることが大切です。
まずは、アベ家の長男のように「どうしてもやりたい!」とゲームに夢中になったときの親子のやり取りを見てみましょう。

【第3章 第1話より】
「夜9時におしまい」というルールを破ってまで、朝早くからゲームを始めてしまった長男と長女。親は怒りますが、長男からは「夜がダメなら朝ゲームするしかないじゃん!!」という反論が。なぜ9時までなのか、その理由を子どもに理解させることが重要です。



 

● シチュエーション2:
宿題をしないでゲームばっかり。計画的に進めてほしいけど…

長期休みの宿題はたまりがち。ゲームの誘惑に勝てず、宿題を後回しにする子どもの姿にイライラしてしまう親も多いでしょう。


【本書のアドバイス】
東北大学の川島隆太教授の研究によると、スマートフォンの利用時間が長くなるほど成績が下がっていくという調査結果が出たそう(本書P116)。子どもに「勉強してほしい」と望むなら、「先に勉強してからならOK」「隔日ならOK」など、親子でルールを決めるのが効果的です。
「なぜ1時間までなの?」と子どもに聞かれたとき、親が理由や根拠をきちんと説明できることが、子どもを納得させるために必要です。

【第3章 第2話より】
なぜ「夜9時まで」なのかを子どもに問われたアベさん。森山先生は、子どもの「大きくなりたい」という欲求と、「9時間睡眠のためには10時に寝る必要がある」という科学的根拠(成長ホルモン)を結びつけて説明。納得した子どもは「じゃあゲーム9時までに終わりにしないと間に合わないじゃん!!」と自ら気づきます。






● シチュエーション3:
動画の影響や、ゲームに感情的になって言葉遣いが悪くなるのが気になります。

特にゲーム実況やショート動画は、刺激的な言葉やスラングが使われていることもありますし、ゲームに熱中するあまり「キレて」暴言をはく子どもの姿にびっくりしてしまうことがあります。


【本書のアドバイス】
子どもは、好きな動画配信者の使う言葉を真似したり、かっこいいと憧れて使ったりすることがよくあります。言葉遣いが悪い配信者や、年齢に合わない内容の動画があふれているため、親が必ずチェックすることが大切です。
また子どもが暴言を吐いたり、逆ギレしたりしてしまった場合は、感情的になっている最中に注意せず、「冷静になるまで待つ」ことが声かけの最初のポイントです。

【第2章 第2話より】
娘が動画を通じて「パパ活」という言葉を覚えてしまい、焦るアベさん。また、ママ友の息子はゲーム中に暴言を吐き、親が注意すると逆ギレするという悪循環に。森山先生は、暴言は「暴力」であり、好ましくない言葉に気づかせることが親の役目だと伝えます。






● シチュエーション4:
長期休み中はスマホを触ってばかり。SNSでのトラブルやゲーム課金などをどう防げばいいのか心配…

SNSやオンラインゲームは友達との大切なコミュニケーションツールですが、トラブルや高額課金のニュースも多く聞かれます。

【本書のアドバイス】
未成年者のオンラインゲームへの課金トラブルは、消費生活相談で多く報告されています。子どもは「欲しい!」という欲求のためにあの手この手を使うので、親がクレジットカードや財布をしっかりと管理し、安易にパスワードを教えないことが重要です。
また、親がゲームやスマホにむやみに否定的だと、それに納得していない子どもは隠れて遊んだり、嘘をついたりしがちです。日頃からオープンなコミュニケーションを心がけ、「やめようと思っても見ちゃう」「友達とトラブルになって困ってる」など、子どもが悩みを打ち明けやすい関係を築きましょう。

【第2章 第3話、第4話より】
ママ友から、10万円の高額課金を子どもの不正利用で請求されたという恐ろしい話を聞くアベさん。そもそも、現金を使わない親の姿を見て、子どもはクレジットカードに対する抵抗感が薄く「モノが無限に買えるカード」だと思い込んでいる可能性も。森山先生は、ゲームの課金は「親の責任」だとキッパリ。





● シチュエーション5:
そもそも、ゲームや動画ばっかりしていると頭が悪くならないか心配

「ゲームばかりしてると頭が悪くなる」という言葉は、親世代が子どもの頃に言われたお馴染みのセリフです。科学的な根拠はどうなっているのでしょうか。

【本書のアドバイス】
デジタルメディアと脳の発達の関係はまだ研究段階ですが、インターネットの使用時間が多いほど、脳の成長(前頭前野の灰白質の量)が妨げられるという研究結果があります。
ただしそれは「依存症」の場合です。依存症とは、勉強や人間関係などほかの生活上の関心事よりもゲームや動画視聴を優先し、日常生活に著しい障害を引き起こしている状態。つまり「心や体の健康状態が著しく悪い」状態を指します。

【試し読み:第1章 第4話より】
eスポーツ選手は、目標達成のために日々トレーニングや研究をするプロアスリートであり、心身共に健康なので依存症ではないと森山先生は解説。一方で、ネット動画やゲームは脳の報酬系を一時的に強く刺激するものであり、薬物やアルコールと同じように依存の原因になりうるものだと説明します。





長期休暇は、普段は忙しい親子のコミュニケーションを深めるチャンスでもあります。子どもを頭ごなしに否定するのではなく、この本をきっかけに、親子で「デジタルメディアとの付き合い方」を話し合ってみるのはいかがでしょうか。

● 試し読みたっぷり! もっと知りたい方はこちらも!

レタスクラブWEB『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!?』





プロフィール

著者:アベナオミ
1985年生まれ。宮城県出身、在住のイラストレーター。日本デザイナー芸術学院仙台校を卒業後、地元情報誌のデザイナーを経てイラストレーターに。長男が1歳のときに東日本大震災を経験し、防災に関するイラストとコミックがライフワークの一つ。2016年12月には防災士の資格を取得した。エッセイマンガ、イラストなど著作多数。2男1女の母。


監修:森山沙耶
ネット・ゲーム依存予防回復支援サービスMIRA-i(ミライ)所長。公認心理師、臨床心理士、社会福祉士。2児の母。2012年、東京学芸大学大学院教育学研究科修了。家庭裁判所調査官を経て、病院・福祉施設にて臨床心理士として勤務。2019年、MIRA-i(ミライ)を立ち上げる。ネット・ゲーム依存の大人から子どもまでの当事者、その家族に対するカウンセリングと、予防啓発のための講演、執筆活動を行う。「インターネットと健康的に付き合う」ことを目指して心理臨床と研究に励む。


 

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