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子育て・教育

絵本専門店でパネル展を開催(3/21~) 元保育士の店主が語る、子どもと楽しく読むヒント

【『とりがいるよ』イベント情報】
■パネル展:「目白のえほんや にこにこ書店」で開催(3/21~4/16)
オンライントークイベント:3/30(木)20:30~(予約不要。無料。YouTube生配信)
「ことばを温めて贈る」風木一人✕たかしまてつを✕岩田亜紀(目白のえほんや にこにこ書店)

 



こんにちは。「目白のえほんや にこにこ書店」店主の岩田亜紀です。にこにこ書店は2019年にオープンした小さな絵本専門店。赤ちゃんからシニアの方まで、さまざまなシーンで楽しめる絵本を選びにお越しくださっています。絵本選びのお手伝いもしているため、ご出産やお誕生日などの贈り物選びのお客様も多く、贈って嬉しい、もらって嬉しいハッピーな絵本をセレクトして取り揃えています。

今回ご紹介する「とりがいるよ」シリーズの3作『とりがいるよ』『たまごがあるよ』『いっしょにするよ』は、にこにこ書店でも人気の絵本です。すっきりしたオシャレな見た目とキュートなとりたちの表情に気分も上がり、子育て中のママさんパパさんたちも自然と手に取る機会が増えるそう。1冊読むと、他の絵本も気になり読んでみたくなるというのもこのシリーズの特徴です。というのも、3冊それぞれを違う楽しみ方で遊ぶことができるからです。
(3冊がセットになったギフトボックスもあります。特別感があってとても華やかです)




前職は保育士だったわたしは、ご縁あって近隣の保育園さんに毎月お話し会に呼んでいただいたりもしています。そんな読み聞かせのエピソードも交えながら、それぞれの楽しさをご紹介しますね。

 



まずは「かず・いろ・大きさにふれる」というコンセプトの絵本『とりがいるよ』を0~2歳児さんに読んだある日のお話し会の様子から。

私:「とりがいるよ」と、シンプルな言葉をごくシンプルにゆっくり話しかける。
園児さん:「え、そうなの?」と、まだ他のことに興味が向いていた子も手を止めチラッとこちらを見る。
私:「いっぱい とりがいるよ」と絵を見せながらまたゆっくり読む。
園児さん:「あ、ほんとだ」の顔になる。
私:「あかい とりが いるよ」と、ページをめくりまた読む。
園児さん:「え、どこどこ?あかいとり~」といった表情で絵本に近づいてくる。

と、ここまでくれば、もう子どもは絵本の中で遊びはじめます。思い思いに鳥を見つけ、絵本の文章にはない絵も見つけながら自由に楽しむので、子どもが取った行動を反復して真似てあげるだけで心が通います。「うん、いるね」「いたね」「そうだね」と、その言葉だけで大丈夫。あとは絵本に任せて、子どもに任せて、今しかない表情をそばでたくさん眺めてうれしい時間を積み重ねれば、この絵本は完成です!



 



『たまごがあるよ』は、究極のコミュニケーション絵本です。絵本に描かれたたまごをとんとんっと叩いたり、そおっと そおっとなでたり。そうして大事にしたたまごから、小さなとりが生まれる様子は何とも愛らしくて感動的! わぁっと心が動くうれしさを一緒に分かち合えます。
いつも周りの人に大切にしてもらっている自分が、誰かと一緒に絵本を楽しむことで今度は誰かを想うやさしさを知っていくことにもなるでしょう。また、「そおっと」という言葉と行動が結びつき、物を大切にする気持ちへとつながるかもしれません。




「絵本ってどう読めばいいの?」「楽しい読み方ってあるの?」と、子どもに絵本を読むときについ立ち止まってしまうおうちの方や、小さい子向けのお話し会をされる方にもおすすめしたい1冊でもあります。ほんとうにそのまま読むだけで「ああ、楽しんでくれているなあ」と実感できるんですよ。ぜひ一度試してほしいなと思います!

 



そしてこの時期にぜひ楽しんでいただきたいのが『いっしょにするよ』。連載中の保育士さん向け月刊誌にも掲載してもらったほど、個人的にも大好きな1冊です。
オノマトペのリズムが心地よく、誰かと「いっしょ」のよろこびがつまっています。
入園入学シーズンに新しい毎日を応援する、保育園児さんでも楽しめるものをずっと探していたので、出会えた時は「見つけた!」という感じでした。

この絵本に登場するのは、自分と同じくらい小さなとりたちと一羽の大きなとり。ひとつの家族のお話しとしても楽しめますが、子どもの集団での生活に見立てて楽しむこともできます。
いっしょに とことこ おさんぽしたり、ぱしゃぱしゃ泥だらけになって遊んだり、夏にはじゃっぼーんと水遊び。毎日いっしょに ごっくんとごはんを食べて、先生のそばですやすやお昼寝をして……
それは子どもたちの一日であり、一年であり、誰かと一緒の生活そのもの。これからたくさんのことを“いっしょに”するお友だちや先生、はじめて出会ってゆく新しい世界も「きっとすごく楽しいよ」と子どもに伝えてあげることもできるでしょう。




子どもの発見や一緒に同じものを見る時間を生み出し、愛しい時間を作り出す。子ども自身が自分で楽しみを見つけ、一緒に誰かと楽しみ、まわりの人の温かさに触れていく。
――まさにわたしたち大人(親)の願いと、絵本が持つ楽しみがここにあると思えます。そのうえ、絵本で子どもの今を見ながら成長を楽しんでいくことができるなんて!
この小さな絵本たちがもたらす喜びとハッピーな時間を、ぜひ体験していただけたら嬉しいです。


【レビュアープロフィール】



岩田亜紀
目白にある絵本専門店「目白のえほんや にこにこ書店」店主。保育士としての経験にもとづいた選書に定評がある。現在も保育園での読み聞かせを定期的に実施。読んだ本に対する子どもたちの反応は、連載中の保育雑誌で紹介する絵本選びにも生かされている。
目白のえほんや にこにこ書店:www.nikoniko-books.com/


【書籍情報】


作: 風木 一人 絵: たかしま てつを

定価
990円(本体900円+税)
発売日
サイズ
その他
ISBN
9784041045015

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作: 風木 一人 絵: たかしま てつを

定価
990円(本体900円+税)
発売日
サイズ
その他
ISBN
9784041063187

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作: 風木 一人 絵: たかしま てつを

定価
1,100円(本体1,000円+税)
発売日
サイズ
その他
ISBN
9784041070307

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作: 風木 一人 絵: たかしま てつを

定価
3,080円(本体2,800円+税)
発売日
サイズ
その他
ISBN
9784041077061

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