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さかな芸人ハットリさんに特別取材!! どんな味がするかまったく想像がつかない「コオリウオ」!? 料理してみたい食べてみたい世界の魚たち

いま各SNSで安定的にバズり続け、お魚好き大注目の水産系芸人として人気を博している、さかな芸人ハットリさん。実は幼い頃から生粋のお魚好き。お魚を愛する強い気持ちが芸につながり、活きの良さが光る活躍を続けています。お魚愛の原点から現在のお魚との日々について、たくさん教えてもらいました!


ヤマメを釣り笑顔がこぼれる、小学校4年生のハットリ少年


――お魚に興味を持ったのは小学校低学年ごろと聞きました
 小学校低学年の頃に父親に初めて渓流釣りに連れていってもらって、最初に夢中になったのがアマゴという魚でした。体の側面に綺麗な赤い点々があるお魚です。それがきっかけですが当時は海の魚に詳しいというわけではなくて。カブトムシと恐竜と渓流魚が好きで、とにかく自然や生きものが大好きな子どもでした。
 生まれは神奈川ですが小中高を福岡で過ごしました。山梨に祖父母がいたので、普段から自然に囲まれていて、たぶんそこが自分のルーツになる場所ですね。
 福岡ではダムの横の坂道を自転車で一生懸命駆け上がって渓流に通いました。途中でバイクのツーリングをしているお兄さんに「頑張れよ~」とか言われながら追い抜かれていく感じです(笑)。そこではヤマメを釣っていましたね。


さかな芸人ハットリさんが小学生時代に夢中になった書籍『淡水魚カタログ 川や湖、沼で出会える魚たち190種』(1995年、永岡書店)。
美しく貴重な生態写真が多数収録された一冊


――家にお魚の本や図鑑がありましたか?
 図鑑好きでしたね~。家にもいっぱいありました。学研さんの図鑑が揃っていたと思います。そこから「もっと濃いのが欲しい」と言って親に買い足してもらっていた記憶があります。
この頃『淡水魚カタログ』というヤマメが表紙になっている本をずっと読んでいました。
(インターネットで検索して)そうそうそうそう、これ! 懐かしいな~! 写真がきれいで本当によく読んでいました。ヤマメやアマゴは釣ってはいけない禁漁期があるんです。地域によって例外もあるんですが大体の場所では3月から9月しか釣ってはいけなくて、産卵期にあたる秋から冬は釣っちゃだめなんです。だからその時期特有の婚姻色がはっきり出た渓流魚を当時の僕が目にすることは無くて。この『淡水魚カタログ』のアマゴは婚姻色で真っ赤に染まっていて、「こんな色になるのか!」と感動して、その写真をずっと見ていた覚えがあります。
 釣りと同じくらい絵を描くのも好きでした。当時はお魚だけでなく恐竜や昆虫などさまざまな生きものの絵を描いていて。将来は生きもの博士になりたいと思っていました。

――それから「さかな芸人ハットリ」さんになるまで、どのような道のりでしたか?
 早稲田大学に入ってダイビングサークルとお笑いサークルに掛け持ちで入りました。海水魚のほうに興味が強くなったのはダイビングサークルに入ってからで、沖縄のほうのハゼとかスズメダイとかカラフルな魚に夢中になっていきましたね。
 大学時代から芸能事務所に所属してはいたのですが、途中でフリーになりました。千葉県の館山(たてやま)でさかなクンさんの講演会があった際に、飛び込みでネタをお見せしたことでさかなクンさんと交流が生まれました。それまでは「ピン芸人ハットリ」として魚以外のネタもしていたのですが、さかなクンさんへの強いリスペクトをきっかけに2014年ごろから「さかな芸人ハットリ」として活動しています。
 そこから自主的にさまざまなことにチャレンジするシリーズを始めました。たとえば「淡水魚20種類釣るまで終わらない」、「東京湾で100種類釣るまで終わらない」、「1か月間築地で路上ライブをして投げ銭の代わりにお魚を貰って生活する」とかですね。


初著書『日本一魚好きな芸人の魚図鑑 さかな芸人ハットリが日本一周して出会った魚たち』(2021年、KADOKAWA)好評発売中


 20代最後に、集大成として「300種類魚釣るまで終わらない」という自主企画で日本一周しました。クラウドファンディングで冊子(地域別に計6冊に分冊)も制作して。それが縁で「アメトーーク!」というTV番組に釣り大好き芸人として出演したり、制作した冊子が『日本一魚好きな芸人の魚図鑑』として書籍化されたりして、活動の幅がさらに広がっていきましたね。



――『角川の集める図鑑GET!魚』ご覧いただきありがとうございました!
 地域別が良いですよね。僕が日本一周した時も「北海道に行ったらこのお魚に会えるかな?」「沖縄に行ったらこのお魚に会えるかな?」と思っていたので、実際に行ってみたいという気持ちを掻き立てられるところが良いと思いました。
 日本は縦に長いので環境がぜんぜん違いますよね。ただ、日本一周してみて「お!」と思ったのは、それぞれに居るお魚は違うんですが「お魚のポジション」は同じだなと。

――お魚のポジションとは…
 びゅんびゅん泳ぎ回る小魚の群れがいて、それに群がるお魚がいて。海底でそれを待ち構えているお魚がいて。その構図自体は変わらなくて、それぞれのポジションに収まるお魚がいるというか。
 たとえば、北海道に行けばソイやアイナメというお魚が海底に潜んでバクッと襲いかかろうとするお魚ですね。小魚の群れとしてはチカがいる。本州に行くと、ソイにあたるお魚がカサゴ、チカにあたるお魚がイワシ。沖縄に行くと、カサゴにあたるお魚がミーバイになっていく(笑)。
 それとともに面白いなと思ったのが、人間のお魚への接し方も似てるなと。マダイを釣る船ってホウボウがよく釣れるんです。ホウボウは美味しいし見た目もきれいだし釣れると嬉しいお魚ではあるんですけど、やっぱり本命はマダイなのでホウボウばっかり釣れると「またホウボウか」という空気になってくるんですよね。そのポジションが沖縄に行くと、タマン(ハマフエフキ)というお魚になるんですよね。同じようにタマンを釣る船ではオジサンがよく釣れるんですが、オジサンも美味しいし嬉しいんですけど「あ~でもタマン釣れないかな~」みたいな空気になってくるんですよ(笑)。


深海生物を食べた記録も自費出版済み。味の評価がわかりやすく面白い


――2022年4月から「自分で捕獲した外来種で作った料理を毎日食べる生活」に挑戦中されていますが、料理してみたい食べてみたいお魚はいましたか?
 ラブカやリュウグウノツカイは食べたことがあるのですが、チョウチンアンコウは食べてみたいですね! あと、ピラルクーはさばいてみたいです。『たべまくり深海生物大全』にあるように深海生物を含めていろいろなお魚を食べたので、見れば大体どんな味か想像がつきます。ただ、『GET!魚』で見て、コオリウオなんかはどんな味か全然想像がつきませんでした! 血液が違うとどんな味なんだろうなと。すんでいる環境で味や肉質も変わるので。

――さかな芸人ハットリさん、ありがとうございました!!(編集部)

プロフィール】



さかな芸人ハットリ
1988年神奈川県横浜市生まれ。福岡県福岡市育ち。福岡大学付属大濠高等学校、早稲田大学教育学部卒業。幼少期より父親の影響で渓流釣りに親しみ、大学時代にスキューバダイビングに熱中。早稲田大学のお笑いサークル早稲田寄席演芸研究会に所属後、2010年より芸人として活動開始。2014年日本さかな検定(通称ととけん)1級に合格。2017年10月1日個人事務所「ハットリ水産」設立。潜水士や中学校教諭・高校教諭免許(国語科)を持つ異色の経歴もあり、現在までにTVやラジオ、ネット番組などさまざまなメディアに出演中。2021年には「300種類の魚を釣るまで、自分で釣って調理した魚以外、食べないチャレンジ!」の記録が『日本一魚好きな芸人の魚図鑑 さかな芸人ハットリが日本一周して出会った魚たち』(KADOKAWA)として発売し大きな話題を呼んだ。その後も「たべまくり深海生物大全 深海生物を200種類食べるまで魚介類以外食べないチャレンジの記録」を自費制作するなど、精力的に活動し独自の活躍を続けている。
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■お知らせ■

①さかな芸人ハットリさんからのお知らせ
2022年8月3日(水)夜7:57-20:42 NHK総合「ロコだけが知っている!」出演予定です!!
②編集部からのお知らせ
大好評発売中の学習図鑑『GET!魚』総監修・宮正樹先生のイベント開催決定!!
千葉県立中央博物館HPより申込スタート!
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