みなさん、周りのお子様へのクリスマスプレゼントは決めましたか? 子どもも喜んで、大人たちにとってもありがたい、そんなプレゼントが理想ですよね。受験指導の専門家であり、YouTubeチャンネルも大人気のにしむら先生から、おすすめのプレゼントとその理由を伺いました!
クリスマスが近づいて、お子さんやお孫さんにプレゼントの定番、図鑑を考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、クリスマスプレゼントに図鑑をおすすめする理由と、最新の図鑑である「角川の集める図鑑GET!」シリーズがこれまでの図鑑とどう異なるのか、特徴を紹介します。
プレゼントに図鑑をおすすめする理由とは?
もし、まだお子さんやお孫さんのクリスマスプレゼントを何にしようか決まっていなかったら、図鑑を検討してみてはいかがでしょうか。お勧めしたい理由を3つに分けてお話しします。
長く使われる
プレゼントに図鑑をおすすめする理由のひとつめは、長く使われることです。たとえば、おもちゃやゲームソフトなどのプレゼントは、もらったときは子どもは喜ぶものの、ひととおり遊ぶと飽きてしまいます。何か月も遊ばれることはないのではないでしょうか。
その点、図鑑は包みを開封したときのインパクトこそ欠けるものの、飽きて処分されることが少ないものです。何かをきっかけに思い出し、書棚から引っ張り出して調べたり、眺めたりするものだからです。少なくとも数年間は子どもの「資産」となるでしょう。
関心が広がる
図鑑をおすすめする理由のふたつめは、子どもの関心の広がりが期待できることです。図鑑にはさまざまな種類があり、年々さらに充実しています。お子さん、お孫さんの関心がありそうなジャンルがわかれば「もらったものの興味を示さない」という残念な結果を避けられます。それどころか、一冊の図鑑が関心が広がるきっかけになります。
たとえば、「動物」図鑑を読んで、ライオンやトラに興味を持ったら、つぎは「危険生物」という、強い攻撃手段を持つ生物を集めた図鑑に興味を示すかもしれません。さらなる強さに惹かれて「恐竜」図鑑を欲しがることもあるでしょう。幼い間にどれだけ関心を広げられるかが、将来進路の選択肢の幅に影響します。
受験に役立つ
おすすめの理由の3つめは、受験に役立つ点です。受験勉強では、学んだ内容が頭に残る子とそうでない子に差が出ます。その差は、すでに知っている知識の量、そして幼い頃からの思考習慣にあります。知らなかったことを理解するというのは、すでに知っていることと関連づける脳の働きによるものです。
たとえば、近年の入試頻出テーマである「SDGs(持続可能な開発目標)」を理解する際には、「生物多様性」を知る必要があり、そのためには「食物連鎖」を知る必要があります。「食物連鎖」を知るためには、昆虫が小動物が捕食し、その小動物を大型の動物が捕食するという動物界の知識が必要になります。さらに、このような入れ子のような動物界のしくみは、人体構造や宇宙のあり方にも通ずるといったように、思考の広がりにつながります。幼い頃から図鑑に親しんだ子は、将来の受験勉強において深く学ぶことができ、今後の伸びが期待できます。実際、難関と言われる学校に進学した子の家には、図鑑が揃っていることが多いです。
「図鑑GET!」シリーズのおすすめポイント
眺めているだけでおもしろいというエンターテイメント性に加え、幅広い知識と深い学びが得られる図鑑。そんな図鑑が昨今、再評価されて、多くの出版社からさまざまな図鑑が発行されています。そんななか、最新の「角川の集める図鑑GET!」シリーズを取り上げて特徴を紹介します。
とっつきやすい
まず「角川の集める図鑑GET!」シリーズは、とっつきやすいという特徴があります。どのジャンルの図鑑も冒頭に、少年少女キャラクターの調査チームと博士のかけ合いのマンガが挿入されています。このマンガによって、図鑑の読み方や着目点を自然と理解できます。
この少年少女や博士のキャラクターは、本編のほぼすべてのページに登場します。たとえばラクダのページでは「背中の2つのこぶは栄養となる脂肪がつまっているんだって」とか、アフリカゾウの写真の横では「ゾウ(の寿命)は人間と同じくらいだね!」などと話します。博士は、「この地域では……」など、ワンポイントの説明をしてくれるで、就学前のお子さんでも、ひとりで理解しながら読み進められるのです。
おもしろい
「角川の集める図鑑GET!」シリーズの最大の特徴は、おもしろいことです。いくら内容が充実している図鑑であっても、読まれなければ意味がありません。その点、本書は子どもが、いや大人でも読みたくなるような工夫がこらされています。その理由として、従来の図鑑が、生物学的な「分類別」であるのに対して、「生息地域別」であることが挙げられます。
生息地域別なので、たとえばキリンとクロサイとオグロヌーが見開きのページに掲載されています。これらの動物のうち、キリンとサイは知識にあっても、ヌーはよく知らないという子も多いでしょう。でも、アフリカの草原の動物としてヌーがキリンとクロサイを一緒に紹介されていることで、「こういう動物もいるんだ」と知ることができます。
もしヌーだけが独立して種類別に紹介されていたら、読み飛ばされてしまうかもしれません。でもヌーがキリンやクロサイと同じ地域に生きていることがひと目でわかれば、関連づけて頭に入るのです。
同じ地域に生きる動物たちを眺めると、そこに物語を感じることでしょう。そんな物語性を感じられるのが「GET!角川の集める図鑑」シリーズのおもしろさであり、生息地域別に編集された図鑑のメリットといえます。
ほかにもたとえば「危険生物」図鑑では「オオアナコンダ VS ジャガー」などの「地域別最強決定戦!」として迫力あるイラストの4コマで挿入されていたり、生物ごとに「危険度」が星の数で示されて、「危険ポイント」として「毒牙」「つめ」「歯」などが表示されています。このようなゲーム感覚は、子どもの好奇心がくすぐられるのではないでしょうか。
また、「動物」図鑑では、「寿命の長〜い動物 寿命の短い動物」「動物の睡眠時間くらべ」などのトピックが紹介されています。ホッキョククジラが150〜200年も生きること、コアラやナマケモノが1日20時間くらいも寝るのに対してキリンは1回数分〜20分くらいの短い眠りをくり返すこと、イルカは左右の脳を交互に休ませていることなど、誰かについ話したくなるような雑学が多く紹介されているのも特徴です。
図鑑は、小学3年生くらいになると卒業して読まれなくなってしまうことが多いものです。それに対して「角川の集める図鑑GET!」シリーズは、むしろ小学校高学年になってからさらにおもしさが増すように思えます。
最新情報にアップデート
「角川の集める図鑑GET!」シリーズは最新の図鑑だけあって、最新情報にアップデートされているのもおすすめのポイントです。各分野で新たに判明した研究結果が図鑑に反映されているのです。 たとえば、「恐竜」図鑑では、ティラノサウルスには羽毛が生えているという説が広がりつつあったものの、「最近の研究では、子どものころは羽毛があったかもしれないが、おとなには羽毛はなかったとする説が有力になっています」という記載があります。
また、親世代になじみのあるブロントサウルスはその後、別の恐竜と同じだったということで、しばらく図鑑から消えていました。ところが本書では、やはり別の恐竜だとわかって、恐竜の種の1つとして復活した、ということが紹介されています。「危険生物」図鑑の「危険な病原体」では「新型コロナウイルス」が早くも取り上げられています。
このように最新情報にアップデートされているという点で、子どもと一緒に見ている大人にも興味深い図鑑といえるでしょう。
プレゼントに図鑑を添えるのもおすすめ
いかがでしたでしょうか。クリスマスプレゼントを何にしようか考えている方は図鑑を検討してみることをおすすめします。すでに決まっているプレゼントに「角川の集める図鑑GET!」を1冊添えてみるのもいいですね。その1冊が子どもの進路のきっかけになるかもしれません。
西村 創(にしむら はじめ)