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動物園からも歯について相談が来る小児歯科専門医・岡崎 好秀先生が語る『角川の集める図鑑GET! 動物』の魅力!

『角川の集める図鑑GET!』は、「考える力を育む“新しい”図鑑」をコンセプトに創刊された学習図鑑シリーズです。従来の分類別ではなく生息地域別による構成や、オンライン図鑑「GET!+(プラス)」との連動など、子どもたちの好奇心を膨らませる工夫が詰まっています。今回は『動物』の監修を務めた小菅正夫先生と長年のご友人であり、小児歯科医で動物に関する造詣も深い、岡崎好秀先生にお話を伺いました。

 

『動物図鑑』監修小菅正夫先生との出会い

――『動物』監修の小菅先生とご親交があるとうかがったのですが、どのようなご関係なのでしょうか?

小菅先生とは、十数年前に大阪で初めてお会いしました。ちょうど旭山動物園が話題になっていたころですね。あれほど1つの施設を盛り上げた人物ということで、興味を持ちました。なぜなら私は子どもたちに、虫歯についてなど、歯に関する講演会を行うことがあるのですが、どのように伝えれば子どもたちに響くのか、小菅先生のプレゼンテーション力が参考になるのではないかと考えたのですね。

実際にお会いした小菅先生はとてもバイタリティにあふれた方で、飼育している動物たちを非常に細かに観察していて、普通の飼育員が答えられないような質問も、さらりと答えられる。もともと私も動物に興味を持っていたこともあり、すぐに意気投合しました。図鑑「GET!」も制作しているときから話を聞いていて、本が出来上がってすぐに送っていただきました。


小菅先生とは野生動物を見に、世界各地をともに旅する仲(写真左が岡崎先生、右が小菅先生)


――旭山動物園を訪れたことはありますか。

旭山動物園には、年に数回足を運ぶようにしていて、年間パスポートも持っています。実はもともと動物園の動物には、あまり興味がなかったのですよ。動物園の動物はあまり動かないから、面白く感じられなくて……。ところが旭山動物園の動物は、とても活き活きとしている。動物たちがのびのびと暮らせるような工夫がしてあるのですね。放飼場を実際の生息環境に近いものにしたり、動物たちが退屈しないように、身体を動かしたり、頭を使ったりしないと、食べ物がとれないようにしてある。見ていて飽きません。

現在,小菅先生がお仕事をされている、札幌の円山動物園も、コロナ禍が落ち着いたら、行きたいと思っています。円山動物園も、動物たちを見るには絶好のスポットですよ。

 

アフリカのボツワナで見た光景が広がっている

――『角川の集める図鑑GET! 動物』は、分類別ではなく生息地域別で動物を紹介しているのが大きな特徴ですが、この見せ方についてどう思われますか。

これまでの図鑑では分類別・種別に動物が並んでいて、ネコ科ならライオンがいて、チーターがいて、ヒョウがいて……と、種類が近い動物をたくさん知るのにはいいけれど、彼らがどういう場所に棲んでいて、どんな生活をしているのかは見えてこない。 その点、『GET!』の生息地別というのは画期的です。ちょうど小菅先生とアフリカのボツワナに野生動物を見に行ったことがあるのですが、サバンナにはキリンやゾウなどの大型の草食動物のほかに、インパラやガゼルもいる。それらを狙うライオンやハイエナもいる。『GET!』にはその光景が広がっていて、現地での記憶が呼び覚まされました。動物たちが棲む環境の背景も入れた写真だから、彼らのくらしがそのまま伝わってくるのですよね。さらにテキストに目を移すと、同じ場所にくらす動物たちの相互関係、襲う側、襲われる側の話を知ることができる。アフリカだけではなく、モンゴルやオセアニアも、現地の光景そのままで、感心しました。 動物園に行く前にこの図鑑を読むと、動物たちのくらしや、それぞれの動物の関係性がわかって、より楽しむことができるのではないかと思います。


岡崎先生がモンゴルにて撮影されたフタコブラクダ


コチラは動物図鑑P.84-85ページ


――他にもこの図鑑の特徴として、「どっちが強い⁉」のキャラクターとともに、クイズ(ミッション)に挑戦できるようになっています。

最初にクイズが出されているのは、非常に良いと思います。クイズがあると、子どもは「なんでだろう?」と考えるようになるのですね。その先を知りたいという、好奇心を持つようになる。

 


博士の出すミッションをキャラクターと一緒に楽しめる


私も子どもたちに話をする際は、最初にクイズを出すようにしています。例えば「サルにスイカを与えたら、どこから食べるでしょうか? ①実 ②皮 ③種」と出題するとします。みなさんもぜひ考えてみてください。どこから食べるでしょうか? 正解は、「③種」なんですね。意外に思われるでしょう? サルはスイカの種を食べてから、実を食べるのですね。種は栄養成分が豊富で、サルはそれを本能的に知っているのでしょうね。 でも、ちょっと考えてみてください。私たち人間も、普段から食事で種をたくさん食べているのですよ。お米や小麦、大豆、すべて種です。大豆からできるみそ、しょうゆ、湯葉も種を食べていることになる。このように1つの疑問から話が展開して、知識を深めることができる。問いかけによって考える力をつけて、知識を広げる喜びを知ることができるのです。

図鑑で考える力と、知る喜びを得る

――先生ご自身の図鑑の思い出はありますか?

本が大好きで、もちろん図鑑もいろいろと読んでいました。「なぜなのか?」と考えるのが好きだったので、世界の不思議な事物を集めた図鑑も好きでしたね。それからやっぱり自分は昔から人間の身体に興味があったのか、「人体」図鑑も好きでしたね。同じテーマの図鑑を複数買って、それぞれの違いを比べるのも楽しんでいました。図鑑は正確な情報が載っているのがよいですよね。間違いのない知識を得ることができます。

 

――図鑑は子どもたちにどのような影響を与えると思いますか?

自分の知っている各界で活躍されている優秀な方は、元・昆虫少年だった方が多いのですよ。有名な方だと、手塚治虫さんや養老孟司さんもそうですよね。知り合いでは、「ためしてガッテン」のディレクターを長年務められていた、北折一さんも昆虫少年だったそうです。子どもたちが昆虫を捕まえて、どうしたいかというと、自分で飼いたいと思うのですね。どう飼育すればよいか、図鑑や本を見ると知ることができる。外で昆虫を捕まえては、図鑑で調べて、また新しい昆虫を捕まえて、調べて……と、ボロボロになるまで図鑑を使い込む。そうして知りたいという欲望を育てていく。北折一さんもそのような経験があったから、あのような人の興味をひきつける番組を作ることができたのだと思います。


「世界の昆虫を集めた『角川の集める図鑑GET! 昆虫』も注目です


子どものときに好奇心や、知る喜びを身に着けることができた人は、社会に出てからも輝きます。子どもに自分の得意分野を作ってあげることが、親の責任だと思います。「自分はこれに詳しい」という得意分野があると、自己肯定感も育ちます。 子どもが何か疑問に思ったときに、今は安易にスマートフォンで答えを検索できてしまいますが、それをすぐ子どもに教えるのは良くないと思います。自分で考えさせて、必要なら自分で調べさせる。できれば家にいろいろな本を置いておいて、子どもたちが本で調べものをできる環境を整えてあげる。子どもたちが本に興味を持つように、読み聞かせしてあげるのも大事ですね。

【岡崎 好秀先生プロフィール】



岡崎好秀(おかざき・よしひで)
1952年大阪府生まれ。小児歯科医。元岡山大学病院小児歯科講師。国立モンゴル医科大学歯学部客員教授。動物の歯にも造詣が深く、動物園や水族館で、動物の歯も診察している。著書に『カミカミおもしろだ液学 だ液は健康を守る“まほうの水"』、『教えて恐竜! ぼくたちの大切な歯』など多数、小菅正夫氏との共著に『動物おもしろカミカミうんち学』(すべて少年写真新聞社)がある。



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