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君たちは、やしきの外に出る。そのままとなりのヘリポートへ続く通路を渡ると、ヘリポートとその向こうに海が見えた。今までは島の周りはきりやあつい雲におおわれていて、この島の存在をかくしていたが、制御システムがきかなくなっている今は、きりが晴れていた。
「そら、ひろい!」
「ヒロイ! ヒロイ!」
心なしか元気な気持ちがわいてきて、ターゼンとポポも笑ったりしゃべったりしている。
「救助のヘリはまだ来ないか…」
ジェイクは目を細めて海の向こうを見つめた。ソフィーがそわそわと周りを見回している。
「ママは来ていないの? どうしたら…」
その時、ソフィーが何かに気づいて「あっ」と声を上げた。君もつられてそちらを見ると――。
「ヒーーーーー! ディエゴ!」
ポポがさけぶように鳴いた。
「おまえら…ただじゃおかないぞ!」
そこにディエゴが銃をかまえて立っていた! ディエゴだけが島に残っていたのだ。
「部下たちとにげたんじゃなかったのか! あそこから落ちてよく無事だったな!」
ジェイクがディエゴをにらみつけた。
「島の海食洞を使ってここまでもどってきたんだ。…お前たちを生かしてはおけないからな!」
そう言ってディエゴは銃を君たちに向けた。
「…新入り!」
ジェイクが君にしか聞こえないくらいの声で話しかけてきた。
「どうにかヤツのすきをついて、オレとお前でディエゴに飛びかかろう!」