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「もうやめなさい! ディエゴ」
張りつめた空気をはらうような声。クレアがかけつけたのだ!
「あなた本当はミーティアが心配でひとり島に残ったのでしょう?」
「な…何のことだ、知らん!」
不意をつかれたようにディエゴがとまどう。
「ひとりで島のシステムを回復させて、ミーティアを…そして島の動物たちを守るために残ったのよね」
クレアは確信を持って言った。君たちはすぐには信じられなくて、おたがいの顔を見合わせる。
「ミーティアは、あなたのさびしい気持ちを理解しているのね。あなたもそれに気づいて心を開いていた。私も同じ気持ちなのよ、ディエゴ。ミーティアを通じて、あなたの孤独が少しは分かっているつもり…」
ディエゴは視線を落としている。
「あなたがこの島を見すててしまったら、ミーティアもほかの動物たちも生きる場所を失うわ。それは――あなた自身の心の生きる場所を失うのと同じなのよ」
「――一緒に…」
ジェイクが声をかける。
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「一緒にここから脱出しよう。そうしてすぐに対策をねって、帰ってくるんだ。元の島にもどすために!」