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その道は森へと続いていた。ディエゴの部下たちはこちらににげたと気づいていないようだ。何か巨大な重機でも通ったのか、森への道が大きくえぐれてあれている。
「森ならかくれられる場所が多いから、こっちに進んでみよう」
君はみんなと森へ入っていった。しばらく進むと、草木をガサガサとゆらす音が聞こえてくる。
「あの音は…?」
用心しながら音のするほうをのぞきにいった。するとそこには、見たこともないような立派な角を持ったシカが、その角を小枝に引っかけてこまっていたのだ。角はいくつにも枝分かれしていて、森に生きるには向かなそうな大きさだ。
「ションブルクジカ…絶滅種よ」
シェリーが角の枝をはずしながらアナライザーをかざした。
「開発ですみかの湿原を失い、人間に狩られてほろんだの。多分、ディエゴたちが湿原に重機を入れたときに、おどろいて森に入っちゃったのね」
みんなで枝をはずしてやると、シカは「ついてこい」というようなそぶりをする。ターゼンがシカの背中をなでながらついていったので、君たちもそれに続いた。
ついて行った先はまたひどい状態だった。木が無残に切りたおされ、動物たちがたおれた木にはさまれたり、下じきになったりしていた。
「ゆるせない!」
ソフィーが目になみだをためてさけんだ。みんなも同じ気持ちだ。
君たちは力を合わせて、できるかぎり動物たちをすくい出した。