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日本史と世界史どっちも好きになる KADOKAWAの『世界の歴史』


学習まんがを、学校を通じて子どもと本を結びつけるには?先々の受験勉強にも直結するその活用術を、保護者や塾講師によるレビューでご紹介!
レビュアー:「中学受験ドットコム」を運営 マロン

中学受験のスタンダード KADOKAWAの『日本の歴史』

中学受験の歴史分野といえば、角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』です。大手中学受験の社会の歴史分野は5ヶ月間、全19回とハイペースで授業が進みます。そのため低学年から『日本の歴史』で日本史を先取り学習する子どもが増えてきました。日本史は歴史の大きな流れをつかむことが大切。通史を押さえておくと、バラバラだった歴史の重要事項がひとつに繋がり、日本史の理解が深まるのでおすすめですよ。

『日本の歴史』に続き『世界の歴史』が登場

中学受験生の必携『日本の歴史』に続き、角川まんが学習シリーズから待望の『世界の歴史』が登場。「中学受験は日本史だから世界史は関係ないよ」という声が聞こえてきそうですね。確かに中学入試の社会の歴史分野は「日本史」です。それでは、なぜ中学受験生が『世界の歴史』を読む必要があるのでしょうか?

令和はグローバル化の時代

私たち保護者の学生時代は「日本」という国単位で歴史を縦に掘り下げて学ぶことが大切だと教えられてきました。学校の授業でも日本史と世界史は別科目として扱われていました。しかし今の子ども達は違います。令和はグローバル化(グローバリゼーション)の時代です。モノやお金、情報が国境を超えて繋がり世界規模で連動しています。世界の出来事を考える場合、因果関係の裏にある複数の国々の思惑と政治・経済・宗教の対立関係を無視することはできません。「歴史」を国単位のミクロではなく、俯瞰的なマクロの視点で学ぼうというのが学習まんがとしては『世界の歴史』が初めて採用した「グローバル・ヒストリー」という最先端の歴史理解の方法です。

歴史を学ぶ意味

そもそもなぜ世界史を学ぶ必要があるのでしょうか?第20巻に登場する、近現代史を担当する高橋先生が教えてくれます。




私たちはベルリンの壁開放による東西ドイツの統一、冷戦終了とソ連崩壊など世界の変化を目撃しました。特に9・11同時多発テロ事件は記憶に鮮明に残っているのではないでしょうか。誰もがテレビの前で「いったい何が起きているの?」と声を失ったのではないでしょうか。子ども達も新型コロナウィルス感染症やブラック・ライヴズ・マター運動など、世界の変化に立ち会っています。特にブラック・ライヴズ・マター運動では、コロンブス像をはじめとする歴史上の人物の像が各国で撤去される動きが広がりました。コロンブスは大航海時代に「新大陸」(アメリカ大陸)を発見した「偉人」として扱われてきました。小さい頃に伝記を読んだ人も多いと思います。しかし現代では植民地主義の歴史が考え直され、先住民族の平和な生活を奪った侵略者として非難されています。それまで当然だと考えていたことが、みんなの意識が変わることで過去の見え方が変わってきます。現在を理解するためにも、世界の歴史を振り返って過去を学ぶ必要があるのです。



歴史の学び方が大きく変わる

文部科学省が発表した2022年度からの高等学校学習指導要領の改訂では、高校の歴史系科目は「歴史総合」「日本史探究」「世界史探究」の3科目に大きく改編されることになりました。「歴史総合」は「日本史」と「世界史」の18 世紀以降の近現代史を対象とし、歴史の学び方や歴史の生かし方を現代との繋がりを意識して学ぶ新たな必修科目です。角川まんが学習シリーズ『世界の歴史』はいち早く新必修科目「歴史総合」の考え方を取り入れ、全20巻のうち11冊以上が近現代史です。当然この流れは中学受験にも大きく影響します。今も中学入試には世界史の知識が出題されることがありますが、今後はさらに世界史の知識を問う問題が増えてくるでしょう。実際、大学入学共通テストの影響を受け、中学入試の社会では表・グラフや図像を含む多様な史資料を深く読み解く力を試す出題が増えています。

受験入試の頻出テーマ「SDGs」を学ぶ

中学入試頻出テーマといえば「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」です。「Sustainable Development Goals」の略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と言います。社会はもちろん、国語の読解問題や作文(公立中高一貫校や一部の私立中学校)でも「SDGs」は頻出。もちろん「SDGs」は2015年の国連サミットで突然採択されたものではありません。2000年9月に「SDGs」の前身である「MDGs(ミレニアム開発目標)」、1961年にはアメリカのケネディ大統領が提案に基づき国連総会は「国連開発の10年」を宣言しました。さらに社会・環境・人権を考えると1760年代から1830年代にかけてイギリスで起きた「産業革命」へと遡って、1781年の「フランス革命」、1863年のアメリカ大統領リンカンの「奴隷解放宣言」、そして1948年に国連第3回総会(パリ)において、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」とした「世界人権宣言」へと辿ることができます。『世界の歴史』を監修された東京大学名誉教授の羽田正先生も「自由、平等、民主主義といった価値がいつごろ、どうやって出てきたか」を知ることが大切だとおっしゃられています。角川まんが学習シリーズ『世界の歴史』を通して、「SDGs」の歴史的背景を自由研究するのもおすすめですよ。

ちなみにアメリカ合衆国大統領「リンカーン」は最近の教科書では「リンカン」と記載されています。これはグローバル化が進む中で、できる限り現地の読み方に近い表現で外来語を表記するためです。ここでも意識の変化を垣間見ることができますね。



受験勉強の一歩先へ

角川まんが学習シリーズ『世界の歴史』を最初に読んだ時に、圧倒的なページ数と情報量
に驚かされました。まんが部分だけで4160ページもあります。近現代史ばかり注目されがちですが、先史・古代・中世、近世も丁寧に描かれています。もちろん『世界の歴史』というからには、ストーリーの中に「日本」も登場します。同シリーズの『日本の歴史』と併読することで、日本史と世界史が繋がっていることを実感することができます。塾で勉強していると「歴史」は一問一答や年号の語呂合わせなど暗記科目のイメージが強くなります。しかし実際の入試では年号や重要事項の丸暗記だけでは合格点には届きません。与えられた史料を読み取り、歴史的背景理由を考えて答えさせる出題がここ数年で急激に増えているからです。角川まんが学習シリーズ『世界の歴史』を通して、世界と日本を広く相互的な視野から捉える歴史的思考力を身につけ、受験勉強の一歩先へ進みたいですね。

 

マロン
プロライター&コンサルタント。「中学受験ドットコム」を運営。中学受験の家庭学習、おすすめ問題集、塾選び、最新の中学入試情報を発信。
https://中学受験.com/

 

数量限定!
『角川まんが学習シリーズ 世界の歴史 3大特典つき全20巻セット』
11月10日(水)発売!

大人気の角川まんが学習シリーズ『世界の歴史』に、3大特典が付いた限定セットが登場! 数量限定生産です。
気になる3大特典の内容は…

特典1
【世界史まるみえゲーム[1929~45]】
二択問題に答えて楽しくゲームを進めるうちに、第二次世界大戦の5つの国の動きがしぜんに身につく!
特典2
【ユーラシア大冒険すごろく】
マルコ=ポーロ・イブン=バットゥータ・鄭和・天正遣欧少年使節の、13~16世紀の4組の冒険者たちのユーラシア旅行をすごろくで体験!
特典3
【世界の偉人 名セリフ付箋】
ブッダ・ルイ14世・チャーチルの名セリフが入った付箋3本セット…キミならどう使う?

※『世界の歴史』全20巻は、他のセットや単巻と同じものです。


監修:羽田 正

定価
20,900円(本体19,000円+税)
発売日
サイズ
その他
ISBN
9784041117705

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