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中学の定期テスト対策に! まんがの強みを活かした世界史の参考書 KADOKAWA『世界の歴史』


『世界の歴史』を子どもの学習に活用したい場合、適切な年齢なのか、具体的にどう読めばいいのか迷われる方もいるかもしれません。そこで『日本の歴史』を学んだ小学生から大学受験まで、それぞれの立場における活用術を、保護者や塾講師によるレビューでご紹介!
レビュアー:「ゲーム大好き息子の2021年中学受験と娘2019年」を運営 99.9

『世界の歴史』を読んでみる

2人の子供の中学受験が無事に終了し、現在中学1年生と中学3年生です。子供たちはそれぞれの学校で中学校生活を楽しんでいます。
中学生になると、中間テストや期末テストなど定期テストが始まり、社会の勉強にも今まで勉強していなかった世界史が入ってきます。日本史は中学受験の時にかなり勉強したので貯金がありますが、世界史は初めて勉強するので、しっかりと対策をしなければなりません。
我が家は中学受験でも角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』に大変お世話になりましたので、中学校の定期テスト対策にも角川まんが学習シリーズ『世界の歴史』が役に立つと思い、まずは親の目線で読んでみました。

最初に感じたことは、「情報量が多い!」でした。『日本の歴史』と『世界の歴史』を見比べると、『世界の歴史』の方が文字も小さく、字数もかなり多くなっています。『日本の歴史』は絵も字も大きくて小学生にも読みやすいように工夫されていると感じました。
一方、『世界の歴史』は主に中学生~高校生が読むことを想定しているためか、より情報がたくさん盛り込まれていると感じました。まんがだから中高生の勉強には向いていないのではないか?と思うかもしれませんが、まんがの強みを活かした参考書になっていると思います。

絵で印象を焼き付ける

まんがの強みは何と言っても「絵」です。文章ではなく、「絵」であらわされることによって、頭の中に入ってくる情報量が違います。
例えば、「ポリス」というと、言葉だけだと「都市国家」ですが、2巻に載っている絵を見るとポリスの中心の丘(アクロポリス)に神殿が立てられて、その麓に人々が集まって暮らしている感じが分かります。



大航海時代を扱う7巻では、たびたび世界地図が出てきて解説してくれるので、マゼランやヴァスコ=ダ=ガマ、コロンブスがどのような目的があって、どのような航路で航海をしていったのか、順を追って分かりやすくなっています。



そして一番の強みは、歴史上の人物をまんがで描いている点です。社会の教科書の肖像画だけだと動きが無いですが、人物に動きがあるので、自然とストーリーに引き込まれて行きます。例えば、8巻に出てくるオーストリアのマリア=テレジアがまだ幼い子供を抱えながらハンガリー議会で演説するシーンは、絵で見るとより具体的で心に響き、戦争をしながら16人もの子供を産んだオーストリアの国母のストーリーに自然と引き込まれて行きました。また、娘のマリ=アントワネットの生涯も気になり、10巻のフランス革命の話もマリア=テレジアの娘という観点から興味深く読むことが出来ました。



豊富に組み込まれている豆知識

こういった歴史まんがは流れを把握するために簡単に目を通すだけで終わってしまいがちですが、じっくりと読むと色々な豆知識が書いてあります。
たとえば、「アキレス腱」や「パンドラの箱」という言葉の由来が2巻のギリシャ神話のエピソードの所にさりげなく書いてあり、7月(July)や8月(August)の名前の由来なども3巻をよく読むと書いてあります。



じっくりと読むと、細かい部分にもたくさん面白い話が書いてあり、何度も発見があります。

『日本の歴史』と『世界の歴史』を並行して読む

中学受験の際にも『世界の歴史』があると、世界の背景を学ぶことができてより知識が深まると思います。

例えば、57年の「漢委奴国王」の金印の話は中学受験にも頻出の出来事ですが、『世界の歴史』の第3巻を読むと、日本に金印を授けた漢(後漢)がどのようにして大きくなったのか、中国の変遷が書いてあり、日本だけでなく他の国からも朝貢があったことなどが分かります。日明貿易も「朝貢貿易」や「勘合貿易」とも呼ばれていましたが、中国側の背景を読むと、より「朝貢」という言葉の理解が深まります。

また、豊臣秀吉の時代の「文禄の役」と「慶長の役」も、『世界の歴史』7巻を読むと明や朝鮮側に立った見方ができます。この争いによって日本側も大きなダメージを受けましたが、明や朝鮮半島にとってもダメージが大きかった事などが書いてあります。

さらに、第二次世界大戦については、『日本の歴史』では『よくわかる近現代史』2巻で詳しく触れていますが、『世界の歴史』を読むと、より詳しく世界の情勢が書いてあります。ドイツやイタリアでのファシズムの動きや、周辺諸国への侵攻の変遷などが書いてあり、ただ単に「日独伊三国同盟」と言葉で覚えるよりもドイツ、イタリア、日本がどのような流れで同盟を結んだのか背景も印象付けられると思います。

本編以外の部分が充実している

各巻の本編に入る前に、その巻の主要人物が時空を超えて登場する「もしもまんが」があるのですが、歴史的人物と羽田先生のやり取りがとても面白く、毎巻楽しく読ませていただきました。クスっと笑わせてくれる部分があり、いままでの歴史まんがには無かった導入で、大変驚きました。
また、「横のつながり」を大切にしているシリーズですので、それぞれの巻の時代にどのような出来事があったのかが分かる「パノラマ年表」や「絵で見る歴史ナビ」など、一目で時代の流れが実感できる工夫がされていて、とても分かりやすかったです。




中学生の子供たちの活用方法

中学生の子供たちは、定期テストの前にテスト範囲の部分を読んで、全体の流れを把握し、細かい部分の復習に活用しています。また経済の学習で資本主義と社会主義を習ってきたときは「歴史的な流れはどうだったのだろう?」と『世界の歴史』を経済の観点から読んでいました。このように、学校の勉強に大変役に立つまんがだと思います。
2022年から高校社会は従来の「世界史A」「世界史B」から「歴史総合」「世界史探求」となるなど学習指導要領の改訂がありますが、こちらは新必修科目「歴史総合」を見据えて近現代史を重視した作りになっていますので、今後の高校生の勉強にも役に立つと期待しています。

『世界の歴史』を読み終わって

中学受験の時と違い、もう子供たちは中学生ですので、親が歴史まんがを一緒に読んで教えてあげる必要は無いのですが、読んでみると大人でもとても楽しかったです。すっかり忘れてしまっている「世界史」を思い出したり、また全然知らなかった事を発見したり、わくわくしながら読みました。

『世界の歴史』を読み終わって感じることは、長く使える本であるということです。
小学校高学年では日本の歴史の背景での世界の動きを確認し、中学・高校では定期テスト対策に活用できます。
さすがに小学生がこの本を全部しっかりと読もうとすると大変ですが、歴史好きで将来買おうと思っているのなら小学校高学年から買っても無駄ではないと思います。小学生が読むには少し難しい部分があるかもしれませんので、その部分は子供の成長を待ち中学生からまた読んで新たな発見をしていき、繰り返し読むことで定着につながると思います。

「小学校高学年から大学受験まで使える!」と謳われている通り、このシリーズは理科の図鑑のように調べたいときにパッと手に取って読むことができ、家に長く置いておいて勉強の助けになる本だと思いました。ちなみに、『日本の歴史』も中学生になった今も日本史の勉強の助けになっていて、長く活用しています。

我が家では『世界の歴史』は中学校の定期テストの範囲はしっかりと読みましたが、まだ勉強していない時代の部分など全巻しっかりと読み込むまでは至っていないので、高校生になってからもどんどん活用していきたいと思っています。

99.9
ブロガー。中学3年生の娘、中学1年生の息子の中学受験の経験を書いたブログ「ゲーム大好き息子の2021年中学受験と娘2019年」(https://juken2021.hatenablog.jp/)を運営。

 

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気になる3大特典の内容は…

特典1
【世界史まるみえゲーム[1929~45]】
二択問題に答えて楽しくゲームを進めるうちに、第二次世界大戦の5つの国の動きがしぜんに身につく!
特典2
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マルコ=ポーロ・イブン=バットゥータ・鄭和・天正遣欧少年使節の、13~16世紀の4組の冒険者たちのユーラシア旅行をすごろくで体験!
特典3
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ブッダ・ルイ14世・チャーチルの名セリフが入った付箋3本セット…キミならどう使う?

※『世界の歴史』全20巻は、他のセットや単巻と同じものです。


監修:羽田 正

定価
20,900円(本体19,000円+税)
発売日
サイズ
その他
ISBN
9784041117705

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