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司書教諭志望の大学生が『世界の歴史 第20巻』を本気で読んでみた!


司書教諭志望の大学生が『世界の歴史 第20巻』を本気で読んでみた!
Reviewer 東京学芸大学教育学部3年 宮本綾花

現代史について思うこと

 「君たち現代史は好きか?」「嫌いか まあそうやろ」
 『世界の歴史』第20巻<現代文明とグローバル化>26ページに出てくるセリフである。まさに私もその一人であった。
現代史以外の歴史には物語を感じて興味が引かれるが、現代史はニュースでも取り上げられるような出来事が歴史になっている。自分にとって身近な情報が多く、どうも自分の中では物語にならない。そのため歴史の中でも現代史を自ら学ぼうという気持ちには、なかなかなれなかった。また、歴史の教科書にも現代史についての記載は少ない。そのため学校でも現代史を学ぶこと自体が少なかった。それも自分が現代史を学びたいと気持ちがわかなかった要因の一つだと思う。
 そして、現代史の内容は戦争や国同士の争い、大きな震災など社会の中で問題とされている出来事が取り上げられることが多く、そのような悲しい出来事には目を向けたくないという自分がいたのかもしれない。



歴史を物語の力で読ませる!

 しかし、角川まんが学習シリーズ『世界の歴史』の第20巻を読むことで、私の中の現代史に対する考え方が大きく変わった。本書では1990年から2020年までの歴史がまんがになっており、冷戦終結後から新型コロナウイルス禍の今現在の世界までが取り上げられている。まんがの物語は、日本に住む女子学生がテレビで見た「ベルリンの壁開放」や、大学教授との会話から世界情勢に目を向け始め、海外留学を目指すところから始まる。念願かなってアメリカ留学した彼女は、大学の授業や同級生との会話などを通して、世界の情勢により興味を持っていく。そして、卒業後、ジャーナリストになった彼女の目を通して現代史が語られるのだ。
 まさに自分が生きている時代の世界の歴史が書かれた巻である。それなのに内容が物語としてスッと自分の頭の中に入ってきた。今までの自分ならニュースで取り上げられている内容だから物語にはならないと思い、学ぼうとしなかったはずである。しかし、本書ではそれらの歴史さえもしっかりとまんがという形で物語になっており、世界の様々な場所で生きる人々が主人公となっている。物語になれば歴史は理解しやすく、他の歴史時代と同じように、現代史を「読みたい」「学びたい」という思いが自分の中でどんどん大きくなっていった。
 本書でも戦争や国同士の争い、大きな震災など社会の中で問題とされている出来事が取り上げられている。しかし、コミカルなイラストや短い会話などが用いられているため、暗い気持ちにならず読み進めていくことができた。また、世界の歴史と並行し、その時代を生きる主人公の日本人女性の物語も進んでいくため、その物語で息抜きをしつつ歴史を学べた。これらの工夫によって本書では肩に力を入れずに、今現在の歴史、社会情勢について知ることができるのである。これは児童生徒にとっても、読みやすい工夫だと思う。現代史をただまんがにしただけでは、子どもに受け入れられる可能性は低い。しかし、コミカルなイラストや登場人物同士の掛け合い、主人公である日本人女性の物語を通じて、自分に身近な出来事や暗い出来事でも、まんがとしてのおもしろさを感じ、読みたいと思えるのではないか。そこから歴史についての理解も深め、自分に身近な生活や社会を知っていくための始めの一歩になるのではないかと思う。



コロナウイルスも載っている!

 今現在、世間で問題になり、私たちの生活にも大きな影響を及ぼしている「新型コロナウイルス」についても、本書では歴史の一つとして取り上げられている。子どもにとって新型コロナウイルスやその脅威を理解することは難しく、「なぜ自分は学校に行けないのか?」「自由に遊べないのか?」など、自分の置かれている状況への理解が大人に比べてできていないことは十分に考えられる。本書では新型コロナウイルスが歴史的事象として扱われているため、子どもたちは、「歴史の一つとして取り上げられるくらいに、新型コロナウイルスは大変なことだ」ということを学ぶことができる。それにより自分たちの行動が制限されている意味、制限しなければならない意味を理解することができるはずだ。
 また、本書では新型コロナウイルスについてだけでなく、それに関連して今までの感染症についても述べられている。現代人が経験していないことでも、人類がそれをどう克服し、前進してきたことを知り、「自分たちも乗り越えられるんだ」という先の見通しにもつながると思う。このように、本書では現代史を「学びたい」という気持ちを持つことができ、かつ、歴史をただ覚えるだけでなく、子どもたちが自身の生活とも結びつけて考えることができる。そのような世界史の学習は、子どもたちにとって「生きる力」を育むだろう。



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  • 監修:羽田 正
  • 【定価】20900(本体19000円+税)
  • 【発売日】
  • 【サイズ】その他
  • 【ISBN】9784041108642

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