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司書教諭志望の大学生が『世界の歴史 第7巻』を本気で読んでみた!


司書教諭志望の大学生が『世界の歴史 第7巻』を本気で読んでみた!
Reviewer 東京学芸大学教育学部3年 川口凜々

現代の子どもたちに求められる「活用力」

 現代の教育に求められる課題として「生きる力」の育成があります。「生きる力」とは、社会の激しい変化に対応できる能力のことで、そのような時代を生きていく子どもたちには必要な力です。角川まんが学習シリーズ『世界の歴史』は、この「生きる力」に基づいて作られています。教育者を目指す自分の立場として、今の時代に極めて重要な学習教材になるのではないかと感じています。
 実際に国際学力調査の結果でも、日本の子どもたちには「活用力」に課題があるということが指摘されています。自分で考える、自分の考えを発信するといった「思考力・判断力・表現力」が欠如してしまっているのだそうです。自分の学生時代を振り返ってみても、特に歴史の勉強では語呂合わせで西暦と出来事の暗記で終わっていたため、「なぜ?」「どのようにして?」などと問われる記述問題に関しては悪戦苦闘していたのを思い出します。また、暗記という一時的な軽いインプットであったせいか、習得した知識を自分の考えや意見に上手く活用できていないこともありました。実際にそのような学習方法をしてしまって歴史に苦手意識を持ってしまっている子どもたちも、たくさんいるのではないかと思います。そのような方々にぜひ新たな勉強の方法として『世界の歴史』を活用してみてほしいと思います。

付箋を貼る『世界の歴史』活用法

 『世界の歴史』の大きな特徴は何といっても、世界の歴史を縦の流れに加え、横の流れを掴むといった「グローバル・ヒストリー」です。縦の時間軸だけでなく、空間的に広い視野で世界史を学習できるのは、より一層学習の理解を深めることにつながります。特に学習まんがの冒頭にある「時代の流れをつかもう!絵で見る歴史ナビ」と、各国の年表がまとめられている「パノラマ年表」は最高の資料であると思います。
 今回、私は第7巻<ひとつながりになる世界>を読みました。「西洋が大航海時代の時、中国は明時代だった」「同時期にヨーロッパでは、宗教改革が始まっていた」など、大学生の自分でも新たな発見がたくさんありました。まるで西洋史と東洋史を同時に学習しているような感覚で、新たな気づきが自然と「学ぶ楽しさ」へと広がっていくのが体感できたのです。また、綺麗で臨場感のあるイラストが非常に印象的でした。特に歴史上の人物がある行動を起こす場面や、出来事の始まりの場面は非常に見応えがあります。時代を動かすほどの強い意志や思いが、キャラクターの表情や動き、コマの大きさによって表現されており、読み手の私もどんどん感情移入してしまいました。歴史をストーリーとして、ドラマとして楽しく味わえるのがまんがならではだと思います。さらに、本書では大航海時代が描かれており、地図を多用しながら各国のつながりを丁寧に描いている点も大きなメリットでした。小学生から大人まで楽しめる内容と情報量の多さにも驚きましたが、非常に読みやすいコンパクトなサイズの本であるため、家庭学習や授業での活用に効果的ではないかと考えます。そこで以下、学習者と教育者の二者の立場から『世界の歴史』の活用法を紹介します。
 まず、学習者としての活用法ですが、自分でオリジナルの歴史辞典にする方法をお勧めします。学習まんがでは、一つ一つの出来事の時代背景や出来事が起こった原因、その後の影響などをストーリーとして丁寧に理解できるのが利点です。『世界の歴史』はまんが内の文章で、「しかし~」「こうして~」「更には~」「その後も~」などの接続詞が効果的に使用されています。よって、A「出来事の社会的背景」B「出来事」C「結果・その後の影響」の3点が把握しやすくなっています。活用法としては、まんが内のA・B・Cの箇所に色分けしたマーカーで直接線を引き、Bの箇所のページにはBの出来事を書いた付箋を貼ります。こうすることで、理解の不十分な歴史上の出来事があっても、その付箋のページを開き、前後を見ることによってA「社会的背景」C「結果・影響」を一目で確認することができます。学習まんがをまんがとして読むだけでなく、参考書としてアレンジして自分なりに活用していくことで、歴史の流れを再確認・復習することができると思います。



A「出来事の社会的背景」黄色
B「出来事」ピンク色
C「結果・その後の影響」青色




他教科の補助にも使える学習まんが

 次に教育者としての活用法です。社会はもちろん、国語など主要教科において活用できそうですが、私は第7巻を「芸術」教科の授業の補助教材として扱いたいと考えています。本書の第2章はルネサンスがテーマであり、美術の授業において、その時代の背景を捉えるための非常に良い資料になると思います。また、私は大学で書道を専攻しているため、第1章の明の盛衰の部分を授業に活用してみたいと考えます。仮定する授業内容は、高校2年生を対象とした「明時代の書」に関する学習です。明時代は多くの能書家が輩出し、最も行草体が盛行した時期にあたります。授業をするにあたって、「そもそも明時代っていつ頃?」と思う生徒もいるかもしれません。本書を用いることによって、活発な文化・芸術の展開の背景には貨幣経済の影響があったことや、深刻な財政難など国が混乱していた時期であったことを指導できます。書の表現や鑑賞の学習にあたっては、それらの背景をよく理解することが重要であり、その理解度によって学習の視点も変わってくるため、作者が生きた時代を知るツールとして活用していきたいと考えています。
 本書はグローバルな時代を生きる子どもたちにとって最適な学習教材であり、教育者にとっては様々な教科、分野で生かすことができる教材であります。学習まんがを読んで「○○という背景があったから、この出来事が起きて、結果△△になった」という流れを把握できると、「もしこの出来事がなかったら今はどうなっていただろうか」「この人物がいなかったら、その後の歴史はどうなっていたのか」など、子どもが想像を膨らませ、思考する力の育成につながると思います。



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