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司書教諭志望の大学生が『世界の歴史 第1巻』を本気で読んでみた!


司書教諭志望の大学生が『世界の歴史 第1巻』を本気で読んでみた!
Reviewer 東京学芸大学教育学部3年 R(ペンネーム)

あまり興味のない歴史分野……

 今回、私は『世界の歴史』第1巻<人類誕生と古代の王国>を読みました。読み始めると、自然と引き込まれ、次々とページを捲っていました。それは、私には意外な体験でした。なぜなら私はこれまで世界史に対して、特別に興味や関心を持っていたわけではなかったからです。私は子どもの頃、空想世界や魔法使いの物語であったり、怪談話であったり、ファンタジーやホラーのジャンルを好んでよく読んでいました。一方、学習まんがや歴史ものは積極的に読んではいませんでした。元々興味や関心を持っている分野であったら、子どもがその本を進んで手に取ったり、夢中になって読んだりすることは自然な流れでしょう。しかし逆にあまり興味や関心を持っていない分野では、子どもはそのきっかけを得にくいかもしれません。



子どもに寄り添う読書体験

 今日では、楽しむために本を読む子どもが減少傾向にあるそうです。OECD (経済協力開発機構)のPISA調査 (学習到達度調査)では、読書に費やす時間の長さよりも、生徒が「楽しんで本を読んでいるかどうか」ということが、読解力で成績の良い生徒と悪い生徒との決定的な違いであることを明らかにしています。そのため、生徒が興味や関心を持てる読書教材を提供し、「読書が楽しい」という感覚を持てるようにすることが、保護者や教育者の課題であるとしています。
 本書は、子どもの世界史への興味や関心が薄かったとしても、読書が楽しいという感覚を高める読書教材になり得ると考えます。子どもは元々たくさんの「なんで?」「どうして?」を持っています。その「なんで?」「どうして?」という興味や関心の欠片をすくい上げ、この学習まんがへと繋げてみたいと思いました。もし仮に本書の内容を、活字だけで読むとなったら、私は最後まで辿り着けるかどうか不安になります。しかし本書はまんがでありながら、小説のようでもあり、映画のようでもあり、教科書のようでもあり、資料集のようでもありました。そのような複数の魅力が組み合わさることで、読者は楽しみながら一度に多くの情報を得ることができます。第1巻3章では古代オリエント文明が描かれています。アメンホテプ4世、ダレイオス1世、キュロス2世……と、登場するそれぞれの人物の名前は記憶にありましたが、その文脈はよく覚えていませんでした。しかし本書を読むことによって、彼ら古代の王に統一された各地域の情景が頭に浮かび上がってきました。そして、私にとって独立していた単語と単語が繋がり合い、歴史がストーリーとして理解できるようになったのです。以上のことから、複雑な世界史を学ぶために、この学習まんが『世界の歴史』の活用をおススメします。



これからの時代に歴史を学ぶ意義

 これからの社会は変化することが確実でありながら、その変化を予測することは困難な時代であると言われています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行している現在、まさにそのことが証明されているかのようにも感じます。そのような時代を生き抜いていくために、先人から学ぶ行為には意味があると言えるでしょう。第1巻には次のような言葉があります。
 「人間は工夫によって困難を乗り越え前進していく。いや前進できる者が生き残っていく。」
20万年前に誕生したホモ=サピエンス(新人)が、創意と工夫で氷河期を乗り越えようというシーンでの言葉です。今の私たちにとって大切な言葉と言えるかもしれません。読者は本書を通して世界史を学び、過去に生きた人々の知恵や勇気を知ることにより、新たな未来を創造していくヒントをきっと得られることでしょう。



懐中コンパスつき!全20巻セット発売中!

世界史教育の最先端=グローバル・ヒストリーを採用した初めての歴史まんが
★最先端の歴史理解の方法を採用! 「グローバル・ヒストリー」による新構成
★さらに進化した「東大流」! 歴史の「横のつながり」をつかむ工夫が満載
★まんが4160ページの最大ボリューム!いちばんくわしい『世界の歴史』です
★どこよりも最新の情報を掲載!新型コロナウイルス感染症やブラックライヴズマターの話題まで収録

※懐中コンパスつきセットはなくなり次第終了します。


監修:羽田 正

定価
20900円(本体19000円+税)
発売日
サイズ
その他
ISBN
9784041108642

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