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『日本の歴史』の効果を飛躍的に高める下準備とは 小5親子の失敗と知恵


『日本の歴史』の効果を飛躍的に高める下準備とは 小5親子の失敗と知恵

小1で『日本の歴史』と出会うが最初は無視

僕が角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』と出会ったのは、娘が小1になった2016年の春である。
当時サピックスの小1最下位クラスに在籍していた娘への処方箋を探しに、都内の大型書店の中学受験コーナーを彷徨っているときに、ふと目にしたのが最初の出会いである。小1なので当たり前のことだが、歴史分野への学習時間投資はまだ先と判断し、その時は中身を見ることすらしなかった。僕自身の経験に基づき「漢字学習が進んでいない段階で歴史まんがを読んでも、イラストを見るだけで、ストーリーもすっ飛ばして読むから余り意味が無いだろう」という仮説を持っていたからである。

失敗経験とリカバリー

時は流れ、1.5年後の2017年10月。娘は小2の10月に漢字検定5級(=小6)に合格し、サピックスの成績も上位クラスで安定してきたタイミングで、娘に辞書をプレゼントしようと考えて同じ書店を訪問した。そこで、角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』を再び目にし、辞書とほぼ同時に購入した。小学校配当の漢字1,026字をマスターし、他教材により中学生の漢字もある程度読める状況になっていた娘は、『日本の歴史』をむさぼるように読み進めていった。

しかし、である。

この状態で安心した僕は、娘が小4になるまで特に歴史の勉強を教えてこなかった。小4の6月、親子でNHK大河ドラマを見ていて、娘は凄いことを言い放った。

娘:「ねえ、パパって、関東大震災の時に産まれていたの?」

僕:「え!!!!!!はぁぁぁ?あれだけ歴史漫画読んでおいて、それ?」



小5の10月の今、当時のことを回想すると、これは仕方が無いことだと考える。なぜならば、基本的知識及び時間的視野に乏しい小学生が歴史まんがを読む場合、ちょっとした工夫が必要なのである。もちろん、純粋に歴史まんがを楽しむならば良いのだが、大半の保護者は「我が子に中学受験に対応できるだけの歴史知識を獲得して欲しい」とか、少なくとも「歴史に関心を持って欲しい」という本心をもっているはずである。僕が娘を対象に研究した結果としては、以下段取りを踏んでから歴史まんがを読まないと、保護者の本心を実現することは難しいと考える。

①小学校配当の漢字を全て読めるようになること。漢字検定5級(=小6)に合格するレベルがあれば、効率良く読むことが可能となる。「鎌倉幕府」という漢字にしても、実は習うのは「鎌→高校生」、「倉→4年生」、「幕→6年生」、「府→4年生」なのである。しかし、小学校配当の漢字を学習完了したとしても、この段階で歴史まんがを読み進めると、僕が経験したような失敗を繰り返すことになろう。

②次に、各歴史区分の名前を暗記することが大事である。具体的には、小2~3ならば、「旧石器・縄文・弥生・古墳・飛鳥・奈良・平安・鎌倉・南北朝・室町・安土桃山・江戸・明治・大正・昭和・平成」を一気に暗唱できる状態にするべきである。

③最後に、基本的な年号を暗記しておくと良い。最初から細かい年号を暗記させると、お子さんが歴史嫌いになる可能性があるので、500年刻みくらいのメッシュで十分と考える。すなわち、飛鳥時代は500年、平安時代が1000年、室町時代が1500年。これくらいの時間感覚を持ちながら読み進めないと、歴史まんがを読み進める中で、お子さんがいつの時代を読んでいるのか迷子になってしまうのである。

以上の段取りを踏んでから読み進める歴史まんがは、お子さんの歴史的教養を深め、また親子での旅行をより一層楽しませてくれる存在になると考える。

歴史知識を教養に昇華させよう

首都圏中学入試市場の大手塾の大半が、小5の9月から歴史を開始する。この段階で「歴史が好き!」という状態にしておかないと、「歴史は暗記と言う苦痛な作業」になってしまう。大手塾での歴史が開始する前に、いかに歴史まんがでお子さんの関心を高め、親子で実際に訪問して実体験を得るかが、中学受験での志望校合格という実利のみならず、一生物の宝となる歴史的教養に昇華させるために必要と考える。

この記事の読者は首都圏または関西圏の方が多いと考えるが、実は、東海道新幹線を活用すれば、歴史まんがに登場する半分以上のイベントは、東京または大阪からの日帰り圏内なのである。娘と僕の趣味の一つがサイクリングなのだが、東京の始発新幹線にて岐阜羽島で降り、娘と共に関ヶ原をサイクリングして米原まで行き、その日の夜には東京に帰宅して日常と変わらない時間に就寝することができたので、この事実に気が付いた。

娘と僕は、同じような方法で様々な古戦場をサイクリングしてきた。東海道新幹線沿いだけでも、東から順に、①三方ヶ原古戦場(武田信玄に負けた徳川家康が恐怖でうんこを漏らした場所)、②長篠・設楽原古戦場(現代人が持つ武田騎馬隊の突撃イメージとは程遠いことが分かる場所)、③桶狭間古戦場(織田信長が戦略的に今川義元を討ち取ったことが分かる場所)、④関ヶ原古戦場(日本最大の合戦であることが良く分かる場所)、がある。

サイクリングする前日に『日本の歴史』を読んでイメージを持った上で、それぞれの古戦場で、娘と僕で合戦ごっこをして遊んだ。『日本の歴史』が素晴らしいのは、ディテールにこだわっているので、合戦ごっこもディテールにこだわることが可能となることだ。






例えば、桶狭間古戦場のシーンは、史実通り今川義元の御前には酒がおかれている。また、今川義元が討たれたシーンでは「太刀」ではなく「鎧通し」という短刀が使われており、これも当時の戦闘方法として正しい。

このように、『日本の歴史』が他の歴史まんがよりも僕の心をくすぐるのは、教養として知っておくべきことまで、まんが上で再現されているからである。関ヶ原の合戦における「島津の退き口」にもページが割かれていることも、特筆に値する。




関ヶ原にて、

娘(島津義弘の役):「敵は 何方が猛勢か?」

僕(部下の役):「東よりの敵、もってのほか猛勢」

娘(島津義弘の役):「その猛勢の中に相掛けよ」

僕:「君は島津義弘だ。僕は徳川家康の役をやる。さ~、突撃してこい!敵中突破だ!かかってこい!」

娘:「うぉぉぉぉぉぉ!」

400年前と同じ関ヶ原のその場所で、親子で西軍の島津と東軍の徳川を再現し、本気で取っ組み合いをする。お互いに疲れ切って芝生の上に大の字に寝っ転がり、一緒に眺めた関ヶ原の青空の美しさは生涯の思い出となるだろう。

歴史まんがを切り口に、自国の歴史に詳しくなり、そして令和以後の歴史を創っていく気概があるお子さんが増えることを期待します。

戦記
令和時代の中学受験業界で最も著名なブロガーの一人。 オウンドメディアである「『桜蔭戦記』 2022年中学受験の反省録」(https://senkiwork.com/)を運営。

 

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特典③ 戦国武将のぼり旗しおり定規
織田信長・豊臣秀吉・明智光秀は家紋を使用! 武田信玄・真田幸村はリアルなのぼり旗を再現!



監修:山本 博文

定価
本体15200円(税別)
発売日
サイズ
その他
ISBN
9784041088326

 

 

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