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大学受験日本史はまんがから始めよ!『日本の歴史』のススメ


大学受験日本史はまんがから始めよ!『日本の歴史』のススメ

受験日本史の難しさ

大学受験科目としての「日本史」に対して、みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。日本史そのものは小学生のころから社会という科目名で親しんできていますし、テレビをはじめとするメディアでも歴史の特集が多く組まれることもあり、意外と勉強しやすそうと感じている方も多いのではないでしょうか。

しかし、日本で生活している私たちにとって親しみやすい科目であるからこそ、入試という場面では詳細な知識や理解が求められるのが事実です。例えば大学受験の日本史学習者にとってスタンダードな用語集では、なんと1万語以上の用語が取り上げられています。もちろんこれらをすべて暗記する必要があるとは限りませんが、同じ大学受験の英単語帳を見てみると、スタンダードなものであれば掲載されている数は2,000語程度です。同じ社会科目の用語集を見ても、世界史は5,000語強、地理は4,000語弱ですから、日本史の「奥深さ」、言い換えれば日本史に求められる知識量がいかに多いかはいうまでもありません。

情報は整理しなければ知識にならない

このように情報量の多い日本史ですが、情報量の多い科目だからこそ一つ一つの情報を整理しなければ知識を効果的に習得することはできません。引き出しの中が整理されていなければどこに鉛筆があるのか、どこに消しゴムがあるのかわかりませんし、新しく購入した文房具がどこに行ったのかもわからなくなってしまいますよね。同じように日々勉強をしていても、ただ漫然と暗記をしているだけではいつまでたっても本当に使える(アウトプットできる)知識にはならないのです。

勉強の際は、どうしてもその瞬間ごとにミクロな視点でしか勉強できません。大学受験であれば、前述の通り1万語もの情報の波に飲まれながら勉強を進めなければならない以上、本格的に情報の洪水に飛び込む前に、しっかりと情報を整理するための「引き出し」を準備しておく必要があるでしょう。先ほどの文房具の例でも同じですが、先に「引き出し」を用意しておくからこそ自然と整理ができるように、日本史の情報の渦に飲まれる前に整理のための「引き出し」を準備しておくことは不可欠だといえるでしょう。

流れを整理するならまんががおすすめ

「引き出し」の重要性を述べましたが、実際の日本史学習では「流れ」を捉えることが「引き出し」を作ることに他なりません。あまり日本史になじみのない方でも、江戸時代の次は明治時代であることや、その後大正、昭和、平成、令和と時代が続いていくことはご存じだと思います。

その際に、もちろん学校で配られる教科書や市販の参考書、最近では映像講義を活用するなど様々な手段がありますが、私がお勧めするのは歴史まんがの活用です。受験勉強にまんがというと邪道に感じる方もいるかもしれませんが、親しみやすく抵抗感なく触れられる教材として、これ以上のものはないでしょう。

実際にまんがで流れを捉えていくためには「3つのレベル感」をおさえていくことが重要ですが、これは実際の書籍の使い方を紹介しながら後ほどお伝えしたいと思います。

日本史を勉強するなら角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』

日本史をまんがで勉強する場合、いくつかの出版社から出ている書籍の中から選ぶことになります。各社工夫された書籍を出していますが、今回は角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』を紹介したいと思います。

まず端的に書籍の特徴を列挙すると、
①監修が一貫している(東京大学教授 山本博文先生)
②出版年が新しい(2015年)
という点が挙げられます。

それぞれ当たり前のように感じるかもしれませんが、この2点をしっかりカバーしていることが、受験日本史の学習においては大きな効果を発揮するのです。

第一に監修が一貫している点ですが、実は日本史系の学習まんがでは時代ごとに監修を用意しているケースもあります。各時代の専門家が監修しているという点では優れていると言えますが、前述の通り私たちの目的は情報を整理することですので、一貫した流れで監修されている方が有用であるといえます。
さらに監修の山本先生は東大教授というだけでなく他にも受験レベルの日本史ジャンルでの出版も数多く、流れをおさえたストーリー進行は本作の中でも光るものがあります。

出版年の新しさは非常に重要

もう1つの特徴として出版年が新しいことが挙げられます。ポイントとなるのはただ新しいだけでなく、新学習指導要領に対応している点や、新しい歴史観・視点が採用されている点です。少し具体的に見てみましょう。
こちらは第1巻で小野妹子が遣隋使として中国大陸に渡った場面です。




小野妹子や遣隋使というキーワードはそれこそ小学生でも聞いたことのある知識だと思いますので、この1シーンに驚きはないと思います。しかし細かなところに丁寧な配慮がみられるのです。
ここでは「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」という文面に対して隋の皇帝である煬帝が怒ったというエピソードは有名ですが、昔は煬帝が激怒した理由は日本のことを「日出ずる処」、隋のことを「日没する処」としたためである、という説がありました。しかし現在ではそれよりも日本が隋に対して、対等な「天子」という呼称を用いたことが問題だったという考え方が主流です。本書ではそういった新しい歴史観にも対応している点が素晴らしく、専門家を監修に付けているだけでなく、情報のアップデートも丁寧におこなわれていることが見て取れます。

角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』の活用法

実際に本書を用いて日本史を学習する際には、「3つのレベル感」を整理しながら読み進めていくことが重要です。
まず、一番大きな視点で時代ごとの流れを捉えます。平安時代は貴族が栄えて、鎌倉時代は武士が台頭した、というような各時代の大枠を捉えていきます。この段階では細かな用語や人物名、出来事を暗記していくよりも「覚えられたらラッキー」くらいの気軽な気持ちでどんどん読み進めていきましょう。

次に、時代ごとの流れをおさえていきます。つまり2周目を読みながら中くらいの視点での理解を深めていきます。これは時代別にどのような登場人物がいたか、どのような出来事があったかを把握していきます。意欲的な生徒さんであれば教科書を読みながら、学校の授業の予習復習教材として使うと理解が深まります。あくまで時代ごとの流れをおさえられれば良いので、苦手な時代は繰り返し読んでも良いでしょう。

最後に、小さな視点で3周目以降を読み進めていきます。本書では細かな注釈やさりげない用語の説明、まんがならではの史料的描写が非常に有用です。出てきた用語を用語集で調べたり、本格的に教科書と一緒に読み進めたり、必要に応じて史料集を横に置きながら読んでいくのが効果的です。ここまで来るとある程度の流れは頭に入っていると思いますので、逆に普段日本史の学習をする中で忘れてしまったことの復習として本書を活用するのも効果的だといえます。


歴史的建造物はマンガのタッチを残しつつも史料集のように丁寧に描写されており、史料問題対策にもなります。


どのような勉強でもそうですが、重要なことは「繰り返す」ことです。一度で全てを理解し覚えることは不可能である以上、繰り返し丁寧に触れることでだんだんと知識が増え、いつのまにか得意になっていることでしょう。ぜひ本書を利用して日本史学習を進めてみてください。

小林尚
教育系YouTuber/個別指導塾CASTDICE経営者
高校・大学受験を支援する個別指導塾CASTDICEの塾長。開成高校、東京大学法学部卒。著書『開成流ロジカル勉強法』。YouTube(https://www.youtube.com/c/castdicetv)では大学受験の勉強法、参考書レビュー、大学選びといった受験生に役立つ情報を発信している。

 

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※3大特典つきセットはなくなり次第終了します。

特典① 戦国すごろく
応仁の乱から大阪夏の陣までの歴史的な出来事を再確認しながら遊べます。目ざせ天下統一!



特典② 近現代史まるわかりすごろく
家族や友だちといっしょにくり返し遊ぶだけで、むずかしい近現代史の流れが自然に身につきます!



特典③ 戦国武将のぼり旗しおり定規
織田信長・豊臣秀吉・明智光秀は家紋を使用! 武田信玄・真田幸村はリアルなのぼり旗を再現!



監修:山本 博文

定価
本体15200円(税別)
発売日
サイズ
その他
ISBN
9784041088326

 

 

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