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【レビュー】夏休みの強敵「読書感想文」がすぐ書ける! 全小学生必読ガイド

夏休み、どうしてもイヤな宿題があった。そう、読書感想文だ。
本を読むのは好きだし作文も苦手ではないけれど、読書感想文は何をどう書いたらいいのかわからなくてギリギリまで手を付けなかった。なんだったら始業式を過ぎても書かなかった年もある。本当に憂鬱な宿題だった。
思い返してみると、そもそも読書感想文の書き方を授業で教わったことはないし、提出したあとだって「〇〇さんの作品が読書感想文コンクールで賞に選ばれました。みなさん拍手!」なんて先生がさらっと発表する(ちょっとうらやましかったけど)程度の扱い。感想文を友達同士で読み合うこともなければ、返却されることのない自分の感想文がどんな評価をされたのかを知ることもなかった。「選ばれなかったんだし、きっとわたしの感想文はヘタクソなんだろう。よくわからないし苦手だなあ……」と、気付けば、謎の宿題という印象と苦手意識だけが残ったまま大人になってしまった。大人のわたしでさえこのありさまだ。今まさに夏休みの宿題と戦っている子どもたちにとっては、目の前に立ちふさがる強敵にちがいない。

本書の主人公フミヤも、読書感想文に苦しめられているその一人。友達のブン太・ヒロと三人で頭を抱えていたが、ひょんなことから教育学者の内藤先生の読書感想文講座を受けることになる。
内藤先生のモデルでもある本書の著者は、明治大学教授の斎藤孝氏。数多くの情報番組やバラエティ番組にも出演し、難しい話もわかりやすく、なおかつ楽しく教えてくれるアウトプット力の高さで注目される教育学者だ。読書が嫌いな「読めない派」、書くのが嫌いな「書けない派」の2タイプに分けて指導してくれるのだが、自分に合う本の選び方、「あるもの」を使った感想文がラクになる読書法、なかなか決まらない最初の一文の書き方などなど、つまずきがちなポイントをしっかりフォローしてくれるのだから、これほど心強い味方はいない。

しかし、本書を読むべき一番の理由は別にある。感想文のポイントや書き方の法則を学ぶにつれ、正体不明だった読書感想文の本当の姿がどんどん見えてくるのだ。
すると、世にある数多くの読書感想文ガイドには書かれていない「なぜ読書感想文を書くのか?」「読書感想文なんて将来の役に立たないでしょ?」という誰もが一度は考える疑問に答えが出る。本書を読み終えたあと、読書感想文のイメージは大きく変わっているはずだ。間違いなく、より良い方向へと。そしてなんだか読書感想文が書きたくなってくるのだから、著者の狙いにまんまとハマった自分に笑ってしまう。小学生のときに、いやせめて中学生のときに読んでおきたかった。なんてもったいない!

つい先だっても「読書感想文は必要なのか?」という議論がTwitterで話題となった。無理矢理感想文を書かせることで読書が嫌いになってしまうと主張する不要派や、感想文を書くことで楽しみ方が増えると主張する必要派などさまざまな意見が交わされる中、多く目についたのは、感想文は苦手・面倒というコメントだった。
うん、やっぱりそうなのだ。みんな苦手なのだ。そして苦手な人にこそ、この一冊をおすすめしたい。
同じ本を読んでも感想文は人それぞれで、そのどれもが正解なのだ。
子どもと一緒に本書を読んで、そのあと一緒に読書感想文を書いて見せ合いっこをする。今まで気が付かなかった子どもの思考にハッとして成長を感じたり、自分の頭の固さに苦笑いしてみたり……。今年はそんな夏休みを過ごすのもいいかもしれない。

 

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