おててを だして、せーの!
両手をつかって「おてて おてて おてて だあれ?」
ママの両手でできたどうぶつは、だれかな?
最初はみんなが知っている、身近ないぬさんが出てきます。
つぎはだれかな……?
わんわん、ぷくぷくなど、音の響き(擬音語)もとっても心地よいこの絵本。
最初に登場するのは、おててだけ。次のページをめくると、色鮮やかな動物が現れて、パッと目を引きます。
やわらかい手とやわらかい動物のイラストが、なんともかわいいです。
前半は、ママの両手でできた動物を当てる、当てっこ遊びを楽しみましょう。
当てっこができたらママのマネをして、一緒につくって、せーの!「わんわん」。
どっちがうまくできたかな?
今度は親子で力をあわせてやってみましょう
ママはグーで、赤ちゃんもグーで……どんな動物になるのかな?
ママの大きな手と子どもの小さな手を組み合わせた、ごりらさんが完成!
後半は、小さいお子さんでも一緒に作れるようになっているので、お子さんはずっとグーのままで、動物がつくれちゃいます。
「だあれ?」「なにかな?」「なにに見えるかな?」「ほらほら、ここが……」なんて会話をしながら、想像が広がります。
当店(柏の葉 蔦屋書店)では毎日おはなし会を実施しています。
たくさんお友だちが集まるので、子どもたちはワイワイ、そわそわしてしまいます。そこで、絵本に集中してもらえるように、おはなし会のはじめに手あそび歌を取り入れて、気持ちをこちらにぐっと引き寄せています。
平日は、赤ちゃんの参加もとても多いので、ママが赤ちゃんのからだを触ったり、揺らしたり、抱っこしたりと、コミュニケーションがはかれる本を読むことが多いです。
『おてて だあれ?』は、おはなし会の導入で手あそびとしても読んでいますし、集中してきたところで、読み聞かせとして紹介したりと、どちらにもってきても楽しむことができます。
とある日の、おはなし会の様子を少しお伝えしましょう。
両手で動物をつくる手あそびが楽しめる前半部分では、親御さんがお子さんに、いぬやあひるなどをつくって見せている姿を見つけました。
お姉ちゃんが、弟くんに一生懸命に教えてあげたりと、とても微笑ましい光景もありました。
後半部分では、親子で協力していろいろな動物をつくる手あそびが楽しめます。
小さなお子さんもグーで参加できるので、親御さんと楽しんでいるようでした。
手と手と合わせることで体温が伝わり、お子さんは安心もできますし、自然とスキンシップがとれます。
親子で一緒につくって遊べるところが、最大の魅力です。
「それじゃあ、これは? おてて だあれ?」
と問いかけて想像力を掻き立てたり、
「それじゃあ、今度は小さいチョキでなんのどうぶつがつくれるかな?」
いろんな動物を思い出しながら、カタチをつくってみたり……。
ときには「えー、(動物に)見えなーい」なんて声も。
見えなくてもいいんです!
楽しみながら手を動かし、「うほ うほ」「がおーっ」って言ううちに、だんだんそう見えてくるのです。
親とのスキンシップは、子どもの成長にとって、欠かせないもの。
まずは、自分が楽しんで、お子さんに読んであげてくださいね。