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目からウロコの絵本活用法がたっぷり! 絵本『やってみよう!』 八田亜矢子さん&伸芽会スペシャルトークイベントレポート!

2024年3月28日に、幼稚園・小学校受験の名門幼児教室、伸芽会完全監修の絵本『やってみよう!』の発売を記念して「子どものやる気を引き出し、楽しみながら一歩先の知識を身につけるためには?」をテーマにしたペシャルトークイベントが開催されました。



八田亜矢子さん(東京大学卒・タレント)と伸芽会の講師陣によるスペシャルトークイベントでは、絵本の活用法はもちろん、子どものやる気を伸ばす声かけ法、小学校受験を無理なく乗り切る秘訣、八田さんの幼少期の体験談など、ここでしか聞けない内容が満載でした。子育て中の親御さん必見です!


【プロフィール】

八田亜矢子さん(タレント)
桜蔭中学・公立中学校を経て筑波大学附属高校、東京大学医学部を卒業後、東京大学大学院医学系研究科修士課程を修了。現在は、タレントとして幅広い分野で活躍中。この春から幼稚園に通う3歳男の子のママ。

麻生尚子先生(伸芽会教育研究所次長)
幼児の発達に応じたきめ細かい指導により、保護者からの信頼も厚い。雙葉小学校をはじめとする女子難関校から共学難関校、幼稚園受験まで幅広い合格者を輩出。今回の絵本『やってみよう!』の監修者。

谷原優子先生(伸芽会教育本部部長)
お子さまのみならず、保護者への多くのアドバイスと励ましにより、慶應義塾幼稚舎、早稲田実業学校初等部、成蹊小学校などの名門校に多くの合格者を輩出。

 

子育てでのゴールは「子どもの自立」。近道を探すことが正解ではない

__絵本の冒頭に「子どもの自立」と「親の子離れ」について書かれた文章が印象的ですが、その理由とは?


登壇者左より八田亜矢子さん、麻生尚子先生、谷原優子先生


麻生先生:今は一人っ子の家庭が増え、よくも悪くも手や目をかけられる環境が多くなっています。そこで、親御さんには、わが子が自分でやれる機会を奪っていたり、行きすぎた子育てになっていたりしないかを振り返ってほしいと思い、このテーマを冒頭に入れました。これは決して一人っ子だから悪いということではなく、一人っ子でも兄弟が多くても自立や子離れは必要だということです。特に小学校に上がる際は一人で通うことになりますから、自立心は不可欠です。親としてその時期を見逃さず、上手に一線を引いていきたいですよね。


麻生尚子先生。『やってみよう!』の監修を担当。最初に「自立」というテーマを入れ意図を解説していただきました。


八田さん3歳の子を育てる親として耳が痛いです! どうしても子どものためを思うと先回りしすぎてしまうことが多くて……。私自身、親にしてもらった教育には感謝していますが、勉強以外の面で、何かを判断して選び、道を切り開く経験は足りなかったと反省しているとこともあるので、息子にはそこを意識した子育てをしたいと考えているところです。


八田亜矢子さん。3歳男の子の現役ママとして、ご自身の経験を元に考えながら語ってくださいました。


__今どきの親子を見て自立について感じることはありますか?

谷原先生昔も今も子育てに自立が大切であることは変わりませんが、以前は子育てのHow Toやマニュアル本が多かったのに対し、最近はSNSの普及もあり、身近な人と比べる機会が多くあるために、自信が持てない親御さんが多い印象です。また、すぐに上達するやり方や答えを教えてほしいという近道を探す傾向もあると思います。親御さんは日々お忙しいと思いますが、もう少しゆっくりお子さんと向き合うと、子育てがもっと楽しくなるのではと思います。


谷原優子先生。たくさんの保護者と接してきた経験から「今の保護者の方は自信や余裕がない」と感じることがあるそう。


八田さん情報がありすぎて惑わされることは正直多いと思います。私もSNSなどで見ると「すごい、うちの子できないのに……」などと不安になることは何度もありました。子育てでは近道を探すことが正解ではないんですよね。

絵本で発達を促すという絵本のスタイルが新しい!

__絵本『やってみよう!』の具体的な活用法を教えてください

麻生先生この絵本は巻末に保護者向けの解説を入れた、普通の読み物と違う構成になっています。ただ絵本を読むだけでは作者の意図が伝わりづらいこともあります。ですから、1回目はストーリーを楽しみながら読み聞かせ、2回目は親御さんが解説を読んでそれぞれのぺージにこめた想いを感じ、3回目に子どもと対話し会話を膨らませながら、計3回は読んでみてください。


1ページ目に「この本のねらい」と特徴が書いてあります。


 


1回目は絵本として物語を楽しんで!


 


2回目は大人が解説を読んでページの意図を理解。 3回目は大人が声をかけたり、物語を膨らませながら読むと盛り上がり、語彙力や表現力、伝える力などがアップ!


 

麻生先生解説を読んでから絵本を読み直すと印象が変わるという嬉しい声もいただいています。実際に私も2年生の息子と対話しながら読んでみたところ、30分以上かかりました。話がどんどんふくらんで、子どもの語彙力が増えたなと実感し、新たな気づきもありました。ただ、親子で盛り上がってしまうので、この読み方は寝る前にはあまり向いていないかもしれません(笑)。

八田さん:私も読ませていただきました。3歳の息子に「これはなあに?」と聞かれたり、大好きなありの行列のシーンには大喜びしたりしていました。何より、絵本としても子育ての解説書としても、成長段階に応じてできるといいことが書かれてあって、すごく学びが多いと感じました。絵本で発達を促すという新しい絵本の読み方を教わったことで、これまで読んできた絵本に対する見方も変わりました。


八田さんの息子さんが大好きだという、ありの行列に出会うシーン。ありが何をしているのかな? 何匹いるかな? どうして同じ方向に行くのかな? など想像力を広げられるシーンがたくさんあるのが、『やってみよう!』の特徴のひとつ。


麻生先生すごくうれしいです。ある調査によると、10年前は30分近くあった幼児の平均読書時間が今は10分と、絵本離れが進んでいるそうです。一方のタブレッドやゲーム、テレビなど動画を視聴する時間は10年前も今も1日平均2時間とはさほど変わっていないとも。絵本から学べることはたくさんあるので、大切なコミュニケーション手段としてもっともっと活用していただきたいですよね。

幼児は絵本の主人公の気持ちを疑似体験するとやる気がアップする

__子どものやる気を引き出す親の声掛けについて教えてください!

麻生先生大事なポイントは2つあります。
お子さんの様子をじっくり見ること
他人と比較したり、その子自身を否定したりしないこと

また、成長してくると「すごい!」だけでは喜んでくれなくなりますから、具体的に褒めるといいと思います。さらに、伸芽会では「褒める」というのは、親がわが子を結果重視でジャッジしたり上から目線の「評価」につながったりすることが多いので、過程を「認める」ということを日々意識しています。

谷原さん:他には、「親子で一緒に楽しむ」というのもやる気を促す重要なポイントです。親が楽しんでいると子どもはモチベーションがあがります。一方で、3歳くらいから自分とは違う人の気持ちが理解できるようになります。親が言っても言うことを聞かない場合は、たとえば片付けしない子、言うことを聞かない子がテーマの絵本を通して、主人公の気持ちを疑似体験すると、すっと受け入れられることもあると思いますよ。

八田さん:親に言われて聞けなくても、絵本やぬいぐるみのキャラクターの言うことは聞けるということはよくありますよね。

谷原先生:そうなんです。さらに3歳以降になると、周りのお友だちに認めてもらいたいという気持ちが出てくるので、そういった子にもやる気や向上心のきっかけにつながるともいますよ。

子どもと一緒にいられる時間は思っているより短い!

__幼児期の体験や遊びを通してどんなことが学べますか?

麻生先生:幼児にとって遊びは、睡眠や排せつ、食事と同じくらい大切だと言われています。
お友だちと遊ぶことで達成感や新たな発見もあるでしょう。人間の脳は5歳までに80%出来上がると言われていますから、ぜひ五感を使ってたくさん遊んでほしいですよね。
絵本にも出てくるような五感を使った遊びは、感覚機能を高めることはもちろん、危険回避能力も身に付きます。たとえば、アイロンは熱いから危ない、川に近づくと流されるから危険など……。体験をする際は、「子どもに何かをさせよう」ではなく、やはり親子で一緒に目的を持って体験するということが何より大切だと思います。


「遊び」は五感を成長させる大切な経験。人間の脳は5歳までに80%できあがるといわれているそう。「子どもには、たくさん遊んでいろいろな体験、経験をさせてあげてほしい」と麻生先生。


八田さん私自身は幼少期に勉強ばかりだったので、息子には自然体験を心がけて子育てしていて。ただ、3歳になっていろんな場所につれていけるのが嬉しくて、家族で野菜収穫、キャンプと、いろいろやりすぎてしまったせいか、息子はあまり覚えていないみたいで(笑)。いつか何かのきっかけで思い出したり、どこかに残っていたりするのを期待しているのですが、それで大丈夫ですか?

麻生先生:親御さんが楽しんでいるのが一番ですから、すごく素敵だと思いますよ。体験は蓄積と振り返りがポイントです。写真や動画を見ながら「畑でナスの収穫をしたよね。花は何色だったかな?」などと、ときおり問いかけたりするのも有効です。

__最後に子育て中の親御さんにメッセージをお願いします。

麻生先生親が子どもと生涯過ごせる時間を調べた調査によると、お母さんとは時間計算で平均7年半くらい、お父さんとは平均3年4ヵ月という数字が出ています。一緒にいられる時間は案外短いんです。それを割合にすると3歳までで18%、卒園時は38%、小学校卒業次点で55%過ぎてしまうんだそう。改めて子育てはあっという間にすぎてしまいますから、一緒に関われる時間の充実度を意識して楽しんでみてください。この絵本が少しでも子育てに役立ててくださったら、とても嬉しいです。

絵本『やってみよう!』に込められた想い

子育てでのゴールは近道を探すことが正解ではなく「子どもの自立」や「親の子離れ」であるということ。にもかかわらず、令和の子育てはSNSの普及もあり、人と比べたり、親が先回りしてしまったりする過干渉傾向があるのも事実。だからこそ、絵本で発達を促し、体験を深め、親子で楽しみながらあっという間に過ぎてしまう子育てを楽しんでくださいね。

SHINGA FARMの記事では、八田さんの幼少期の体験や小学校受験にこの絵本をどう役立てればいいかを教えていただきました。そちらもぜひご覧ください!

絵本『やってみよう!』八田亜矢子さん&伸芽会スペシャルトークイベントレポート

書籍情報


監修: 伸芽会 作・絵: たはら ともみ

定価
1,650円(本体1,500円+税)
発売日
サイズ
A4変形判
ISBN
9784041132944

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