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――きっかけは、息子の「絵本作って」―― 『ちんちんぼうずのだいぼうけん』発売記念インタビュー 横峰沙弥香さん

Instagramで大人気のイラストレーター横峰沙弥香さんが、息子まめくんとの合作で作り上げた話題の絵本『ちんちんぼうずのだいぼうけん』。くすっと笑える制作秘話をお伺いしました。
取材・文:富士見L文庫編集部

大変そうだけど絶対に楽しいはず

――はじめに、この絵本を書いたきっかけを教えてください。

まめが突然「えほんをつくりたい」と言い出したことがきっかけです。
大変そうだけど絶対に楽しいはずだと思い、すぐに無印良品に行って画用紙絵本ノートを買ってきて一緒につくりはじめました。
本人はノリで言ってみたら母が本気にしちゃって……という感じだったと思います。

――当時4歳だったまめくんからどのように物語をヒアリングしていったのですか?

まず「ちんちんぼうずのだいぼうけん」という、まめこだわりのタイトルがあって、ストーリーは後から細かくつけていきました。
まめのなかには、ちんちんぼうずが遊びに行き、外で色々楽しいことがあって、家に帰るという、ふんわりした流れだけはあったようです。
それをふまえて

「じゃあ、どこに遊びに行こうか」

まめ「ちんちんぼうずはあっちに行きたいって思ってるけど、ちんちんのあかちゃんはこっちに行きたいって思っている」

「ええっ!?じゃあどする!?」

まめ「大丈夫だよ、あっちこっち坂にいくから」

というふうにヒアリングを進めていきました。

「みんなで食べるんだからこれくらい大きくないとだめでしょ」

――こだわりのページを教えてください!

まめは、おしっこで火を消すシーンが断然お気に入りなのだそうです。
着彩の作業をするときはまめが隣でイメージを確認しながらいっしょに色を決めていったのですが、いわゆる普通のおしっこの色ではなく、かといって無難な水色でもなく、キラキラといろんな色に光るドリーミーなおしっこのカラーに決まるまでまめはなんども指示を出してきました。

私は、ちんちんぼうずとにじいろのドラゴンが仲良くなって
森のみんなといっしょに白ごはんと鮭を食べるシーンがお気に入りです。
まず、白ごはんと鮭の大きさに驚きました。
まめは「みんなで食べるんだからこれくらい大きくないとだめでしょ」と平然としていて、こういう常識に囚われない発想が羨ましいなと思いました。
森の仲間たちも、小鳥が妙に大きかったりとちぐはぐな部分もおおいのですがそれが妙にくせになる大好きなページです。



――制作中のおもしろエピソードはありますか?

この絵本に出てくる生き物や背景の植物などもできる限りまめのイメージをヒアリングしてイラスト化しました。まだ5歳(絵本製作時は4歳)のまめが考えるイメージなので、背景の至る所に日常的に目にする食べ物や植物が潜んでいます。
制作期間は、ハンバーガーを食べながら「これもちんちんぼうずに入れてよ!」というように随時絵本に入れたいものを盛り込んできたりするので気を抜く暇がありませんでした。
実は、我が家で育てている観葉植物たちもほぼそのままのかたちでひっそりと背景に入っています。

 





蛇足ですが、編集者さんとのやり取りの中で
フォルダに「chinchin」という名前で送りつけるのはなんだか恥ずかしいし失礼ではないかといらない心配をしてわざわざ「tintin」にしたのですが普通に「chinchin」で返事が来て笑いました。
なので途中からは「chinchin」になりました。



子どもが「やってみたい」と言ってきたことは(可能な範囲で)断らない

――お子さんとの日常で、大切にしていることは何ですか?

約束を守ることと、子どもが「やってみたい」と言ってきたことは(可能な範囲で)断らないことです。
夫は「明日連れて行ってあげるから今は我慢して!」と言ってしまったばかりに翌日仕事を休んで子供たちを温泉に連れていくことになっていました。
私は無茶ぶりに応え続けた結果、夢だった絵本まで出版することができたので、これからも我が家のこのスタンスは大切にしていこうと思いました。

――最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします。

「ちんちんぼうずのだいぼうけん」というタイトルを改めてみていると本当に攻めているなと思いますし、それでも手に取ってくださった読者の方には感謝しかありません。
物語には直接絡んでこないモブキャラたちにも細かい設定があったり、そこかしこにあるキャラクターが隠れていたりするので、本編以外のところでも楽しんでいただけたら嬉しいです!

 

まめ
黄色い服がトレードマークの横峰家の長男。ジェントルマンで家族思いな保育園児。本作がデビュー作となる。

よこみね さやか
長崎県出身。イラストレーター。
夫、長男まめ、長女ゆめことの四人家族。Instagramにクスッと笑える日常を描いたイラストを投稿し、世のママたちの熱い支持を集める。著作に『まめ日記』(かんき出版)、『まめ日和』(光文社)など。

 

作品情報

ちんちんぼうずのだいぼうけん
絵 よこみね さやか 作 まめ



こどもの作った物語にお母さんが絵を描いた、夢の絵本!
ぼくの名前は ちんちんぼうず。
相棒は ちんちんのあかちゃん。
ある日 冒険に出かけたら、火事を発見!
「ぼくにまかせて!」
ちんちんぼうずの大活躍で火が消えると、そこにいたのは美しいドラゴン。ちんちんぼうずとドラゴンは、ふたりでふしぎな世界の冒険に旅立つことに――!
Instagramフォロワー数30万人の横峰沙弥香が、息子・まめくん(4歳)の考えた物語に絵を付けた、初の絵本!


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