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「明日、学校を休みたい」と思ったことのあるあなたへ 親子で学ぶ”自分を休ませる方法”


なぜかいつもイライラする、学校に行く意味がわからない、コロナで目標がなくなった……休めていない人の特徴をおさえ、対処法をまとめた『学校では教えてくれない 自分を休ませる方法』が絶賛発売中です。
本当の意味で自分を休ませるとはどういうことなのか。ネガティブなイメージではなく、問題解決の手段としての「休み」の提案してくれる本書の一部をご紹介します。

「休む」の意味を考えてみましょう

 「休む」という言葉から、あなたはどんな印象を受けますか? 学校を休む、部活を休む……。「休む」には、「するべきことをしていない」といったネガティブなイメージがつきまとっているのではないでしょうか。
 でも本来の「休む」とは、休息をとってリフレッシュすること。だれにとっても絶対に必要なことであり、子どもの場合何らかの事情から、自分を休ませるために「学校に行かない」という選択をすることもあります。私はこうした場合を、「不登校」ではなく「自主休校」と言い表すのがよいと考えています。

自分が休みを求めているサイン

 運動をしすぎると、筋肉痛が起こったりだるさを感じたりします。これは、体からの「疲れた」というサインです。それと同じように、心もストレスがかかりすぎると疲れてしまいます。ただし心の疲れは、自分でも気づきにくいもの。さらに「みんなも同じように感じているんだろう」などと考え、つらさを隠してがまんしてしまうことが少なくないんです。
 でもストレスを軽く見てはいけません。心が疲れると、生活にも影響が出てきます。以下のようなサインに気づいたら、早めに自分を休ませましょう。

 


ストレスサインの例

「ストレスサインの例」


休みが必要になるのはこんなとき

 「休むこと」には、自分を苦しめるものから距離をおいて「自分を守る」という大切な意味があります。苦しさの原因はさまざまですが、だれにとっても大きなストレスとなるのが、「安全」や「健康」がおびやかされることです。
 「安全」とは、体と心の両方が守られ、安心していられる状態のこと。だれかから暴力をふるわれるような場合だけでなく、周りから無視されるなど、心が傷つけられることが起こる場合も、安全とはいえません。
 「健康」とは、体にも心にも余計な負担がかからず、元気に生活できる状態のこと。勉強や部活、習いごとなどをがんばりすぎたり、病気や体調の悪さを人に言えずにがまんしたりしていると、健康が損なわれてしまいます。また、学校の環境があまりにも自分の特性に合わないような場合も、徐々に健康に影響が出てくる可能性があります。
 私は、安全や健康がおびやかされている場合は、すぐにでも自分を休ませたほうがいい、と考えています。まずは自分を苦しめているストレスの原因からいったん離れ、しっかり力を蓄える! そのように元気な自分をとり戻すことが、問題の解決にもつながります。
 自分を休ませるためには、「休みたいタイミングで休む」ことが大切です。学校は、「病気やけがをしたとき以外は休んではいけない」ものというイメージがあります。でも安全や健康がおびやかされていると感じるときは、自分を守るために休んだほうがよい場合もあるのではないかな、と思うのです。

学校を休む= 休めているとは限らない

 「自分を休ませること」と「学校を休むこと」は、イコールではありません。ストレスがかかりすぎていない状態なら、学校に通いながら体も心もしっかり休ませることができます。反対に、学校生活以外にもストレスの原因がある場合は、学校を休んでもぜんぜん休めていない……ということもあるんです。
 自分を休ませることができると、気持ちや体、ふるまいに表れるストレスサインが減ってきます。同時に、自分がやりたいと思うことができるようになっていきます。

 ただしこの場合、「やりたいと思っていること」が、今の自分の状態に合っていることが大切です。心や体が疲れきっているときに、いきなり「毎日学校に行く」ことを目指すのは難しいでしょう。まずはちょっとがんばればできることを「やりたいこと」に設定し、それができたら次の目標へ、と階段を1 段ずつ上るようにステップアップしていくのが正解です。
 下の図を見てください。今のあなたは、階段の何段めにいますか? 自分のいる位置がわかったら、その段階に合う「やりたいこと」を考えてみてください。目標としてふさわしいのは、「できるときとできないときがある」ようなこと。「絶対にできそうにない」ことや「確実にできること」は、今のあなたにとって高すぎる、または低すぎる目標です。
 まずは今の自分にあった「やりたいこと」を決め、それが完全にできるようになったら次のステップへ。あせらず、1 段ずつ上っていきましょう。



いかがでしたか?
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、自宅で過ごさざるを得ない状況の中、子供も大人も知らず知らずのうちに大きなストレスを抱え、心の健康を害してしまった人は少なくないでしょう。そんな不安定な時代だからこそ、「休む」ことの価値が見直されるべきなのだと思われます。
本書を参考に、ぜひ心を休ませてあげてください。
以下より【ストレスチェックシート】をダウンロードいただけます。より良い生活を送るための一助となれば幸いです。



※「ダウンロード」のボタンをクリックするとPDFファイルが表示されます(ご利用のデバイスの設定によってはPDFのダウンロードが開始されます)ので、ご利用のデバイスの設定に従って保存・プリントアウトをしてお使いください。

書籍情報

学校では教えてくれない 自分を休ませる方法



著者 井上 祐紀
休むことは“悪”でも“負け”でもありません。精神科医が教えるセルフケア
なぜかいつもイライラする、学校に行く意味がわからない、コロナで目標がなくなった……休めていない人の特徴をおさえ、対処法をまとめました。
必ずしも学校を休むことが「自分を休ませること」とイコールになるわけではありません。
本当の意味で自分を休ませるとはどういうことなのか。ネガティブなイメージではなく、問題解決の手段としての「休み」の提案をします。
小学校高学年~大人まで読んでほしい、精神科医が教えるセルフケアの決定版。

もくじ
【Chapter1】 「休む」ってなんだろう?
自分が休みを求めているサイン
学校を休む= 休めているとは限らない
「安全な相談者」と「距離をおくべき相談者」を見分けるヒント etc..
【Chapter 2】 お悩み解決 自分の心と体
眠れない&寝ているのに眠い
食欲がない&食べるのがやめられない
目標としていた行事がなくなった
自分の外見が気になる
ゲームがやめられない
自分を痛めつけたくなる etc..
【Chapter3】 お悩み解決 人とのかかわり
怒りたくないのに怒ってしまう
友だちにきらわれている気がする
学校に話したい友だちがいない
親と一緒にいるとイライラする etc..
【Chapter4】 お悩み解決 上手な休み方
本当は休みたいのに休めない
休んでいることをどう思われているか気になる
親から勉強や手伝いをしなさいと言われるのがいや
学校に行く意味がわからない etc..
【Chapter5】 実践ワーク 休みための第一歩
「今」に集中するワークでストレスに流されない自分に
「大人の自分」との会話
自分を守るキャラバトル etc..
【番外編】 大人たちへ伝えたい
大人から子どもへの「3つの期待」
「自主休校式」で生活の決まりを共有する
攻撃的な態度は「かなわなかった希望」の表れかも
「なぜ」休みたいかを聞きすぎないで etc..

 

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