「……あ、あれ? 無事だ……わっ!」
ハレくんたち四人が、下敷きになってくれていた。
「ふう。なんとか、間に合ったね」
「こんな無茶をするなんてな。俺まで、ハレに似てきたのか……」
「ひやひやしたよ~」
「あわわっ! みんな、だいじょ……」
「いいから、さっさとどけ!」
あわててどいて、手をのばす。ハレくんは迷わずつかんで、立ち上がる。
「ほんとごめんね。ケガは……」
「空を受けとめるくらいで、ケガなんかしない。それより、カンペキな晴れだな」
にぎっていた手をはなして、ピカピカの太陽を見ながら言う。
あっ、前みたいにほめてくれるのかな……!
「空、よくがんばったな──って、言うわけないだろ!」
「えっ、なんで?! わたし、がんばって晴れにしたよ?」
「まだがんばることが、あるだろ。借り人競争で、一位になるんだろ」
「はっ! そうだった、運動会があるんだった」
「あるんだったって……。その、すぐ油断するくせをどうにかしろっ」
「ハレ、そんなおこらないでよ」アメくんが、ハレくんの肩に手をおく。「空ちゃんのおかげで、ぼくたちみんな、運動会に出られるんだから」
「ぼくたちって……アメくん、ちゃんと治ったの?」
「うん。悪天蝶が消えたとたん、ウソみたいに体が軽くなったんだ。もうだいじょうぶ。空ちゃん。ほんとうに、ありがとう」
やさしく笑いながら、お礼を言う。
うぅ。アメくんのこの顔が、見たかったの……。
「みんな、話はあとだ。さっさと体をふいて、体操服に着替えるぞ」
ライくんが、冷静に指示を出す。
「そうだね。はやく体操服に……ああ!」
わ、わたしったら、なんてことを……!
「どうしたの、空ちゃん。だいじょうぶ?」
「もしかして、ケガしたのか?」
「ううん、ちがうの。わたし……家に体操服忘れてきちゃった!」
儀式のことで頭がいっぱいで、部屋に置きっぱなしだよ~!
「どうしたらいいかな?!」
「そんなの、決まってるだろ。走って、とりにもどるぞ!」
「えっ、今から?! 間に合うかな……って、ハレくん! ちょっとまって~!」
「みんなで行こうよ! なんか、たのしそうだし♪」
「べつに、全員で行く必要は……って、聞くわけないな。みんな、ころぶなよ!」
「なんだか、もう運動会がはじまってるみたいだね」
すっかり、ぐしょぐしょにぬれた校庭。わたしたちは、あちこちにある水たまりを跳んでよけながら走る。
跳びこえた水たまりには、青く晴れた空が映っていた。
第15回へつづく