わくわくいっぱい、つばさ文庫の新シリーズ! 超~優柔不断で自分になかなか自信がもてない5年生の女の子、天川空がある日突然、天気をあやつるチカラを手にいれた!? 勇気も自信もなかったけど、つよい意思で天気をあやつるために、はじめて自分で目標をたてて、やるって決めた! 個性豊かなお天気男子たちといっしょに、運動会を晴れにせよ!(公開期限:2026年8月31日(月)23:59まで)
15★運命の日
日付:六月六日
時刻:六時七分
場所:学校の校庭
天気:大雨
「──よしっ、完成!」
校庭に、白ラインで、巨大な晴れの印を描きおわる。
雨でぬれて消えないように、何回も何回も塗った。
「きれいにできたね、空ちゃん」
「アメくん、手伝ってくれてありがとう。でも、休んでなくてだいじょうぶなの?」
熱が下がったからって来てくれたけど、まだまだ心配。
「空ちゃんががんばってるのに、寝ていられないよ。ぼくもがんばらないと」
「そらりん! 見て!」
うしろから、フウくんに肩をつつかれる。ふり返ると、ライくんもいた。
「おれたちからプレゼントだよ! じゃーん!」
「わあ! かわいい!」
笑顔がこぼれる。二人が見せてくれたのは、大きな虹色のカラフルなかさだった。
「どうしたの? どこで買ったの?」
「盾にしようと、フウとつくったんだ。儀式の最中、なにが起こるか分からないからな。頑丈な生地でつくったから、そうかんたんにはこわれない」
「デザインは、おれが考えたんだよ♪」
「ありがとう! ……でも、大きすぎない? わたし一人で持てるかな」
「五人が入るには、ちょうどいいだろ」
合流したハレくんが、大きくうなずく。
「えっ、五人って? もしかして、みんなも印の中に立つの?」
「あたりまえだろ。ライの言うとおり、なにが起こるか分からない。いざっていうときに、空を守れるようにな」
「ハレくん……」
「だから空は、余計なこと考えずに、晴れにすることだけに集中して──」
バシャッ!
「うわっ、なんだよ!」
とつぜん、ハレくんが大量の雨でずぶぬれになった。まるで、上から、水が入ったバケツをひっくり返されたみたいに。
でも、ハレくんの上だけじゃない。校庭にふる雨の量が、一気にふえた。
雨つぶの勢いも強くなって、顔や体が痛い。目もなかなか開けられない。
「……ん? みんな、あれを見ろ!」
ライくんが指さす方向に、悪天蝶たちがいた。校庭の上を飛び回りながら、悪天粉をまき散らしている。
「まだ、雨の量をふやす気かよ。ぜったいに晴れにさせないつもりだな」
「雨の重さに、押しつぶされそうだ」
「ヤバすぎなんだけど~」
ハレくんたちは、うんとけわしい顔をしている。
今までどんなお願いでもかなえてきたみんなでも、この天気を変えることはたいへんだって感じるんだ……。
でも、だからこそ負けたくないよ。