「みんな、だいじょうぶ。ぜったいに晴れにする。わたし、がんばるから」
「空お前……えらそうにするな」
「ええ! いいこと言ったと思ったのに……」
「お前だけじゃなくて、オレたちみんなでがんばるんだよ」
みんなで……そっか、そうだよね。わたしたち、仲間だもんね!
かさを持って、いよいよ、五人で校庭のまん中に立つ。
「空。お前は、なにがあっても、天気を晴れにすることだけ考えろよ」
「うん。じゃあ、はじめるね」
特訓どおり、手を合わせて目を閉じる。それから、晴れている空をイメージして……。
「……だめだ! さっそくピンチだよ!」
泣きそうな顔で、ハレくんを見る。
「雨の音しか聞こえなくて、晴れているイメージができない!」
浮かぶのは、どんより暗い空、びしょびしょの校庭……。どうしよう、どうしよう?!
「落ちつけ。あせるな」
「でも、はやくしないと……」
「空ちゃんっ」
アメくんが、にっこり笑顔を近づける。
「ぼく、運動会ってまだよく知らないんだよね。どんな様子か教えてくれない?」
「様子? えっと……。みんな、おでこに、それぞれの組の色のハチマキをしているよ。カラフルな旗も、いっぱいかざってあって。観覧席には、みんなの家族が来ていて……」
校庭はさらさらかわいていて、風が流れるたびに土の粉がふき上がる。
あちこちに白線が引いてあって、だれかの足あとが見える。
走ったあとに見上げる空は──すごくきれいな、水色。
頭に景色が浮かんだ。その瞬間、校庭に描いた印と手のひらの印が、赤く光りはじめる。
「イメージできた! アメくん、ありがとう!」
合わせる手に力をこめる。しずかに深呼吸して、いよいよとなえる。
「空よ、晴れろ──」
印の光が、大きくなる。
わたしは気持ちをこめて、もう一度言う。
「空、晴れて──────!!」
ぴたっ──。
校庭の雨つぶたちが、一時停止する。時間まで止まったみたいに、すごくしずか。
でも数秒後──。
ビュッビュッビュッビュッビュッ!
こっちに、いっせいに飛んでくる。たくさんの小さな針が、刺しに来るみたいに。
さっと、フウくんとライくんが前に出る。
「かさひらくよー!」
バンッと、虹色のかさがひらく。
バチバチバチバチバチッ!!
雨つぶがはねる音が、かさをやぶりそうなほどはげしい。
でもおかげで、体に当たらずにすんだ。
「ありがとう! ライくん、フウくん」
「ま~ね~って、わっ!」
「なんだ……うわっ!」
とつぜん、二人はかさごと、校庭の端っこに吹き飛ばされた。
ゴゴゴゴゴッ!
いつの間にか、目の前に、巨大な水の竜巻が立ちはだかっていた。