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大人気!「お天気係におねがい! 運動会を晴れにせよ!」先行ためし読み連載 第13回

わくわくいっぱい、つばさ文庫の新シリーズ! 超~優柔不断で自分になかなか自信がもてない5年生の女の子、天川空がある日突然、天気をあやつるチカラを手にいれた!? 勇気も自信もなかったけど、つよい意思で天気をあやつるために、はじめて自分で目標をたてて、やるって決めた! 個性豊かなお天気男子たちといっしょに、運動会を晴れにせよ!(公開期限:2026年8月31日(月)23:59まで)


 

14★雨ふって、地かたまる

「わたしはビビリじゃなくて、莉子ちゃんの気持ちが分かるだけだもん……」

 部屋で体育座りをしながら、ひとり言をつぶやく。

 ハレくんは、失敗したことがないから分からないんだよ。

 リレーの最中、バトンを落として、みんなにがっかりされた莉子ちゃん。

 それが、去年、向井くんと二人三脚をしてビリになったじぶんと重なる。

 だれも味方がいないって、つらいんだよ。わたしだけは、莉子ちゃんの味方でいたい……。

 そう強く思うと、またなみだが出てくる。

 こんこんっと、ノックの音が聞こえた。あわてて、服のそででなみだをふく。

「空、いい?」

 ママだった。

「お友だちが来てるわよ。夜雲さんの親せきの子なんだけど……」

「え! もしかして、ハレ──」

「空ちゃん、久しぶり」

 ひょっこり、あらわれたのはアメくんだった。

「アメくん! なんでここに?」

「会いたくなってね。入るね」

 ママが出ていって、わたしたちはならんで床にすわる。

「アメくん、体はだいじょうぶなの?」

「まだぼーっとするけれど、だいぶよくなったよ。みんなの看病のおかげだね。それから、空ちゃんがくれた花のおかげ」

 アメくんの笑顔に、わたしの顔もゆるむ。

 やっぱり、アメくんと話すとほっとする……。

「どうして来てくれたの?」

「んー。空ちゃんが泣いているような気がして」

「えっ、泣いてるの見られちゃった?」

「ぼくが、そう感じたんだよ。特訓中のはずなのに、ハレが落ちこんで帰ってきたから。空ちゃんと、なにかあったんだなって。聞いても答えてくれなかったけど……ケンカでもしたかな?」

「う、うん……。ハレくん、そんなに落ちこんでたの?」

「神さまの力があったころは、そんなことなかったけどね。ハレの気持ちが沈むと、太陽まで沈んじゃうから。でもそれだけ、かなしかったんだろうね。そのくせ、仲直りの仕方も分からない。こまったよ」

「あっ、あのね。わたし、こまらせたかったわけじゃないんだよ?」

「分かってる」

 アメくんは、ゆっくりうなずく。

「でも、もっと分かってあげたい。だから、なにがあったかぜんぶ話してくれる?」

「うん。あのね……」

 莉子ちゃんの本音、ハレくんとのやりとり、そしてわたしの気持ちをぜんぶ話す。

 アメくんはずっと、やさしい顔で聞いてくれていた。

「そっかあ。そんなたいへんなことが、あったんだね」

「お願いをかなえなきゃいけないのは、分かってるんだよ。でもわたしは、莉子ちゃんの気持ちを考えると迷っちゃうの。どうしたら、この迷いをなくせるか分からなくて……」

 ひざの上で、ぎゅっと手をにぎる。

「わたしの、悪いくせのせいだよね。願いをかなえられなかったら、深沢先ぱいや真央ちゃんを裏切っちゃう。わたしたちだって、地獄に落ちちゃう。それなのに、莉子ちゃんのことを考えちゃう。いつも周りの人の気持ちばっかりうかがって、じぶんで決められないくせが直らないから……」

「ううん、悪いくせじゃないよ」

 アメくんは、わたしの手をとって、じぶんの手をかさねる。



「さいしょにも言ったけれど、雨をふらせるには、やさしい気持ちが必要なんだ。だいじな人の気持ちを守りたいっていう思いやり。空ちゃんはすごく思いやりがある。だけど──今の、莉子ちゃんに対する空ちゃんの気持ちは、思いやりとはちがう」

 アメくんはしずかに、でもはっきり言った。

「空ちゃんは、莉子ちゃんの運動会をこわがる気持ちを守ってあげなくちゃ、莉子ちゃんの友だち失格になるってこわがっているんだ。そうじゃなくて、莉子ちゃんのほんとうの気持ちを考えてごらん」

「莉子ちゃんの、ほんとうの気持ち……?」


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