わくわくいっぱい、つばさ文庫の新シリーズ! 超~優柔不断で自分になかなか自信がもてない5年生の女の子、天川空がある日突然、天気をあやつるチカラを手にいれた!? 勇気も自信もなかったけど、つよい意思で天気をあやつるために、はじめて自分で目標をたてて、やるって決めた! 個性豊かなお天気男子たちといっしょに、運動会を晴れにせよ!(公開期限:2026年8月31日(月)23:59まで)
13★空と太陽のケンカ
──晴れてほしくない……!
莉子ちゃんが、運動会が中止になってほしいって願ってるって知った。
莉子ちゃんがこまってる。親友なら、助けなくちゃ。願いをかなえてあげないと。
でも、莉子ちゃんの願いをかなえるってことは……。
「空、なにやってんだよ?」
放課後の特訓の最中、ハレくんがまゆをひそめる。
「今日は、この神社の空を晴れにするって言ってるのに。ぜんぜん、太陽が出てこない。前より悪くなってるぞ」
「ご、ごめん。はあ……」
ため息をつきながら、むねに手を当てる。
なんにも、心が熱くならないよ。
「体調が悪いんじゃないか?」
ライくんが、かさをさしてくれる。わたしのレインコートは、すっかりびしょびしょだ。
「カゼをひいたのかもしれない。それなら、明日までに治さないと」
「それとも、お腹へってるとか? おれ、お菓子なら持ってるよ。食べる?」
フウくんが、ポケットから、チョコやアメをとりだす。
心配かけてる。ただでさえ、アメくんのことで、みんな不安に思ってるのに。
「……ライ、フウ。空と二人きりにさせてくれ。話したいことがあるんだ」
ハレくんがいきなり、まじめにお願いする。
二人はちょっとおどろいた。でも、なにも聞かないで素直にうなずく。
「分かった。ムリはし過ぎるなよ、二人とも」
「終わったら、声かけてよね!」
二人が行って、ハレくんと向かい合う。
「オレには分かる。カゼをひいてるわけでも、腹がへってるわけでもない。集中できてないんだ。そうだろ?」
「……うん」
「学校で、なんかあったのか? 一人で考えこんでないで、ちゃんと話せ」
ハレくんに、かくしごとはしたくない。
だから、莉子ちゃんとの会話をぜんぶ教えた。
「晴れにしなくちゃいけない。そのために、心が熱くなれる目標を見つけて、みんなとがんばってきた……ぜんぶ、分かってる。でも頭にね、莉子ちゃんの顔ばっかり浮かぶの。このまま晴れにしたら、莉子ちゃんが傷ついちゃうって思って……」
じぶんの今の気持ちも、正直に伝えた。
ハレくんなら、この迷う気持ちを分かってくれるよね?
ハレくんは短く息を吐いたあと、なぜか首を横にふった。
「……空。お前は、ぜんぜん分かってない」