わくわくいっぱい、つばさ文庫の新シリーズ! 超~優柔不断で自分になかなか自信がもてない5年生の女の子、天川空がある日突然、天気をあやつるチカラを手にいれた!? 勇気も自信もなかったけど、つよい意思で天気をあやつるために、はじめて自分で目標をたてて、やるって決めた! 個性豊かなお天気男子たちといっしょに、運動会を晴れにせよ!(公開期限:2026年8月31日(月)23:59まで)
12★じぶんのココロ、友だちのココロ
──運動会、前日。
「今日は、太陽くんがカゼでお休みです。雨でさむい日がつづいているから、みんなも気をつけてね」
朝の会の時間、先生の話に、みんながちょっとおどろく。
「太陽くん、カゼひかなさそうなのにね。運動会出られるかな」
「お見舞い行ったらだめかな?」
「ねえ、空」ななめ前にいる莉子ちゃんが、ふり向く。「太陽くん、だいじょうぶなの?」
「う、うん。軽いカゼらしいから……」
カゼは、ウソ。アメくんの看病のために、ハレくんたちは交代で学校を休んでいるんだ。
わたしも休もうかと思ったけど、止められた。でも放課後は、また特訓するんだ。
「そして、もうひとつだいじなお知らせが。明日の運動会のことだけど……」
先生の話が変わる。教室の空気も、ちょっと張りつめる。
「当日まで様子を見ることになりました。朝七時までの天気で、中止にするかどうか決めます。学校から連絡がくるまで、ご家族と家にいてね」
当日の朝の天気次第……。ほんとうに、わたしの気持ち次第だよ。
ぐっと、えんぴつをにぎる手に力がこもる。
「運動会、中止になりそうじゃね?」
「だよなあ。ずっと雨ふってんじゃん」
放課後、そんな声が聞こえた。わたしは気にしないようにして、急いで下駄箱に向かう。
でも、昇降口の掲示板の前で足が止まった。
「……あれ? また、莉子ちゃんのてるてる坊主がなくなってる!」
今朝はあったのに……。こんどは、どうしちゃったの?
すぐにあたりをさがすけれど、見つからない。そのうち先生がやって来て、「明日にして、今日はもう帰りなさい」って言われちゃった。
しかたなく帰ろうとして、でも忘れ物を思い出して教室にもどった。
すると、先に帰ったはずの莉子ちゃんが、ゴミ箱の前にいた。
「あっ、空……」
「莉子ちゃん! たいへんだよっ、莉子ちゃんのてるてる坊主がまた──」
言いながら、莉子ちゃんの右手に目がとまる。
なくなったてるてる坊主を、持っている。